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金価格ディリーレポート(2024年1月8日)金価格はFRBによる利下げ観測が急激に後退する中で3週間ぶりの低さへ

金価格は月曜日に、市場がFRBの利下げ観測の行き過ぎを調整する中で、米ドルと長期金利が1月ぶりの高さを維持し、株価が下げると共に、3週間ぶりの安値に下落していました。
 
これは、12月18日以来の安値であり、トレーダーが米連邦準備制度理事会(FRB)による2024年の利下げが早ければ3月との観測を広げた昨年12月初めにつけた 金の史上最高値トロイオンスあたり2143ドルを5.6%下回っていました。
 
CMEデリバティブ取引所の FedWatchツールによると、金利トレーダーは現在、同月に最初の利下げが行われる可能性を65%としており、昨年末の90%近くから下げていました。
 
スイスの精錬・金融グループMKSパンプの金属戦略責任者であるニッキー・シールズ氏は、「2024年は、市場が利下げ観測を後退させる中で幕を開けた。」と述べ、「金利に敏感な金や米国株等の資産が下げた。」と続けていました。
 
 
中国株式市場は本日、影の銀行である中資(Zhongzhi)が破産を申請したことで5年ぶりの安値付近まで下落していました。米国株式先物は、議会の指導者たちが今年度の 政府支出レベルで合意に達して、今月末の政府機関のシャットダウンを避けるための大きなステップを踏み出したにもかかわらず下落していました。
 
ロイター通信によると、S&P500種株価指数は先週1.5%下落し、1989年以来最長となる9週続伸を終えていました。ドル建ての金価格は、週の終値価格として過去最高値となった2023年末価格から1.6%下落していました。
 
S&P 500種とドル建て金価格 出典元 ブリオンボールト
 
2,250億ドル規模の資産運用会社ロンバード・オディエのマクロ部門責任者であるフロリアン・イエルポ氏は、先週金曜日に発表された 米国の非農業部門雇用者数が予想を上回ったことを指摘し、「最新の雇用統計は、 市場が金利予想を改めるために欠けていたデータの一つです。」と述べていました。
 
「市場の利下げ観測は、FRBが伝えていたことをはるかに超えていました。」
 
米国の政策担当者は先月、FRBの「ドット・プロット」で、借入コストを3回引き下げ、2024年には4.6%になると予想していましたが、先週のFed Funds先物市場のトレーダーは、FRBが今年6回以上利下げを行い、来年のクリスマスまでに3.75%まで下げると平均的に予想していましたた。
 
木曜日に発表される米国の消費者物価上昇率を市場が見据えているため、ここでの予想は本日4.00%に上昇していました。
 
一方、投資家グループは先週、巨大な 金ETFであるSPDRゴールド・トラスト(NYSEA:GLD)の保有量を大幅に減らし、同ファンドは8月中旬以来、週間として最大の減少量のほぼ10トンの地金を減らし、11月初旬以来の最小規模に達していました。
 
より小型のiShareゴールド(NYSEArca: IAU)も先週縮小し、約4トン減少し、9月末以来の週間の減少量となり、2020年4月以来の最小規模としていました。
 
先週の減少は、GLDとIAUの金ETFが12月に月間で4ヶ月ぶりに共に残高を増加させた後のことでした。
 
米国ドルの主要通貨に対する為替価値を示す指標であるドルインデックスは、先週7月以来の週間最大の上昇を記録した後、本日若干の上昇に転じ、米国債10年物利回り(政府機関や多くの金融機関、商業機関の借入コストの基準金利)も、債券価格が下落する中、年率4%を超える水準で取引され、1ヶ月ぶりの高値付近を維持していました。
 
英国ポンドとユーロ建てで取引される金は、月曜日に1591ポンドと1847ユーロと3週間ぶりの安値に向かって下落していましたが、上海金取引所の地金価格は、史上最高値からわずか0.1%低い1gあたり482円で取引されていました。
 
そのような中で、世界最大の金の消費国である中国の上海黄金交易所で取引される金価格のロンドンの世界指標との差は、トロイオンスあたり29ドルとひと月ぶりの低さとなっていたものの、過去5年間の平均である5.6ドルを大きく上回っていました。これは、中央銀行である中国人民銀行が、旺盛な家庭用宝飾品と投資需要を前に、 新たな金輸入枠の許可を制限したためでもあります。
 
主に工業用金属である銀価格は、月曜日に1.3%下落し、トロイオンスあたり22.89ドルとなり、プラチナ価格は、自動車触媒に代表される工業用途が需要の3分の2を占め、0.9%下落し、トロイオンスあたり954ドルとなっていました。
 
ロシアが第1位の採掘量を誇るパラジウムは1.5%安のトロイオンスあたりオンス1014ドルと、12月中旬以来5年ぶりの安値を付けていました。
 
原油価格は、中東における地政学的緊張の高まりによる供給懸念があるにもかかわらず、サウジアラビアが供給量の増加と競争激化を理由に、1年を通じて最大の値下げを行ったため、月曜日に2%以上下落していました。
 
アントニー・ブリンケン米国務長官は月曜日、ガザでの戦争(イスラエルは現在、少なくとも北部ではハマスのテロリストの脅威を無力化したと発表している)をこれ以上拡大させないための外交的働きかけの一環として、アラブの指導者たちとさらに会談を行っていました。
 
ロイター通信によると、イスラエルはシリアで空前の空爆を行い、イランが支援するヒズボラの幹部がレバノンで殺害されたと伝えられていました。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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