金価格ディリーレポート(2025年12月15日)記録的な銀価格、Comex と上海先物取引所で取引急増
金と銀の価格は月曜日の昼過ぎまでに反発し、ロンドン市場では金曜日に記録した史上最高値からの下落分を回復した。これは、ニューヨークのComex銀取引高の急増に続き、上海先物取引所での銀取引高も急増したことを受けたことからでした。
ロンドンの金地金価格は本日、前週金曜日3pmのロンドン金オークションで、トロイオンスあたり 4,346ドル の新たな史上最高値を付けた後の1.2%下落分をほぼすべて取り戻していました。
いわゆる「安全資産」である金は前週 2.5%上昇、5週連続の週間上昇となっていました。
年間需要の約60%を工業用途が占める銀価格も金曜日の急落から大部分を回復し、本日はトロイオンスあたり 64ドル超 を付けていました。先週のロンドンの世界指標における史上最高値は 64.65ドル でした。
金曜日の米Comex銀先物・オプション取引量は、2020年の新型コロナ・ショック後の反発期および2021年2月の #silversqueeze の時期を除けば最も多く、今年10月のロンドンでの「深刻な」現物銀供給逼迫以来の高水準となっていました。
上海先物取引所(SHFE)の銀先物取引量も本日急増し、2024年5月以来の高水準 を記録。一方、上海黄金交易所(SGE)の銀地金価格は、金曜日の史上最高値(1グラムあたり14,910元)から 1.1%下落 していました。

「銀はハードアセット需要の継続と、供給がタイトで価格を支える見通しによって下支えされている」と、Saxo Bank の戦略チームは最新レポートで述べている。
銀ETFの最大銘柄iShareシルバー(SLV) は先週 0.1% 増加し、2022年7月以来の最大規模 に。月間では 3.1% 増 と、6月以来の最速ペースとなっています。
銀は先週ロンドンで 11% 上昇 し、2020年8月のコロナ危機のピーク以来の週間上昇率となった。
「金の金曜日の上昇を最も押し上げたのは、明らかに銀の急騰だった」と日本貴金属マーケット協会(JBMA)の池水雄一代表理事は述べ、Comex で銀価格が新高値を付けた際に取引量が急増した点を指摘していました。
金ETFも先週は増加し、10月中旬の記録的高値時の水準に戻っていました。金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェア(GLD)は 0.3%、第2規模のiShareゴールド(IAU)は 1.1% の純資金流入を記録。
上海黄金交易所の金価格は本日、10月17日の史上最高値を下回る水準で推移し、1.3% 上昇 のグラムあたり 978元。
アジア株式市場は金曜日のウォール街の下落を受けて下落。これは、特に割高感のあるAI関連株が下げを主導していました。一方、欧州株は上昇し、Stoxx 600 は 0.8% 高。米先物も反発していました。
ユーロ建て金価格は金曜日のロンドン新高値 3,702ユーロ に向かって上昇。ポンド建ても金曜日の下落を大部分取り戻し、3,251ポンド の新高値に向かっていました。
クリスマス前最後の週となる今週は、先週の米連邦準備制度(FRB)による利下げ決定を受け、市場の注目は木曜日の英イングランド銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)会合へ。BOEは 0.25% の利下げ が予想され、ECBは据え置きの見通し。金曜日には日本銀行が続き、市場コンセンサスは 0.25% の利上げ を織り込んでいます。
それに加え、火曜日には米国11月の雇用統計が発表されます。これは政府閉鎖以降、初めての主要な労働市場データとなります。木曜日には11月の米消費者物価指数(CPI)も公表され予定です。






