金市場ニュース

ニュースレター(2020年8月14日)金は史上最高値から過去10位に入る下げ幅を見せた後に堅固に推移

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1945.39ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から4.22% 下げ、9週連続の上昇から一息付くこととなりました。また銀価格は、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり26.74ドルと前週のLBMA価格(午後12時)から5.61%下げ、やはり9週連続の上昇を止めています。そして、プラチナは本日午後2時の弊社チャート上では954.35ドルと前週金曜日のLBMA価格から2.52%下げています。

今週は火曜日に金・銀・プラチナ相場は大きく下げることとなりました。本日の推定のLBMA価格ベースで先週木曜日の史上最高値のトロイオンスあたり2075.19ドルから6.25%安、銀価格は先週木曜日の7年半ぶりの高さの29.85ドルから10.42%安、プラチナは、先週の高値の1010.45ドルから2.32%安、今年の最高値1041.75ドルから5.25%安となっています。

月曜日は、先週終値の水準を堅固に守っていましたが、火曜日に下落を始め節目の2000ドルを割り、今年超えた9年ぶりの高値の水準の1920ドルも割ると、売りが売りを呼び、水曜日早朝には一時3週間ぶりの低値の1864.89ドルまで売り込まれることとなりました。結果的に最高値からは10.2%下げたこととなります。

この下げは、過去の下げ幅と比較すると10位のものであるとのこと。ちなみに最大の下げ幅は1982年9月の40.2%、今年3月のコロナ危機の際は14.8%の下げを見せていました。

この背景は、ドル高と実質金利の上昇、そして史上最高値を更新し続けていたことで、利益確定の売却で価格の調整も起こったことからでした。

これは、今週世界の金ETFの総量が30日連続増加を金曜日に止め、今週は昨日まで連続で減少していることからも見ることができます。

なおドル高、実質金利上昇の背景は、下記のようなものとなります。


  • 先週の米国の雇用統計が予想を上回ったように、今週も米国新規失業保険申請件数等の経済指標が予想より良好であったこと。

  • 先週末には米中関係が米国が香港問題をめぐり香港の行政長官や高官に制裁をし中国がその報復で米国政府高官に制裁を課すなど、世界2大経済国の関係激化懸念が広がっていたこと。

  • 「ロシア政府がコロナワクチンを承認した」との報道で、世界経済回復期待が広がり、リスクオンで世界株価が全般上昇したこと。

  • 今週米財務省が実施した米30年物国債入札が「低調」な結果と受け止められ、また来週の30年債入札に対する警戒感も入り、米国債が売られ金利が上昇していたこと。

しかし、追加の経済対策を巡るトランプ政権と与野党の協議に目立った進展がないことがリスクオン基調を後退させていること、また、世界の中央銀行が長期的な金融緩和政策を維持するとしていること、そして世界各国が財政赤字を広げることになっても、コロナ危機から経済回復をさせるために経済対策を続けざるを得ないことは、実質金利を抑えドルの価値を下げるという観測は金を引き続きサポートしています。

そこで、火曜日に1900ドルを割った際は買いが入り、1940ドル前後を週後半は推移することとなりました。

ちなみに、今週火曜日の金・銀・プラチナ価格の下げからも、弊社における取引量は創立以来最大となり、24時間で53億円相当が取引されています。この詳細については、価格の大きな変動でブリオンボールトにおける取引量が過去最高へをご覧ください。

その他の市場のニュ―ス


  • コメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週4日に金価格がトロイオンスあたり2000ドルを初めて超えた際に、全ての貴金属で減少していたこと。

  • コメックス金の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは前週比0.59%減の539.6トンと2週連続で下げて6週間ぶりの低さとなっていたこと。そして建玉は5週連続で100万枚を超えて4月14日以来の高さとなっていたこと。

