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金価格ディリーレポート(2024年7月8日)中国中銀が6月も金購入を行わずフランス総選挙で極右が3位に落ちる中で金価格は下げる

中国の中央銀行が6月に2ヶ月連続で金の購入を見送ったことを受け、貴金属の世界最大の消費国である中国の価格と世界指標の差が年初以来最も小さくなっている中、金地金は月曜日にロンドンの地金市場で前週の7週間ぶりの高値から下落していました。
 
この間、週末のフランスの国民議会選書極右党の「国民連合」が予想に反して第一党とならなかったことで、欧米の株式・債券市場は小幅上昇し、パリの主要株価指数CAC40指数は0.2%上昇していました。
 
鉱業業界のマーケティング団体のワールド・ゴールド・カウンシルが分析したデータによると、インドとポーランドは先月、金準備を増やし続けていました。
 
しかし、中国人民銀行(PBOC)は、 国家外為管理局によると、 5月に18ヶ月続いた金買い越しに終止符を打った後、6月も金地金保有量を4月と同じ2264トンとしていました。
 
貴金属の取引と保管の中心地であるロンドンの金地金のスポット市場の相場は、本日0.8%安のトロイオンスあたり2372ドルとなり、先週発表された 米雇用統計が弱いものであったことからもFRBによる今年2回の利下げ観測が広がり、先週2%という5週ぶりの大幅な上げ幅を記録後にその3分の1を削っていました。
 
この間中国の金地金は、上海金取引所(SGE)で0.3%上昇し、gあたり559円と1ヶ月ぶりの高値をつけていました。しかし、その市場はロンドン価格に対してプレミアムを示し続けた一方で、新規の金地金輸入に対するインセンティブであるプレミアムはトロイオンスあたりわずか10ドルと、ここ7ヶ月で最低となり、先週の月曜日から金曜日までの平均ですでに10週間ぶりの安値となったトロイオンスあたり26ドルをも大きく下回っていました。
 
上海黄金交易所の人民元建て金価格とそのロンドン価格との差 出典元 ブリオンボールト
 
中央銀行による金購入と保有量の増加が、多くのアナリストの強気な見通しの重要な部分であることから、「PBOCのデータを受けて、 金価格がいくらか引き戻されることは否定されるべきではない」とシンガポールのOversea-Chinese Banking Corpの外国為替ストラテジストであるクリストファー・ウォン氏は述べていました。
 
そして、「中国が一時的に購入を停止することは、金価格が今春の史上最高値までかなり急騰したことを考えれば、珍しいことではない。」と続けていました。
 
インドの中央銀行は、 6月のデータで2年間で最も多くの金である9トンを購入ていたことが明らかとなっていましたが、世界的な価格の上昇に伴い、インドの消費者の需要は大きく減速しており、ディーラーはロンドン価格に対して大幅なディスカウントを余儀なくされています。
 
ワールド・ゴールド・カウンシルのデータによると、15%の輸入税と3%の販売税を含む、先週のイ ンドの金のディスカウントはトロイオンスあたり19ドル以上に達し、前週の15ドルから上昇していました。
 
人々は買わなくなった」と、ベンガルールの下町の宝石商はフィナンシャル・タイムズ紙に語っていました。
 
「100グラムや200グラムの金地金を買う余裕があった人が、50グラムから60グラムの金地金にシフトしたのです。」と続けていました。
 
コルカタのあるディーラーは、ナレンドラ・モディ首相が議会で過半数を失ったことを受け、インドの宝飾業界は、 今月末に予定されている新連立政権の選挙後の予算を前に、輸入関税の引き下げを求める嘆願を毎年繰り返し、何度も無視されることになるだろうと述べていました。
 
ユーロ圏第2位の経済大国であるフランスは、日曜日の第2回目の国民議会の投票で左派連合「新人民戦線(NFP)」が予想外の最多議席を獲得し、マリーヌ・ルペン率いる「国民集会」をエマニュエル・マクロン大統領の中道連合に次ぐ3位に押し下げたため、議会は空転することになったにもかかわらず、欧州の株式市場と同様に、欧米の国債価格も月曜日には上昇し、パリの借入コストは低下し、フランスとドイツの国債利回り間のOATS-Bundsスプレッドが示唆する「リスクプレミアム」は縮小していました。
 
欧州の投資家向けの金価格は、単一通貨が月曜日早朝の下げ幅を削って上昇する中で、トロイオンスあたり2191ユーロまで下落していました。
 
また、 英国のポンド建て金価格は、先週14年間の保守党支配を経て地滑り的な勝利を収めたキーア・スターマー労働党新政権が経済成長を「国家的使命」とすることを宣言する中、為替市場でポンド高が進んだことから、0.8%下落し、トロイオンスあたり1852ポンドとなった。
 
銀相場は、先週の金曜日にトロイオンスあたり31.50ドル前後と4週ぶりの高値を記録した後、0.8%下落の30.99ドルとなった。
 
今週はパウエルFRB議長の議会証言が火曜と水曜日に予定され、米消費者物価指数が木曜日に控える中で、本日債券市場では米長期金利が上昇し、ドル相場も前週の7週ぶりの低値から小幅に上昇していました。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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