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中央銀行が金投資よりも他の資産への投資を優先

2013年の金のボラティリティの高さから、新興国中央銀行の投資傾向に変化が起こっている。

金投資は、金融危機の渦中のように、もはや中央銀行の外貨準備の担当者にとって優先順位の高いものではないことが、先々週のロンドン貴金属市場協会の年次会議において、パネリストとして登壇した関係者の話しで明らかとなった。

「中央銀行は、更なる多様性を必要としている。」と、3.8兆ドルの資産を運用するアセットマネージメント会社Blackrockの公的機関責任者のTerence Keeley氏は、ローマで開催されたロンドン貴金属市場協会年次会議にて、金投資を議題とする会議の冒頭に述べている。

中央銀行全体では、2009年までの20年間、年間で金の売却量が購入量を上回っていた。それ以降、欧州の中央銀行では安定した金準備が保有され、新興国の中央銀行は金準備を積極的に増加させていた。しかし、これは、中央銀行全体としては、「低価格で売却し、高い価格で購入」という行動をしていたとし、「これは、ポートフォリオを多様化する方法ではない。」とKeele氏は続けている。

この会議のパネリストであった、アルゼンチンの中央銀行の副主任であるJuan Ignacio Basco氏は、中央銀行の中で、2013年の価格のボラティリティの高さは、金投資への態度を変化させたと語っている。

1990年代後半に、120トンの金準備をほぼ全て売却したアルゼンチンは、2010年までの10年間に62トンを金準備として購入し、2011年の7月から10月までの記録的な価格の水準で更に8トンを購入ている。

それ以来の価格の下げにも関わらず、国際市場で他通貨を売却しペソを購入していることから、アルゼンチンの金準備は外貨準備の6.5%とその割合において安定した水準を保っている。

「金のボラティリティの高さは心地の良いものではありません。それが、例えポートフォリオ上少ない割合であっても。」とBasco氏は述べている。

2013年前半の金価格の下げに注目し、「これは標準の動きの2倍以上となっている。そのため、そのボラティリティを緩和させるためにオプションを利用している。」と話し、「我々は何かをせざるを得ないのだ。」と追記している。

そして、2日間の会議後にBlackrockのKeeley氏によって議事進行されたパネルディスカッションを概略した、スイスの投資銀行で、ロンドンフィクシングのマーケットメーカーであるUBSのEdel Tully氏は、「マーク・トゥ・マーケット(Mark to Market)の損失とボラティリティは、金のみの問題ではない」と述べている。

「インフレに連動する債券、株式、不動産や現金のような他の資産は、多様性や流動性においてより高いものがある。」とTully博士は、先のパネルディスカッションで言及し田上で、「そのような理由から、多くの中央銀行が他の資産を金よりも優先させているのだ。」と続けている。

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