ニュースレター(2013年11月15日)1287.25ドル イエレン次期FRB議長のハト派的発言が金価格を押し上げる
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1287.25ドルと前週同価格から0.1%上げています。
週明け月曜日は、今週行なわれるイエレン次期FRB議長のスピーチを待つ中、米国及び欧州の国々が、第1次世界大戦が終結した日を記念した祝日でもあり、狭いレンジの取引となりました。この間、先週の米国第3四半期GDPと雇用統計結果を受けて、NYダウ平均株価は過去最高値を記録しました。
火曜日もまた、FRBの量的緩和縮小の観測が広がり金価格は押し下げられることとなりました。また、先週の欧州中央銀行の政策金利引き下げに続き、さらなる緩和が進むことも期待され、ドルが対ユーロ上げる中、金が更に売り込まれたようです。
水曜日は、前日の反発で緩やかに金価格は上昇していましたが、ニューヨーク時間に、翌日行なわれるイエレン時期FRB議長の公聴会証言テキストの内容がハト派的であることが明らかとなり、価格を更に上げることとなりました。この内容とは、「潜在力を大きく下回る状態の米経済が力強さを増すまで、前例のない金融刺激策を維持する」と示唆したことからです。
木曜日は、市場注目のイエレンFRB副議長への上院銀行委員会公聴会が開かれ、質疑応答の内容が、前日明らかとなった証言に沿った、ハト派的内容となったために、金価格は上昇することとなりました。なお、この公聴会では量的緩和縮小時期に関しては示唆されることはありませんでした。
本日金曜日は、昨日の上げの反発、またドル高と株高の影響で価格を下げたものの、米国経済指標の11月ニューヨーク連銀製造業景気指数や10月鉱工業生産などのデータが予想を下回り、量的緩和継続観測が広がり上昇することとなりました。
他の市場ニュース
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世界有数の貴金属保管会社Malca-Amit Global Ltdが、今月上海に2000トンの金地金を貯蔵できる保管場所をオープンしたことが、ブルームバーグでレポートされたこと。これは、中国の今年の金の需要が昨年比29%増の1000トンを超えることが予想されており、今後の金需要が更に西欧からアジアへ移るであろう事に対応するためとのことです。 -
ワールド・ゴールド・カウンシルの最新レポートが発表され、第3四半期の金需要は減少したことが明らかとなったこと。この詳細は、「ワールド・ゴールド・カウンシル:最新金の需給レポート(第3四半期)」をご覧ください。
ブリオンボールトニュース
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュと米国市場開発責任者ミゲル・ペレス-サンタイアの「なぜ金投資をするのか」 -
ブリオンボールトのリサーチ部門の「ワールド・ゴールド・カウンシル:最新金の需給レポート(第3四半期)」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週英国では、フィリピンの台風の被害状況がトップニュースとして日々伝えられています。今回の被害は、記録的な強風が高潮を引き起こし、津波のように海岸沿岸からかなりの内陸まで建物が破壊されるなどし、被災者の数が1千万人を超える模様とのこと。インフラが破壊され、生活必需品が不足し、避難場所の衛生状態も悪いことなど、心が痛むニュースが画像と共に届けられています。
そこで、英国政府は2千万ポンド(約31.6億円)をその援助に拠出することを表明しましたが、この台風の被災者支援をしている12のチャリティー団体に英国の人々から48時間で総計2千300ポンド(約36.3億円)の寄付金が集まったとのことです。
子供の頃から、恵まれない人々へ手を差し伸べること、そのためにチャリティー活動に参加することが当然であると教えられている英国の人々は、自国や他国を問わずに、このような大災害の際には被災者への援助に力を尽くします。
2011年の東日本大地震の際には、私の英国の友人や家族が日本の被災者の方々へと2000ポンド(約32万円)以上の寄付をしてくれました。今回は、私もフィリピン人の友人が望んだチャリティー団体に寄付を行なっています。
今週に入り、日本を含む世界各国からの支援物資が続々と入っているようですが、被災者の方々へ生活必需品が一日も早く行き渡り、被災生活が少しでも改善されることを祈るばかりです。
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