ニュースレター(2013年9月27日)債務上限引き上げ問題、量的緩和縮小年内見送り観測が金価格を押し上げる
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1341ドルと、前週同価格から0.6%下げています
週明け月曜日は、前週の価格下落の流れを受け継ぐこととなりました。前週金曜日の下げは、米地区セントルイス地区連銀のブラード総裁が、「インフレが抑制されていることで、連邦準備理事会(FRB)は緩和縮小時期を忍耐強く決定できる」としたものの、「雇用者数と失業率に関する統計がさらに改善すれば、FRBが緩和縮小に踏み切る公算は大きくなる」と指摘したために、早期縮小観測が広がったためです。
火曜日は、米ニューヨーク連銀のダドリー総裁が「年内に量的緩和縮小に踏み切ることは依然として可能だ」としたことが前日伝えられたことなどから、株価と共に金価格は更に下げることとなりました。
水曜日、ルー米財務長官が、連邦債務の上限引き上げ問題について、「合意が可能との投資家の信頼感はおそらく行き過ぎている」との見解を明らかにし、議会宛の書簡で「「政府が支払い不能に陥れば、壊滅的な結果を招く」とし、債務上限引き上げに向け迅速に行動するよう要請したことも伝えられ、市場に懸念が広がり、安全資産との位置づけから金が買われ価格は上昇することとなりました。
木曜日は、米国の週間新規失業保険申請件数が発表され、その数値が改善し、6年ぶりの高水準となったために、量的緩和縮小の観測を広めることとなり、金価格は下げることとなりました。
本日金曜日は、シカゴ連銀のエバンズ総裁が、オスロで行なわれたスピーチで「量的緩和縮小は来年初めとなる可能性はある。」と述べたことが伝わり、金価格はトロイオンスあたり15ドルほどあげることとなりました。その後発表された、米国9月ミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回ったことも、金価格の上げを支えた模様です。
他の市場ニュース
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FOMC発表直前に大規模取引が行なわれたとの報道をめぐり、発表内容が事前に漏洩した可能性などをFRBが事実確認を行なっていることを明らかにしたこと。
ブリオンボールトニュース
今週ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが、BBCラジオ4の主要番組「Today」で、金市場の今後について、BBCのビジネスレポーターのサイモン・ジャックにインタビューを受けました。ここで、金価格が2年前から30%下落していること、量的緩和縮小の延期の価格への影響など、金市場の今後についてエィドリアンが答えています。
このインタビューはこの番組の1時間19分まで早送りいただくとお聞きいただけます。
また、同日このインタビューが、BBCのオンラインサイトでも「金消費者がバーゲンハント(安値買い)している」として取り上げられています。
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールトリサーチ部門の「連邦準備制度理事会の量的緩和縮小のロードマップの行方」 -
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏の「シルバーの産業用需要の見通し」 -
はじめての金読本の「ショートカバーは炸裂したけれど」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週の英国からのニュースとしては、先天性な障害から両足を膝下から失った、ロンドンパラリンピックの200m金メダルリストであるRichard Whitehead氏が、日々フルマラソンの距離を走り、イギリスを縦断したことをお伝えします。
その走行距離は1572kmで、8月13日から9月23日かけて走りきったとのこと。これは、障害者のためのチャリティー団体(Scope)と彼がパトロンを勤める骨肉腫の研究のためのチャリティー団体(Sarcoma UK)への寄付を募る目的ですが、障害のある彼がこのような偉業を成し遂げることで、どのような人にも限界はないということを伝えたいということから。
私も趣味で走っていますが、フルマラソンは年に一回挑戦するのが精一杯です。だからこそ、彼の達成した偉業に敬意を払うと共に、ここで皆さんにお伝えをして応援をさせていただければと思います。
彼のウェブサイトは下記のリンクでご覧いただけます。また、ご希望であれば寄付もこのサイトから行なえます。
http://www.richardwhiteheadrunsbritain.com/
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