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金価格ディリーレポート(2026年9月21日)金は下落も、膨張する政府債務が「価格を支える」― 原油安、長期金利は低下

 

金価格は月曜日に下落する一方、銀価格は上昇しました。先週の米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げを受けて米ドルが約2カ月ぶりの高値に迫る一方、長期国債利回りは小幅に低下し、数十年ぶりの高水準に達していた欧米諸国の政府債務の利払い負担を若干和らげています。

原油価格は4営業日続落しました。トランプ米大統領が今週ニューヨークでイランのマスード・ペゼシュキアン大統領と会談する用意があると述べ、中東での戦争を巡る外交的進展への期待が高まったことから、北海ブレント原油先物は1.9%下落しました。

金スポット価格は一時トロイオンスあたり4,340ドルまで下落した後、金曜日のロンドン金値決め価格である4,349ドルまで反発しました。金価格は、先週の「タカ派的」な米連邦公開市場委員会(FOMC)後に付けた6週間ぶりの安値から回復しています。

主要通貨に対する米ドルの価値を示すドル指数は、先週のFRBによる利上げと「タカ派的」な発言を受け、7月末以来の高水準へ小幅に上昇しました。

一方、米国債は年限を問わず買われ、政府の借入コストだけでなく、多くの金融・商業融資の基準ともなる米10年国債利回りは、2007年夏以来の高水準である年率5.00%を再び下回りました。

通常、国債利回りの上昇は金価格にとってマイナス要因となります。しかし、ANZのコモディティ・ストラテジスト、ダニエル・ハインズ氏によると、今月の利回り上昇は、従来のようなFRBの金融政策を背景とする金利上昇というよりも、「財政赤字、国債発行の増加、そしてタームプレミアムの上昇をより強く反映したもの」とのことです。

ハインズ氏は、「これは、2022年以降、金と米国債利回りの逆相関関係が弱まっている理由を説明する一助となります」と述べています。

政府利払い費(GDP比) 出典元 OECDデータを元にブリオンボールトが作成

OECD(経済協力開発機構)のデータによると、2025年の政府債務に対する利払い総額は、米国ではGDP比4.0%、英国では3.3%に相当しました。満期を迎える債務がより高い金利で借り換えられることから、2027年までにそれぞれ約4.3%、3.4%へ上昇すると見込まれています。

これに対し、西側諸国の軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)によると、国防費は米国がGDP比3.2%、英国が2.4%となっています。

ドイツの利払い負担は、世界の主要先進4カ国の中では依然として最も低いものの、2025年のGDP比1.1%から2027年には1.3%へ上昇すると予測されています。

日本はより大幅な上昇が見込まれており、日本銀行が異例の金融緩和政策を終了する中、2024年のGDP比1.2%から2027年には2.2%へ上昇すると予測されています。

米国の物価連動国債(TIPS)の10年物利回りも月曜日には低下しましたが、サクソバンクのコモディティ戦略責任者オーレ・ハンセン氏によると、今月は「20年以上ぶりの高水準」に達しています。

同氏は、「それにもかかわらず、金ETFの保有量は増え続けています。これは、金と実質金利の伝統的な逆相関関係からの顕著な乖離です」と指摘しています。

さらに、「これは、投資家が利回り上昇を、単に金に代わる魅力的な投資対象としてではなく、財政・債務リスクのシグナルとして捉える傾向を強めていることを示唆しています」と述べています。

世界最大の金ETFであるSPDRゴールド・トラスト(NYSE Arca:GLD)の金保有量は先週0.9%増加し、1,057トンと5カ月ぶりの高水準となりました。

世界第2位の金ETFであるiシェアーズ・ゴールド・トラスト(NYSE Arca:IAU)の保有量も0.6%増加し、2週連続の週間増加となりました。

世界最大の金消費国、生産国、輸入国である中国でも、先週は金需要の強さが見られました。上海黄金交易所(SGE)の金価格は、ロンドン価格に対してトロイオンスあたり平均約16ドルのプレミアムとなり、新たな金地金輸入を促すこの価格差は前週から約4倍に拡大しました。

しかし、SGEのプレミアムは月曜日には6ドルまで縮小し、過去平均を約1.50ドル下回りました。今週予定されているトランプ米大統領と習近平中国国家主席による米中首脳会談を前に、貿易、イラン、その他の地政学的問題が議題となる見通しです。

一方、金とは対照的に、年間需要の約60%を産業用途が占める銀価格は、この日一時1.2%上昇してトロイオンスあたり67.05ドルを付けた後、金曜日の終値近辺まで上げ幅を縮小しました。

同じく産業用途の需要が大きい貴金属であるプラチナとパラジウムも、原油価格と長期借入コストが低下する中で上昇しました。水曜日の米FRBによる利上げ時にそれぞれ2週間ぶり、6週間ぶりの安値を付けて以降、プラチナは4.4%、パラジウムは3.6%上昇し、月曜日のロンドン昼時点でそれぞれトロイオンスあたり1,812ドル、1,309ドル前後で取引されています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者であると共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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