金の保有比率を再考する
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、投資家から質問されることがある「金の保有率」について、一般的な保有率の目安とその背景を解説した上で、提言しています。
ときおり金の保有比率についての質問が入ります。金読本では資産の1割とお話しているのですが、にもかかわらず質問が入るのには理由があります。
メール文面から共通して感じられることとは、2、3割ほど保有したいのだけれど、誰もが1割と言うので踏み出しにくい、というもの。
つまり、かくがくしかじかの考え方をすれば、2、3割なら保有しても構わないのでは、と、そんな背中を押してくれる言葉がほしいのです。
そこで、あらためて金の保有比率について、久しぶりに考えてみようと思います。
個人の金の保有比率は資産の1割と語られ、まるで金科玉条のごときものとなっています。けれど、じつはこの「1割」という数字に、明確な理由が存在するわけではありません。
それでも、あえてこじつけると理由はふたつ。
ひとつ目は、中央銀行の金準備比率*1の世界平均がおよそ1割程度となっていること。ふたつ目は、欧州のプライベートバンクでは、昔から資産の1割弱を金で保有することを顧客に推奨していたということです。他の金融資産に対するヘッジとして、です。
いわば長年の経験則みたいなものですから、あだや疎かにするものでもありません。
ただ、こんな考え方もあります。
金現物を買って保有している人は、懐疑的な傾向があるように感じます。
商売で痛い目を経験したのかも知れません。バブル崩壊で不信感を募らせたのかも知れません。どんな理由があるか定かではありませんが、どこかに「不信」の虫を抱えているようです。
ですから、このように捉えてはいかがでしょう。ご自身の社会に対する不信感の度合いに応じて、希望する「金の保有比率」は決めれば良い、と。
ただし、金の保有比率を高めれば高めるほど、資産全体が、金価格の変動リスクに大きくさらされ、影響されることになります。このことは、しっかりと自覚して、ご自分なりの比率を決めれば良いと思います。
本日は、ここまで。
********************
資産保護のために金の購入をお考えですか。ワールドゴールドカウンシルが資本参加をしている、オンライン金取引において世界一の実績を持つブリオンボールトでは、日本のお客様が、スイス、英国、米国、シンガポール、トロントで金保管をすることができる海外投資サービスを提供しています。