対GDP比、中国の金購入額が高水準である背景
中国のGDPデータを見ると、ある国では投資家と呼ばれている人々は、この国では中高年の女性であるようです。
ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが、中国のGDP比の金購入額の高さの背景を解説しています。
中国で金を購入している人々はどのような人々なのでしょうか。ブルームバーグは、中高年の女性であると示唆しています。
「世界の投資家が金投資を手控える中、安徽省在住の家政婦ヤン・サイイェンさん(41)のような中国の中高年の女性が、世界一の金消費国インドをトップの座から引きずり落とした要因です。」とブルームバーグは述べています。
もちろん、このような社会欄の記事を真剣に捉えるべきではないかもしれませんが、彼らは正しいかもしれません。
しかし、この中国の中高年女性「Auntie(おばさん)」と「投資家」の違いは、西欧中心の考え方の上に立っているようにも思われます。
確かに、西欧の投資家が金投資から資金を引き上げている中、貯蓄を守るために金の宝飾品を購入している中国くの中高年の女性「Auntie(おばさん)」達は、賢者ではないかもしれません。しかし、ヤンおばさんのように、1オンスの金を購入している1億2千万の40代のおばさん達が、中国の典型的な金の信望者であり、野村證券によると、西欧のETF売却分を5倍上回る量を2013年に購入しているとのことです。
そして、世界で最も早いペースで成長している経済を持つ中国は、ついに2013年の世界最大の金消費国となります。
もちろん、中国の中高年の女性達は、一人一人が1オンスの金を購入する貯蓄を持っていません。また、彼女達全てが金を購入するとも限りません。そして、彼女達のみが、金価格が下げたこの機会に金を購入しているわけではありません。西欧とは異なり、中国における貴金属投資は一部の人々のみが行なうものではありません。金業界の開発団体であるワールド・ゴールド・カウンシルの投資部門のマネージングダィレクターのマーカス・グラブ氏が最新のインタビューで述べたように、中国における経済の鈍化は、必ずしも中国の金需要を減少させていない点も注目すべきでしょう。
先のチャートの中国の貯蓄における金購入量を見てみると、中国において2012年にパニック的な金購入が行なわれたようです。そして、今年はそれ以上の金宝飾品、金貨、投資用金地金などの金購入が行なわれています。
貴金属コンサルタントのトムソン・ロイターGFMSによってまとめられ、ワールド・ゴールド・カウンシルが発表したデータによると、中国の一般の人々が消費した金の人民元建て額は、過去10年間に18倍となったということです。また、これらのデータを分析すると、消費量が最も増加する中国の旧正月を含む第1四半期に中国の一般の人々が、金購入に支払った額は、2012年と2013年共にGDPの0.8%となっています。
それが例え宝飾品や金貨や金の地金であっても、かつて植民地を保有していた西欧の人々が、世界一の金消費国の金購入の動機を否定するのは、正しいとはいえないでしょう。ある国における投資家は、この国においては中高年の女性であるのです。そして、彼女達は、最も著しく成長を遂げている高い貯蓄率を持つ国の人々なのです。