ワールド・ゴールド・カウンシル:最新金の需給レポート(第3四半期)
2013年夏の金需要は、春に急増した後に減少していた。しかし、アジアへの金の流れは継続している。
金需要は、過去6年間で初めて今年第2・第3四半期に減少したことが、金市場開発団体であるワールド・ゴールド・カウンシルがまとめる最新金の需給レポート(Gold Demand Trends)で明らかとなった。
7月から9月の需要は、前四半期期(4月から6月)の需要から6トン下げて868.5トン、また前年度同四半期からも約33%以上評価額で下げている。これは、平均価格が昨年から20%下げていることにも起因している。
「(これは、)2007年以来の第2四半期と第3四半期の下げだ。」と、貴金属市場コンサルタントのトムソン・ロイターGFMS提供のデータをまとめたワールド・ゴールド・カウンシルは述べている。
金の需要の減少に関して、「二つの要因によるものだ。」とこのレポートは説明している。まず第一に、30年来の価格急落が起きた第2四半期の需要急増が、第3四半期の需要を吸収するといった、「Cannibalization(共食い)」が起きたためだ。次ぎに、通常は最大金消費国のインドの需要が第3四半期に増加するが、インド当局の経常収支改善を目的とした,金貨輸入禁止などといった金輸入規制の政策によって、この需要が大きく抑えられたためだ。
今年は世界1の消費国となった中国の需要は、第3四半期は18%増の210トンと、前年比増加している。
これに対し、インドの第3四半期の需要は148トンとなっている。
「第2四半期の例外的に高い需要のために、(アジア)市場の勢いは鈍ったものの、前年比の増加率は著しいものがある」とレポートは述べている。
世界的には、2013年の大規模な西欧の投資家による金売却分は、アジアの需要によって吸収されていると、ワールド・ゴールド・カウンシルは、公式に発表された取引データが、金が、ロンドン保管場所から、スイスの精錬所で小売に適する1キロバーに製造され直し、香港や他のアジアの国々へと流れていることを示していることを指摘している。
卸売り金価格は、その需要が減少した第3四半期に、6月末の過去3年間の最低水準から11%上昇している。