金市場ニュース

ニュースレター(2月10日)1228.30ドル:トランプ、欧州リスクで3ヶ月ぶりの高さへ上昇後、トランプラリーで下落!

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格は、今週は3ヶ月ぶりの高値を記録した後その上げ幅を失い、トロイオンスあたり1228.30ドルと前週同価格からは1%上げています。

週明け月曜日金相場は、欧米株価が下げる中、昨年11月11日以来の高い水準のトロイオンスあたり1232ドルへと上昇することとなりました。

これは、トランプ大統領の国内外の政策への懸念が高まりつつあったことから、また先週金曜日に発表された米雇用統計の平均時給が予想を下回り、FRBの更なる金利引き上げの観測も後退したことも要因であった模様です。

翌火曜日金相場は前日の11月初旬以来の高値のトロイオンスあたり1233ドルを推移することとなりました。

同日はギリシャ国債の利回りが10%へと急騰するなど、ギリシャの債務問題が再認識され、また週末に仏大統領選に絡み、フィヨン元首相の妻の公金使用疑惑から、極右政党党首のルペン候補が有利との見方も出てきていたことから、フランスのEU離脱の可能性も浮上し、先行き不安による国債利回り急騰で、仏主要株価指数のCAC40種指数が0.49%下落するなど、リスクオフの傾向が出ていました。

水曜日も欧米の株式市場が軟調な中、リスクオフで米長期金利が3週間ぶりの水準へ下げる中、金相場も上昇をし、3ヶ月ぶりの高さのトロイオンスあたり1240ドルを越えることとなりました。

これは前日同様に、トランプ大統領の難民及び移民の制限措置を巡る混乱、ギリシャ債務問題再燃、そしてフランス大統領選後のフランスのEU離脱の懸念に加え、今年行われることになるイタリア選挙の結果によってはItalexitも浮上し、リスクが強く意識されたことからでした。

木曜日金相場は、米株式市場が史上最高値へ上昇し、ドルインデックスも上昇する中、金相場はトロイオンスあたり1232ドルへと10ドルほど下落することとなりました。

先の要因は、トランプ米大統領が2-3週間内に税制について発表すると伝えられたことに市場が反応したことからでした。なお、同日ブラード・セントルイス連銀総裁の「FOMCは、不透明の中で3月に行動する必要はない」というコメントも伝えられていました。

本日金曜日は、前日の基調を受け継ぎ、株式市場が上げ、金は押し下げられていましたが、ロンドン午後に発表されたロイター・ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回ったことなどからドルが多少弱含み、現在ロンドン時間夕方にその下げ幅を取り戻しつつあります。

その他の市場のニュース


  • ドイツの中銀のドイツ連邦銀行が、ニューヨークとパリに保管していた金地金を自国へ輸送する計画が予定より早く進んでいるとのこと。NYからの輸送は既に終了し、後はパリから91トンの金地金を輸送するのみで、これも今年中には終了する予定とのこと。

  • 米国証券取引委員会への届出書(13F)によると、ウェルズ・ファーゴが金のETF(GLD)の持ち高を減少させ、JPモルガンも半減させていたこと。しかし、ニュージャージー州の年金機構は増加させていたとのこと。

  • 著名資産家ドッケンミラー氏が12月に金価格が下げたところで金を購入していたこと。

  • 金のETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアは2月1日から8日まで6営業日連続残高を増加させていたこと。

  • 先週末に発表された先週火曜日のコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、前週比20%増と8週間ぶりの高い水準となっていたこと。これは、未だ過去10年の平均の60%。

  • それに対し、コメックス銀の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、前週比12%増で、17週間ぶりの高水準となり、10年間の平均の176%。

ブリオンボールトニュース

今週はブリオンボールトが毎月まとめている金投資家インデックスの1月の数値が発表されたことから、多くの主要メディアで取り上げられました。

ここでは、弊社のプレスリリースが掲載されています。また、この詳細は弊社サイト「金投資家インデックス:金の需要が1月としては5年間で最高水準へ」でもご覧いただけます。

この記事では、エィドリアンの「フランスの大統領候補のマリーヌ・ルペン右派政党国民戦線党首が、当選後6ヶ月以内にフランスのEUメンバーに関する大幅な変更を求めてEUと話し合いを持つとし、英国のキャメロン首相が同様にEUとの話し合いの後に国民投票を実施してEU離脱が決定したことからも、FREXIT(フランスのEU離脱)への懸念を高めている。」という分析を紹介しています。

この記事では、金投資家インデックスが過去5年間で最も高い1月の数値となり、顧客保有の金総量も37.6トンと最高値となったこと、さらに2016年の金のネット需要は、2012年以来の高さで2.7トンとなったことが紹介されています。

ロンドン金融街Cityで広く購読されている、この日刊経済紙では、オンラインサイトと紙上で連日弊社金投資家インデックスについて取り上げ、エィドリアンの「2016年に高まりつつあった金融と政治的リスクが、現実的になりつつある」というコメントと、トランプ大統領、EUへの英国離脱の通告、欧州における選挙などが金の需要を高めている要因だという弊社リサーチ主任のエィドリアン・アッシュのコメントを取り上げています。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週も英国ではトランプ大統領とBREXITに絡んだニュースが見出しを飾っています。

先週はトランプ大統領を国賓として英国に招待したことに対して、反対を唱えるオンライン請願が150万人を超える署名を集めていたことをここでもお伝えしましたが、今週は、英国下院のバーコウ議長が、トランプ大統領が国賓として訪英した際に、英国議会で演説することに「強く反対する」と表明したことと、それに対する反響が大きく伝えられていました。

バーコウ議長は、「英国議会の人種主義と女性差別へ反する立場と、法の下での平等や司法の独立を尊重するという立場からも、トランプ大統領の政治姿勢は議会演説の栄誉にふさわしくない」という理由からと説明していました。

この発言の際は、野党議員からは大きな賛同の拍手が起こりましたが、政権を持つ保守党議員は明らかに気まずそうに佇んでいました。それは、メイ首相がトランプ大統領を国賓として招待したこともありますが、本来議長は、その出身党籍も離脱して中立の立場を貫かなければならないという役職でもあることからでした。

そのため、メイ政権の内部からは「極めて政治的で逸脱行為だ」というコメントも出ています。また、複数の保守党議員が、バーコウ議長の不信任決議を行うことをメイ首相に求めたとも伝えられています。

ちなみに、このバーコウ議長を議長職から解任すべきというオンライン請願も立ち上げられており、現在は9000人の人々が署名を行っているようです。

今週は英国下院議会がEU離脱を通知する権限をメイ首相に与える法案を賛成多数で可決しています。BREXITという英国にとって一大イベントを前に、トランプ政権との関係は重要であることは確かであるものの、トランプ大統領の政治姿勢からも国内世論の舵取りも注意しなければならず、メイ政権の力量が試される日々がこれからも続きそうです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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