金市場ニュース

ニュースレター(2013年10月11日)1265.5ドル 財政協議決着への楽観的観測が広がり価格を押し下げる

週間市場ウォッチ

今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1265.5ドルと前週同価格から3.3%下げています。

週明け月曜日、米国議会の財政協議に進展が見られないことから、株価が下げ金価格は上昇したものの、火曜日は、薄取引の中トロイオンスあたり1319ドルから1328ドルの狭いレンジでの取引となりました。

その後水曜日は、金価格が1300ドルを割り下落することとなりました。これは、下値サポートラインを超えたことによるテクニカルの売 りと共に、米政府機関一部閉鎖やハト派のイエレン副議長のFRB議長指名などの本来金価格を押し上げるべき要因にもかかわらず上げ渋っている現状への落胆 の売りも下げを広げた模様です。

木曜日もまた、財政協議が難航する中金価格は頭の重い動きとなりました。そのような中、米国週間新規失業保険申請件数が予想を上回る雇用状況の悪化を示すものであったために、多少押し上げられたものの、昨日行なわれたオバマ大統領と共和党議会指導部の話し合いで、進展が見られるとの観測から株価が上げ、金価格は押し下げられることとなりました。実際には進展は見られなかったものの、デフォルト回避のための債務上限の短期引き上げ観測が広まり、金は売られることになりました。

金曜日は、前日の1300ドルを割る水準で推移していましたが、コメックスのオープン直後に大量の売りが出て1268ドルへ急落することとなりました。これは、過去3ヵ月で最も低い水準です。

他の市場ニュース


  • 中国の香港からの金輸入が、8月に110トンと4ヶ月連続で100トンを超えたこと。それに対し、ワールド・ゴールド・カウンシルによると、インドの金輸入においては、7、8、9月の合計が100トンとなったこと。 中国の香港からの金輸入の月間量の推移を2012年と比較したチャートは下記のようになります。ここでは、今年の輸入量が昨年比95%増となっていることがご覧いただけます。

 

ブリオンボールトニュース

また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。

ロンドン便り

英国では、ノーベル物理学賞をエジンバラ大学のピーター・ヒッグス名誉教授とブリュッセル自由大学のフランソワ・アングレール名誉教授が受賞したことを、大きく伝えていました。

現代物理学では、ビッグバンで宇宙が生まれた瞬間には素粒子は質量を持たず、光の速度で飛び回っていたと考えられていますが、その直後に素粒子が質量を得て動きが鈍り、物質に満ちた今の宇宙となったとされています。今回受賞したアングレール氏は、その仕組みを最初に提唱し、ヒッグス氏はその仕組みの主となる「ヒッグス粒子」の存在を予想したことが認められたことから。この二人の論文は1964年に発表されています。

この予想の基づき、欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型加速器(LHC)で実験が続けられていましたが、今年3月に「ヒッグス粒子」の発見がほぼ確実になったことが発表されています。この際、ヒッグス氏が「時として正しいことはとても嬉しい」と涙したことはニュースでも伝えられていました。

今回の受賞については、携帯電話を持ち歩かないヒッグス氏は、昼食から戻る際に近所の方にお祝いの言葉をかけられて知ったとのこと。

今年84歳のヒッグス氏は、「長い間、『ヒッグス粒子』の発見は、自分が生きている間に起こらないと思っていた。」と述べ、受賞の感想として「当然とても喜ぶと共に、長い間かかったことからもほっとしている。」と語っています。

表に出ることを好まない朴訥な科学者として知られているヒッグス氏の栄えあるノーベル賞受賞を、英国の多くの人々が心から喜び誇りに思っているようです。

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ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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