金市場ニュース

ニュースレター(5月26日)1265.05ドル:FOMC議事録がハト派的という解釈で金上昇

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1265.05ドルと前週同価格から1.0%上昇し、5月1日以来の高水準へと上昇しています。

週明け月曜日金相場は、ドルがトランプ大統領就任以来の低い水準へと弱含む中、トロイオンスあたり1260ドルを超えて上昇することとなりました。

この間世界株式は先週水曜日の急落から軒並み上昇し、ロシアゲートからのリスクオフ基調も、トランプ大統領の中東での大規模な兵器及びエネルギー契約のニュースなどからリスクオンへと切り替わっている模様です。

しかし、メルケル首相がユーロ安を貿易黒字の要因と述べたことでユーロが上昇したこと、トランプ氏の外遊を待ってコミー前FRB長官の議会証言が予定されていることからもロシアゲートの懸念は残っており、金相場への支えにはなっている模様でした。

ちなみに、同日銀相場は金相場を上回る2%の上昇となっています。

火曜日金相場は、米国株式市場が史上最高値に近づく中、ドルインデックスの上昇もあり、前日の上げ幅を失いトロイオンスあたり1251ドルと下げることとなりました。

この株式市場の上げは同日発表の欧州の経済指標が好調であったこと、またトランプ政権によって予算教書が発表されたことが要因であったようです。

なお、英国は前日夜のマンチェスターの自爆テロで22名の死亡が伝えられていましたが、英株式市場も同日は上昇することとなりました。

また、同日発表の米新築住宅販売件数、リッチモンド連銀製造業はそれぞれ予想を下回り、新築住宅販売件数は4ヶ月ぶり、リッチモンド連銀製造業は、2016年10月以来の低水準となっていました。

水曜日金相場は、先月のFOMC議事録を待つ中、株式・為替市場同様に狭いレンジでの動きとなっていました。しかし、FOMC議事録発表で、利上げに関しては「早ければ6月」と述べていたものの、これは織り込み済みで、バランスシートの縮小に関して詳細が議論されていたものの、これは利上げに代わる策とも取られたことから、ハト派的との解釈で金相場は上昇することとなりました。

木曜日金相場は、前日夜発表されたFOMCの議事録がハト派的との解釈で上昇したトロイオンスあたり1258ドルを挟んで狭いレンジの取引となりました。

同日他の市場においては、株式市場は前日に続き上昇しS&P500種とナスダックが史上最高値を付けるなど6日連続の上昇となりました。また、原油価格はOPECでの減産量が予想を上回ることがないと伝えられたことから、下落することとなりました。また前日米ムーディーズが中国国債を格下げしたことを受けて、人民元と株価が下げていましたが、同日は人民元が4ヶ月ぶりの高さに上昇することとなりました。

本日金曜日の金相場は、昨日の調整で株式市場が英国を除き多少下げる中、トロイオンスあたり1266ドルと上昇しています。

英国と米国は来週月曜日は祝日であることからも本日は薄商いの中、5月は価格を下げていたこともあり調整の上げや、今週発表のFOMCの議事録で利上げ及びバランスシート縮小は予想を上回るものではないとの観測からも、金相場を押し上げている模様です。

なお、本日発表の主要経済指標の米耐久財受注はマイナス数値ながら予想を上回り、米第1四半期GDPも年率1.2%と予想を上回っています。しかし、ロイター・ミシガン大学消費者信頼感指数は多少ながら予想と前回を下回ることとなりました。

その他の市場のニュース

  • ビットコインがドル建て価格で1ヶ月で倍と史上最高値なっていましたが、本日10%下落していること。
  • 中国への香港を介した金の輸入が先月日大きく下落したこと。しかし、12ヶ月単位では、昨年と同じ794トンであるとのこと。
  • 金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアの残高は今週3.2トン減少し、847.452トンとなっていたこと。
  • 4月11日にスポット価格とLBMA金価格に1%の差が発生した背景を解説する記事をロイターが発信したこと。これは、前日にLBMA金価格のオークションに参加する14社の内の4社が、LBMA金価格運営会社のICEの新たな条件にITシステムの準備が整わないとの理由で、参加を取りやめたことによる流動性の低下からとのこと。これにより3週間は取引量が4分の3に低下し、スポット価格とLBMA金価格の差も3倍へと広がっていたとのこと。しかし、5月に入りその差は狭まっているとレポートされています。
  • インドへの金の輸入が4月に結婚シーズンの宝飾品の需要の伸びで前年比4倍の98.3トンになっていたことがブルームバーグで伝えられていたこと。
  • 先週末発表されたコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、前週比30%減と3週連続で減少し、FOMC3月利上げ観測から価格を下げていた3月21日以来の低い水準となっていたこと。
  • 銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは前週から45%減と2015年12月15日以来の大幅な週間の下げで、5週連続の下げとなっていたこと。また、これは2016年1月以来の低い水準であったこと。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週英国では、月曜日マンチェスターの屋内競技場で行われていた米人気歌手のアリアナ・グランデさんのコンサートでの自爆テロについて日々大きく伝えています。

これは、英国でのテロとしては2005年のロンドン同時テロ以来の多数の死傷者(死亡者22名、負傷者120名)を出したこと。そして、この死傷者に8歳の幼い子供やティーン・エイジャーを含む子供達が多く含まれていること。また、この自爆犯が残念ながらリビアの移民の両親を持つものの英国生まれの若者であったこと。そして、この自爆犯の名前や自爆に使われた爆弾の写真などの捜査情報が米メディアにリークされて発表されてしまったこと等からでした。

最後の点については、イタリアのシチリア島で行われているG7で、メイ英首相がトランプ大統領に再発防止を求め、トランプ大統領も 「適切な場合には、責任のある人物は訴追されるべき」と答えています。

火曜日以降刻々と伝えられる死亡された方々のそれぞれのストーリーは、子供を持つ人々に限らず、多くの人々の心を揺るがすもので、このような惨事に偶然にも遭遇してしまった人々とその稀有の運命について考えさせられるものでした。

今週月曜日の自爆テロ発生を受けて、水曜日には警戒レベルが5段階の最上位の「クリティカル(危機的)」に引き上げられ、パトロールの警官の数もロンドン市内は明らかに増えており、英国内は緊張が高まっています。

2005年のロンドン同時テロ事件の時のように、このショックを超えて人々が日常生活に戻るまでにはしばらく時間がかかりそうです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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