ニュースレター(12月22日)1264.55ドル:米税制改革法案、暫定予算案が可決され金上昇
私は本日が今年の仕事納めとなります。今年も一年ニュースレターを購読いただきありがとうございました。なお、私は年末から日本に2週間ほど入りますので、ニュースレターはその間簡易的なものとなることをご了承ください。
週間市場ウォッチ
今週木曜日のLBMA金価格のAM価格(PM価格はクリスマス前で発表はありません)はトロイオンスあたり1264.55ドルと前週金曜日の同価格から0.8%上げています。
月曜日金相場は、米上下両院で税制改革案の採決を控え、法人減税の実現への期待から株高となる中、ドルが弱含みトロイオンスあたり1262ドルへと上昇していました。
これは、FOMCの利上げ発表までの動きの調整と、欧米のクリスマス休暇を控え、ポジションの整理も起きていた模様です。
火曜日金相場は前日の上げ基調を受け継ぎ、2週間ぶりのトロイオンスあたり1265ドルを付けた後、1259ドルまで下げて再び1261ドルまで戻すこととなりました。
同日はロンドン午後に発表された米住宅着工件数が予想を上回り2ヵ月連続の増加で、2016年10月以来の高水準となったことや、米下院が税制改革法案を可決したことなどからも金は押し下げられていましたが、上げ続けていた株価やドルに調整の動きが見られ、金はその後下げ幅を縮めることとなりました。
水曜日金相場は、ドルが弱含む中2週間ぶりの高値のトロイオンスあたり1266ドルをつけて、狭いレンジでの取引となりました。
同日は、米上院は米国時間20日未明に税制改革法を可決し、下院ではすでに19日に法案が通過していましたが、不備が見つかったことから、同日再び採決され可決していました。しかし、このニュースはすでに価格に織り込み済みであることからも、市場への影響は限られたものとなりました。
なお、前日2016年10月以来の高水準となった住宅着工件数と同様に、同日発表の中古住宅販売件数は予想を上回り、2006年12月居合の高い水準と住宅市場が堅調であることを示すものとなっていました。
木曜日金相場は、ドルインデックスが弱含む中、トロイオンスあたり1265前後の狭いレンジでの取引となりました。
同日は市場注目の米第3四半期GDPが発表され、市場予想の3.3%を下回る3.2%となっていました。同様に新規失業保険申請件数も悪化していましたが、フィラデルフィア連銀景況指数は予想を上回るなどまちまちの結果となっていました。
本日金曜日は、ロンドン時間午後に米税制改革法案、暫定予算案が可決されたことが伝えられる中、大きく上げて2週間ぶりの高さのトロイオンスあたり1274ドルあたりを推移しています。
なお、本日発表された米耐久財受注は予想を下回っていましたが、個人支出と個人消費支出価格指数が予想を上回ったことからドルが一時強含んでいました。まずは、すべてのイベントを終え、材料出し尽くしということで調整の動きが出ている模様です。
ちなみに、ビットコイン価格はドル建てでは一時1万1000ドルを割るなど、5日間で4割下げています。
https://gold.bullionvault.jp/金-価格-チャート.do
その他の市場のニュース
- 金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアの残高は、今週木曜日まででに8.3キロ減少していること。
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先週末に発表されたコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週火曜日に31%下げ250トンとなっていたこと。これは、7月4日以来の大幅な一週間の下げ幅で、7月25日以来の低い水準のネットロングポジション。
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コメックス銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週火曜日FOMCの利上げが行われる前に-5.5トンと、4週間連続で減少して、ネットショートとなっていたこと。この数値がネットショートとなったのは、今年7月18日以来。
ちなみに銀先物・オプションの資金運用業者のネットポジションがショートとなったのは、このデータが発表された(600週)中では、31回のみとなります。
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コメックス・プラチナ先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションもまた-12トンと、4週間ぶりにネットショートとなっていたこと。ちなみにショートポジションは過去平均の5倍。
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先週Sibanye-Stillwater社がプラチナ大手のLonmin社を買収することが伝えられていましたが、月曜日はこの買収によりLonmin社の従業員の3分の1を削減することが伝えられていたこと。
ブリオンボールトニュース
英国主要経済サイトThis is Moneyの番組で、ブリオンボールトのリサーチダィレクターのエィドリアン・アッシュが、金投資について、またビットコインについてインタビューを受け、解説しています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
今年も一年ロンドン便りを購読いただきありがとうございました。ひとまず2017年のロンドン便りは本日が最終となります。
今年もいろいろな英国のニュースを伝えさせていただきましたが、一年を振り返り、それぞれの月で話題としたことを下記にまとめてみました。また、そのニュースレターへのリンクも添付してありますので、ご希望でしたらご覧ください。
ご覧になってお分かりになるように、今年はトランプ大統領関連で始まり、英国のEU離脱関係のニュースを多く取り上げましたが、そのような中でも英国王室の嬉しいニュースもお伝えすることができました。来年も英国のEU離脱関係は多く取り上げることとなると思いますが、ウィリアム王子とキャサリン妃の第3子誕生、ヘンリー王子とメーガン・マークル氏の結婚などハッピーなニュースもお伝えできることを楽しみにしています。
11月英国の主要デパート等のクリスマス向けコマーシャルビデオについて
6月メイ首相が総選挙向けにまとめた与党保守党のマニフェスト(政権公約)の一つの高齢者福祉改革が「Dimentia Tax(認知症患者への税金)」について
5月マンチェスターの屋内競技場で行われていた米人気歌手のアリアナ・グランデさんのコンサートでの自爆テロ
3月ファイナンシャル・タイムズ(FT)と日経新聞の共同セミナー「BREXIT、いかに備えるべきか」について
1月トランプ大統領に講義するウーマンズウォークを巡るピアスモーガン氏とユアン・マクレガー氏の意見の対立
それでは、素晴らしいクリスマスと新年をお迎えください。新年が皆様にとって幸多いものとなることをお祈りしています。