金の基礎知識

なぜ金なのか

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金は過去の金融危機などの際にすでに証明された良質の長期資産です。また、長期的に資産保全のために投資をされた初期の投資家も、将来の潜在的な需要の見込みから、その資産価値を増やしています。長期投資の対象としては最良の物といえるでしょう。

金の普遍の価値#

金の価値を述べる際に、歯科医業また電子機器産業で使用することもできることを考慮するべきだと言う人々もいるかもしれません。しかしながら、実際はこのような業種を含む全ての産業で使用される量は些細なものです。だからといって、 金の価値を否定するものでは決してありません。

それでは、なぜ金が社会において根本的に有益なものの一つとみなされてきたかをここで説明します。そのために、まずその主な特色である限られた供給量に注目してみましょう。

金の総量#

現代の最新の技術を使っても、新しい金鉱を発見するのは非常に困難です。現時点ですでに16万トンの金が採掘されています。この現存する世界の地上在庫量を立方体にするとテニスコートを覆うには2メートル足りない大きさとなります。

金は毎年2,600トンが採掘されています。そのため、先の地上在庫量が毎年1.6%ずつ増加していることとなります。これは、現存の金の総量が20.2メートルの立方体を形成しているとすると、これが毎年11センチメートルずつ大きくなっているということです。

地上在庫量で作られる立方体がテニスコートを全て覆い尽くすためには、205,000トンの金が必要です。この量に地上在庫量が至るのは2025年頃となります。

205,000トンは現存する160,000トンの地上在庫量とすでに知られている採掘されていない45,000トンの金の地下埋蔵量の総計に近いものです。

それゆえに、これが存在する金の地上在庫量と地下埋蔵量の総量です。

どのように金は使われるのか#

金は通常は意味のある目的では消費されません。非常に少量ですが、意義のある目的といえば、歯を保護するものとして使われます。それは、その特性である強度によるものです。また、電子機器で使用されるのは、その非腐食性とその優れた伝導率からです。

しかしながら近年95%以上の金が金塊や宝石のように富を蓄えるために使われています。特に世界の金の得意先であるインドにおいては、個人の財産の保全として使われています。

貯蔵された金がなくなることはありません。また、その供給量は年に金総量の1.6%という非常にゆっくりとしたスピードで増加しています。このほぼ固定した地上在庫量、その低い増加率という金の特色は、過去4000年間変わることなく続いています。

これで分るように、金はほぼ固定したこの総量で長期間存在し、そのほぼ全てが有形の資産保全方法として利用されています。この特色は、他の資産保全方法にはないものです。

金の制限された供給量に対して、現存する貨幣制度は制限なく拡大しつつあります。近年の政治的な無規律な貨幣政策は、近年最も厳密に管理された主要貨幣であるユーロにおいても少なくとも年11%の割合で貨幣の供給量を増加させています。

このような状況下では、金の確かに限りのある供給量に貯蓄家は注目します。貨幣に代用される通貨が、正当に供給制限されることなく使われている今日、金が貨幣の代用として使用可能なことは重要な意味を持ちます。このような時代には、金の制限のある供給量は、貨幣よりその購買力を持つこととなります。他のどのような貨幣の代用物も金のように確実にこの役割を果たしません。それは、地上供給量が金のように確実に制限され、また安定していないがためです。

さらには、この非常にまれな特色が理解されているがゆえに、金の需要は高まり、金の購買力が保持されるのみならず、増加することとなります。

金―取引の手段として#

ここで2000年前のローマ人によって考えられた取引に不可欠な手段に関する説明を引用します。 「売買は物々交換から始まった。

古代の貨幣はよく知られていないが、商人が正確に価値を測るものは存在しなかった。全ての人々は、その品を望んだ時期と状況によって、それを必要としない人が、それを必要とする人と交換をしたのだった。多くの場合にはそのニーズは決して同一ではなかった。

また、一人が必要としないものと他が必要としないものが、同等の価値でしかも互いに欲するものであることは非常にまれであった。それがゆえに一つの手段が選ばれ、物々交換の難題を解くものと考えられたのだった。」 取引は人間社会の中心に存在します。それがゆえに、後の取引のために価値を保存するための手段を必要としました。この手段は均質で不変の形と量を持つものでなければなりません。これをほとんどの政府は貨幣で行おうとしてるのです。ほとんどの場合は、それは成功しています。

