ニュースレター(2013年11月22日)1246.25ドル FOMC議事録で量的緩和縮小観測が広まり、金価格は4ヶ月ぶりの低水準へ
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1246.25ドルと前週同価格から3.2%下落しています。
週明け月曜日は、先週イエレン次期FRB議長の上院銀行委員会の公聴会での発言で上げた反発で、金価格が緩やかに下げる中、NY株が4日連続で最高値を記録し、一時取引時間中初1万6000ドルを上回ったことなどからも、金価格は更にトロイオンスあたり1270ドルへと下落しました。
翌火曜日は、水曜日に発表される10月のFOMC議事録を待つ中、狭いレンジでの取引となりました。
水曜日は、市場注目の10月FOMC議事録が英国時間19時に発表され、量的緩和が「数ヶ月内」に縮小する可能性があるとの認識が示され、金価格はトロイオンスあたり20ドルほど下落し、4ヶ月ぶりの低水準となりました。また、同日発表された米国10月消費者物価指数が1.0%と下げたことも、金はインフレヘッジとして利用されることが多いことから、価格を抑えたようです。さらに、ロンドン時間午前中の下げは、欧州中央銀行の更なる緩和の観測からドルが買われたことが要因であったようです。
木曜日は、ダウ平均株価が最高値を更新する中、前日の下げを引き継ぎ、一時はトロイオンスあたり1240ドルまで下げることとなりました。
金曜日は前日の下げを多少戻す中、狭いレンジで取引が行なわれています。
他の市場ニュース
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英当局(FCA)が世界の金指標であるロンドン金値決め価格の調査を進めつつあることが伝えられたこと。これは、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)操作問題を受け、他の金融指標が乱用されているかどうかを調査している一環。 -
中国の今年1-9月の金生産量が、307.809トンと前年比6.8%増加したことが伝えられたこと。9月の生産量は37.642トン。 -
国際通貨基金(IMF)が公表した10月の世界各国金準備で、ドイツの残高が前月比3.421トン減少し、3387.247トン、一方トルコの金準備は12.994トン増の503.255トンとなったことが明らかとなったこと。
ブリオンボールトニュース
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュの「金の投資と資金の動き」、「対GDP比、中国の金購入額が高水準である背景」、「ロンドン金価格指標の不正操作疑惑について」 -
ブリオンボールトのリサーチ部門の「中国の中高年女性が金相場を支える」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
年末を前に、ここ英国では過去1年間に注目を集めた英語の新語を選ぶ「今年の言葉」が発表されます。その言葉に、今年は「セルフィー(Selfie)」が選ばれたことをBBCが伝えています。
「セルフィー」とは自分自身を撮影した写真のことで、スマートフォンなどで撮影後にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にアップするものです。
この新語を選出したオックスフォード大学出版局によると、同語の使用頻度は、昨年一年で1万7000%増加したとのこと。
ちなみに、今年の最終候補に残った言葉は、マイリ-・サイラスの挑発的なダンススタイルの「Twerk」や、テレビを長時間見続ける「Binge-watch」、合成肉の「Schmeat」、仮想通貨「Bitcoin」など。
また、2004年の新語は英国の下層階級の反社会的な若者「Chav」であり、2008年は金融危機の中の金融収縮「Credit Crunch」、そして昨年は政治的局面で使われた、あらゆる面で無能もしくは混乱状態の「Omnishambles」であったとのことです。
日本では、今年の新語・流行語が12月2日に発表されるとのことですが、その年のムードを映し出す「今年の言葉」はとても興味深いものがあります。
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