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【金投資家インデックス】金投資、価格の大幅上昇にもかかわらず急増

 

金への投資需要は8月に急増し、金価格が2000年以降で3番目に大きな月間上昇率を記録したにもかかわらず、投資家の買い越し幅は2025年6月以来の大きさとなりました。

ドル建て金価格は先月13.3%(ポンド建て12.2%、ユーロ建て11.9%、日本円建て13.9%)上昇し、2026年夏のそれまでの下落分を大きく取り戻して、月末にはトロイオンスあたり4,562ドルとなりました。それでも、1月下旬につけた史上最高値を1,000ドル下回る水準です。

これを受け、ブリオンボールトの顧客は全体で、売却量を128キログラム上回る金を購入しました。純購入額は1,800万ドル(1,300万ポンド、1,500万ユーロ、約27.7億円)を超え、顧客の金保有量は重量ベースで0.3%増加し、9カ月ぶりの高水準となる43.6トン超、評価額で64億ドル(47億ポンド、55億ユーロ、約9,850億円)に達しました。

つまり、金価格が急反発する中でも、個人投資家は利益確定に動くのではなく、夏の終わりの上昇局面で金を買い増したのです。また、長期国債利回りが数十年ぶりの高水準に達する中、この旺盛な金需要は、政府債務の規模や通貨価値の希薄化への強い懸念を示しています。

金投資家インデックスとドル建て金価格チャート 出典元 ブリオンボールト

ブリオンボールトを利用して、保管されている金を新たに購入、または買い増した個人投資家の数は、7月の11カ月ぶりの低水準から1.7%増加しました。一方、売却した投資家の数は、前年8月以来の低水準だった7月から31.7%増加しました。

この結果、金投資家インデックスは前月から0.8ポイント低下し、54.1となりました。この独自の投資家センチメント指標は、買い越した投資家と売り越した投資家の数が同数の場合に50.0となります。

金投資家インデックスは2024年3月に過去最低の47.5を記録し、今年3月にはコロナ禍後の最高値となる60.7をつけました。8月の54.1は前年同月を0.2ポイント上回り、2023年(54.2)以来、8月として最も高い水準となりました。

つまり、世界の金投資家のセンチメントは引き続き明確に強気です。この夏に金を購入した投資家は、金価格が年初につけた史上最高値を依然として下回る中、金への資産配分をさらに増やしています。

銀投資家インデックスも8月に低下し、前月から2.5ポイント下落して14カ月ぶりの低水準となる51.2となりました。その一方で、工業用途の比重がより高い銀の価格は、ドル建てで21.7%(ポンド建て20.3%、ユーロ建て20.2%、日本円建て22.3%)上昇し、月末にはトロイオンスあたり70.26ドルとなりました。

これは2000年以降、ドル建て銀価格として6番目(ポンド建てで7番目、ユーロ建てで8番目、日本円建てで6番目)に大きな月間上昇率となりました。その中で、ブリオンボールトの顧客は全体で銀を1.8トン買い越し、顧客の銀保有量は重量ベースで0.2%増加しました。その結果、2026年に入ってからの最高水準となる1,135トン、評価額で25億ドル(18億ポンド、22億ユーロ、3,850億円)に達しました。

一方、新規口座開設数は7月の18カ月ぶりの低水準から22.8%増加し、特にユーロ圏主要国での回復が増加をけん引しました。前年同月比では4.8%減にとどまり、ブリオンボールトがサービスを開始してから21年間で、新たに貴金属投資を始めた投資家数として5番目に多い8月となりました。

金の純需要の急増と同様に、この動きは、イラン戦争が始まって以降の価格変動や下落にもかかわらず、投資家の貴金属への投資意欲が衰えていないことを示しています。

金と銀価格の底値を探していた投資家は、この夏につけたそれぞれ4,000ドルと55ドルの水準で、すでにその機会を逃してしまったのかもしれません。

 

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。



弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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