  • コメックス銀の先物・オプションのネットロングポジションは、前週比1.9%減の4,905トンと2週連続で下げて5週間ぶりの低さとなっていたこと。

  • コメックスのプラチナ先物・オプションのネットロングポジションは、前週比23.3%減で20.6トンとなっていたこと。

  • コメックスのパラジウム先物・オプションのネットロングポジションは、前週比8.9%減の10.5トンと5週間ぶりに減少していたこと。

  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、今週木曜日までに週間で10トン(2.6%)減で1252トンと20週連続の週間の増加後、週間で減少の傾向であること。

  • 金ETFの第2の規模のiShare Gold Trustの残高は、今週は週間で2.2トン(0.44%)増で500.4トンと過去最大を更新し、21週間連続の週間の増加傾向であること。

  • 銀のETFとして最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週249トン(1.40%)増で18,072トンと史上最大で、15週連続の週間で増加傾向であること。

  • 金銀比価は今週火曜日に70台へ下げたものの、73台へと再び多少銀割高へとなっていること。

  • 今週上海黄金交易所(SGE)のディスカウント(ロコ・ロンドン価格と上海価格の差 - プレミアムは中国での需要の高さ、ディスカウントは需要の低さを示す)は、今週の平均が-71.21と再び過去最大となっていること。

  • コメックスの金取引量は今週金価格が大きく下げる中で週平均量で前週比26%増加し、3月のロックダウンで先物価格と現物価格の差が広がる前の水準へと戻していたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

今週ドル高と長期金利の上昇、そして急上昇した価格の調整で金は10%ほど下げましたが、来週も長期金利とドル、それを動かすイベントや指標に注目することとなります。

そこで、明日行われる予定の米中貿易協議、米経済対策の議会協議関連ニュース、そして重要指標は水曜日のFOMC議事録、木曜日の米国新規失業保険申請件数、金曜日の米国を含む主要国の製造業とサービス部門PMI等となります。詳細は、主要経済指標(2020年8月17日~23日)をご覧ください。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

なお、弊社のYouTubeチャンネルでは、日々の弊社の金価格ディリーレポート(英文)を音声でもお届けしています。

ロンドン便り

今週英国では義務教育後、2年間のカリキュラムを経て、大学入学レベルにあることを示す通称Aレベルの結果が発表され、これについて日々大きく伝えられています。

今年は、本来最終試験を受ける時期に英国はロックダウンが入り、この試験がキャンセルされたことから、希望の大学へ入れるかどうかを決める試験結果が、これまでの模試の結果などで担当教師が予想した結果を、それぞれの学校の過去の実績を鑑み、全国的なバランスを取るための標準化モデルを利用して調整することとなっていました。

先週既にスコットランドではこの結果が発表され、このスコットランドで使われた標準化モデルが、低所得層が住む地域の生徒の試験結果をより低く調整していたことが統計的にでたことから、標準化モデルを利用することを急遽取りやめて、担当教師が出した予想される結果を利用するという方向転換をしていたところでした。

現段階では、イギリス政府はその正当性を主張し、全ての生徒が満足結果を出すことは難しい、しかし満足できない結果である場合は、アピール(試験結果を個別に再検討してもらう)、もしくは秋に行われる試験を受けるという選択肢を与えています。

今回の結果を経て3分の2の生徒は希望の大学に入れ、全体の結果は昨年よりも良い結果ということですが、全体の40%が教師によって予想された結果を少なくとも1段階下げられたとのことです。

そこで、ロックダウン下の制限で高校最後の学期を自宅学習で過ごし、卒業式もできなかった上に、試験を受けることなく希望の大学に入る結果を得られなかった生徒達のことを思い心が痛みます。

そのような中でも、たとえ試験が自分の希望の結果ではなかったとしても、長い人生の一つのステップに過ぎず、どのような場所でも努力を続けていれば、自分の望む道を見つけ歩むことが必ずできると、彼らに言って励ましてくれる、家族や先生方がいることを祈り、信じたいと思います。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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