金価格ディリーレポート(2026年9月14日)金価格4300ドル割れ、原油高でFRB利上げ確率9割へ
金価格は月曜日、原油価格が年初来高値に迫り、インフレ懸念が高まる中、今週の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策会合を前に年末の米政策金利見通しが新たな高水準へ上昇したことから、重要な節目となる4300ドルを割り込みました。
金スポット価格は5週間超ぶりの安値を付け、金曜日のロンドン終値から一時2.4%安のトロイオンスあたり4279ドルまで下落した後、4290ドルを上回る水準へロンドン昼過ぎに戻していました。
前週金相場は3週連続で下落していました。金曜日には、米インフレ指標がアナリスト予想と一致したことを受けて反発していたものの、週明けには再び売りが優勢となりました。
デリバティブ取引所CMEのFedWatchツールによると、今週水曜日のFRBの政策決定について、市場が織り込む利上げ確率は、1カ月前のわずか3割強程度から約9割へ急上昇しています。
さらに、2026年末の米政策金利は4.12%まで上昇すると見込まれています。これは9月以降にさらに1回の利上げが行われることを示唆しており、2月末に米国とイスラエルによるイランとの紛争が始まる前の予想を1ポイント以上上回る水準です。

「市場は10月と12月に合計50ベーシスポイント(bp)、今後1年間では100bp近い利上げを織り込んでいますが、これは行き過ぎのように見えます」と、スイスの貴金属精錬・金融グループMKS PAMPの貴金属戦略責任者ニッキー・シールズ氏は述べています。
市場が織り込む2026年末の米政策金利見通しは、過去3営業日で15bp上昇しました。これは、タカ派的な内容となった6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前後に約22bp上昇して以来、最も急速な上昇です。
「今週のFRB会合は、ここ数年で最も難しいものになる可能性があります」と、エコノミストのモハメド・エラリアン氏は述べています。米金融当局にとっての課題は、経済そのものよりも、債券利回りが急上昇する中で利上げ観測が突然大きく変化したことにあると指摘しています。
エラリアン氏は、この利回りの急上昇は「FRBとの関係は比較的小さく」、むしろ債券による資金調達需要と、それを吸収するために利用可能な資金供給との間で拡大する不均衡が背景にあるとみています。
水曜日の政策決定では、今後のGDP、インフレ率、政策金利に関する新たな「ドット・プロット」も公表されます。こうした中、新FRB議長のケビン・ウォーシュ氏への圧力をさらに強める形で、ドナルド・トランプ米大統領は日曜日、経済指標が何を示しているかにかかわらず、米国は「世界で最も低い金利を支払うべきだ」と述べ、改めて利下げを求めました。
政府の資金調達コストだけでなく、幅広い金融・企業の借入コストの指標となる米10年国債利回りは、この日4.97%と2007年以来の高水準で推移しました。これは、スコット・ベッセント米財務長官が先週、国債価格の押し上げと利回りの低下を目的に実施した大規模な国債買い戻しオペ(バイバック)の前に、債券投資家が求めていた4.83%を大幅に上回る水準です。
主要通貨に対する米ドルの価値を示すドルインデックスは月曜日、約2週間ぶりの高水準へ上昇しました。このため、ユーロ建てと英ポンド建ての金価格の下落はそれぞれトロイオンスあたり3707ユーロ、3173ポンドに抑えられました。
原油価格も月曜日に再び上昇し、北海ブレント原油は一時2.5%高となり、1バレルあたり108ドルに迫りました。ドローン攻撃を受けてサウジアラビアが主要な東西パイプラインを閉鎖したほか、イランと連携するフーシ派が紅海周辺の海上輸送ルートへの圧力を強めたことで、中東からの原油供給を巡る懸念が一段と高まりました。
また、ホルムズ海峡の海上輸送について協議するため月曜日に予定されていたイランと湾岸諸国の会合も延期されました。
一方、世界の株式市場はこの日下落しました。韓国のハイテク株比率の高いKOSPI指数は3.3%下落し、ナスダック100先物も1.8%下落しました。週末に世界の主要AI企業の経営幹部の一部が、安全性への懸念が高まる中、最先端AIモデルの開発ペースを落とすよう呼びかけたことが背景となりました。
主に産業用として利用される銀価格も月曜日に下落し、トロイオンスあたり63ドルを割り込んだ後、ロンドン時間の昼頃までに再び63ドル台を回復していました。