しかしながら、状況が困難になった場合、政府はすでにある規律を破ることがあります。それは、貨幣を多く発行し始めます。これからも分るように金の均質性に相対するものでは無いわけです。

ローマ人はその他の文明が選んだように、確実な政治から切り離された貨幣の手段として金を選択しました。ローマ以前には、ギリシャ文化、ペルシャ文化、エジプト文化がその選択をしました。そしてその後も、スペイン、フランス、オスマン、英国、アメリカがこの金を基本とした貨幣制度を採用したのでした。

貨幣としての金の歴史#

しかしながら、全ての貨幣としての金を使用する試みは結果的には失敗に終わっています。それは、取引の手段としての金がほどよく循環するのが止まってしまうためです。

そのために、金が最も理想的で時を越えて使用できる貨幣であると盲目的に思うべきではありません。それは、その時代の経済情勢によって貨幣制度として使用され、またそれを停止するというような歴史がそれを物語っています。

しかしながら、金と他の貨幣手段との違いは、他の手段が永遠にその価値を失い、存在しなくなるのに対し、金は一時的に貨幣手段として使われなくなっても、その価値を保ってきたというところです。

そして、過去4000年の間に経済状況が整うことにより金本位制度は度々復活しています。

金による資産設計#

金を有効に利用するには、この歴史的な変化を理解することが必要となります。経営資産や貨幣価値が減少するといった経済危機に金を所有している場合、その価値は非常に急激に増加することとなります。

金はこのような状況下では収益率が高いものとなります。そのため、大恐慌の起こった1929年以降5年間の間に、金の購買力は17倍にも膨らんだのでした。そして、ニクソンショック後の1970年代はその購買力は15倍と膨らみました。

近年金のニーズは再び高まっています。それは、先の30年代や70年代同様に悪化している経済状況から、金価格はすでに3倍となっていることからも証明されています。

金取引におけるリスク#

しかしながら、1980年から2000年の間に金の価値が7/8を失ったことも忘れてはなりません。これは、20世紀において最も経済が発展した期間でした。

この価格の暴落は、投資家は決して金を盲目的に信じるべきではないことを示しています。それがゆえに、近年の経済情勢がいかに厳しいものであっても、経済が好転する時期は必ず訪れるということを覚えておくべきです。その際、人々はそのことに気が付いていないか、それを信じることに神経質になっている場合が多くあります。

当然このような場合は金を売却し、成長すると考える企業へ投資し、改めてダイナミックな資産設計をするのが得策でしょう。

このようなことを可能とする人々は最も賢明な投資家と考えます。それは、金を単に秘蔵するのではなく、経済危機時に金に投資することで資産を保持し、景気が好転した際に金を売却し、その投資から利益を得た上で不況から立ち直るべき経済へ投資をするということは、経済を活性化することの一端をも担うことになると言えます。

それがゆえに、将来の景気回復時の投資能力を蓄えるためにも、近年の経済状況下では十分に資産を保護することが大切であると考えます。

金の投資に関するリンクの一覧#

金の投資に関してはBullionVaultの「金の投資について」をご覧ください。これは、このリンクでオンラインでご覧になれます。

その他、金投資のためのリサーチのリンクは次のようになります。

  1. BullionVault独自のリサーチスタッフによる金市場の分析
  2. 金市場の専門家による最新市場分析を取り集めたBullionVault 市場分析フォーラム
  3. www.Galmarley.comの貨幣の歴史は、グーグルで「Gold Research」の検索をすると常にトップとなっています。これは、歴史上の金本位制度を含む20の貨幣制度を興味深く解説しています。
  4. Dead Cats and Live Rabbitsは金市場の制度的失敗とその結果生じる金市場の変動性。
  5. Warren Buffet’sDad Speaksはどのように金が個人の自由を守っているかを説明しています。
  6. IX Investor Presentationは現在全世界で行われている貨幣制度の不安定な状況をを説明します。

最も良い金の購入方法をお探しであれば、こちらをご覧ください。