金価格ディリーレポート(2026年8月17日)債務懸念が強まる中、米イールドカーブのスティープ化とともに金価格が上昇
金・銀価格は月曜日、ドルが下落する中で小幅に上昇しました。債券市場では政府の借入コストが引き続き上昇し、欧米諸国の長期的な債務の持続可能性に対する懸念が強まる中、米国債のイールドカーブは一段とスティープ化しています。
金は先週金曜日、5月以来となる高い週末終値を記録しました。これに先立ち、米財務省が実施した国債入札では、10年債420億ドルの発行に2007年以来の高い利回りを支払う必要があり、続く30年債250億ドルの入札でも2001年以来の高い利回りとなりました。
運用資産15兆ドルを抱えるETF・資産運用大手ブラックロックは、「長期金利にはさらに上昇余地があると考えています」と述べています。
「投資家は長期国債を保有することに対して、より高い対価を求めています。政府借入の増加、インフレを巡る不確実性の高まり、債券市場のボラティリティ上昇が、この傾向をさらに強めています。」
米2年国債の利回りが本日、年率4.18%となる一方、20年国債の利回りは5.28%となり、米国のサブプライム住宅ローン危機が世界的な信用収縮へと発展し、その後2007年夏の金融危機へとつながった時期以来となる水準に迫っています。
この利回り格差の拡大により、米国債のイールドカーブはFRB(米連邦準備制度理事会)の6月の政策会合以降、スティープ化しています。市場が短期債と比べ、長期債に対してより高い利回りを要求しているためです。
ゴールドマン・サックスの元チーフ為替ストラテジストで、現在はブルッキングス研究所の経済研究部門シニアフェローを務めるロビン・ブルックス氏は、「イールドカーブの形状は、財政面でのストレスがどこで最も大きいかを示す一つの指標です」と述べ、日本や西欧諸国の多くと比較すれば、米国は単に「洗濯かごの中で最もきれいなシャツ」にすぎないと警告しています。
ロンドン現物市場の金価格は月曜日、アジア時間の取引で一時0.9%上昇してトロイオンスあたり4,416ドルを付けましたが、その後は上げ幅の大半を失い、4,385ドルまで下落しました。
米ドルは貿易加重ベースのDXY指数で0.3%下落し、6月上旬以来の安値を付けました。FRBが9月に利上げする確率は、1カ月前には約60%と織り込まれていましたが、予想を下回る雇用、インフレ、小売売上高のデータを受け、現在では30%程へ下げています。
ロイターは先週、複数のストラテジストが、今後予定される大規模な米国債発行、すでに40兆ドルに達している米政府債務、さらに明確な財政赤字削減策がないことを背景に、長期金利は高止まりするとみていると報じました。
米財務省が今週水曜日に160億ドルの20年債入札を予定する中、ロンドンの経済紙『City AM』は、先週の米国債入札によって、拡張色を強める米財政政策が最終的に投資家を国債から金など他の「安全資産」へと向かわせる可能性への懸念が「再燃した」と報じています。
金価格に連動する形で、年間需要の約60%を工業用途が占める銀価格も上昇し、ロンドン時間の昼までに1.1%高のトロイオンスあたり65.66ドルを付けましたが、その後は上げ幅を縮小し、前日比ほぼ横ばいの水準へと戻りました。
銅価格も月曜日に上昇し、史上最高値に迫りました。トレーダーやアナリストは、電気・電子分野で重要な金属である銅について、現物供給の逼迫と在庫減少を指摘しています。ロンドン金属取引所(LME)では、現物銅の3カ月先物に対するプレミアムが大幅に拡大しており、目先の供給が逼迫していることを示しています。
原油価格も上昇し、ブレント原油は再び1バレルあたり90ドルに接近しました。米国とイランがより広範な和平合意を目指して設定していた60日間の期間が終了する中、ホルムズ海峡を巡って双方が新たな威嚇や要求を突き付けています。
また、最近相次いだタンカーへの攻撃を受け、重要な海上輸送路であるホルムズ海峡を通過する船舶は週末にかけて大幅に減少しました。
20年債と2年債の利回り格差が過去2カ月間で5分の1パーセントポイント(20ベーシスポイント)拡大する中、現在の米国債イールドカーブのスティープ化は、2025年4月のトランプ大統領による「解放の日(Liberation Day)」関税発表後に見られた動きほど急激ではありません。当時は20年債と2年債の利回り格差が、わずか1週間余りで最大39ベーシスポイント拡大しました。
金価格はこの局面で当初下落しましたが、その後反発し、わずか10日後には4月2日の水準を約4%上回る水準まで上昇しました。




