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金価格ディリーレポート(2023年10月16日)トレーダーは中東紛争に注目する中、金価格は3週間ぶりの高値を維持

米国とその同盟国がイスラエルとハマスの紛争の更なる激化を防ぐことができるかどうかをトレーダーが注目する中で、投機筋が「より高く、より長く」という米連邦準備制度理事会のタカ派的コメントを信じ、弱気ポジションの積み増しをしすぎることは賢明でないことを学んだ後に、金価格は月曜日に先週につけた3週間ぶりの高値を維持していました。
 
月曜の朝イスラエルの首相は、人道支援を受け入れて一部の人々がこの地域から立ち退くことができるためのガザ南部での停戦に同意することが同意されたとみられてたものの、 否定しました
 
イスラエルは土曜日、ハマスの武装集団が壊滅的な攻撃を行った1週間を経て、軍がガザへの大規模な地上作戦に重点を置いた「広範な作戦攻撃計画」を実施する準備をしていると発表していました。
 
この戦争は、10月7日以来、少なくとも2,450人のパレスチナ人と1,400人のイスラエル人の命を奪ったと伝えらえれています。
 
ジョー・バイデン米大統領は、日曜日の CBSのインタビューで、イスラエルによるガザ再占領は「大きな間違い」だと警告し、また、パレスチナの過激派組織ハマスが完全に排除されるべきだが、「パレスチナ国家への道がなければならない 」と述べていました。
 
同日曜日に「もしシオニストの侵略が止まらなければ、この地域のすべての当事者の手が引き金になる」と、イランの外務大臣のホセイン・アミラブドラヒアン氏は、準公営放送であるファルス通信で引用されたように、イスラエルに警告していました。
 
「この紛争がエスカレートし、北部で第二戦線が開かれる危険性があり、もちろんイランが関与する危険性もある」とジェイク・サリバン米国家安全保障顧問は 語っていました
 
イスラエルは先週、レバノンの過激派組織ヒズボラと 複数回にわたり銃撃戦を行っていました。ヒズボラはイスラエルとハマスの紛争に介入する用意があると表明している。
 
米ドル建ての金価格は、月曜日の朝にはトロイオンスあたり1908ドルと1.3%下落しましたが、その後下落幅の約半分を戻していました。金相場は、先週5.5%の急騰を記録し、そのうちの3%は金曜日の上昇分で1933ドルと3週間ぶりの高値をつけていました。
 
スイスの精錬・金融グループMKSパンプの金属戦略責任者ニッキー・シールズ氏は、最新のメモの中で「金曜日の値動きは、(ファンダメンタルズ的に)米連邦準備理事会による政策金利を「より高くより長く」金利観測を基にショートしすぎないようにという注意を喚起するものだった」と述べていました。
 
コメックスの資金運用業者の金先物・オプションのポジション
 
最新のデータによると、イスラエルがハマスの奇襲攻撃に対して「戦争状態」を宣言した後の10月10日までの一週間に、ヘッジファンドやその他のレバレッジを効かせた投機家は、グループとして金に対してショートポジションをさらに10%増やし、ロングポジションを0.8%減らしていました。
 
ショートポジションは、9月の2023年米連邦準備制度理事会による政策決定会合で 「 より高くより長く」政策金利を維持することが確認されて以来、68%増加していました。
 
この結果、資金運用業者のネット・ショート・ポジションは、米連邦準備制度理事会(FRB)が過去数十年で最も積極的な引き締めサイクルとなる75ベーシスポイントの4回連続利上げに踏み切ると市場が予想した 2022年11月1日以降で最大となっていました。
 
派生商品プラットフォームを提供するサクソバンクの商品ストラテジストであるオーレ・ハンセン氏は、「中東情勢の緊迫化により、多額のショートカバーが余儀なくされたため、新たなショートポジションが価格の急騰を加速させた」と述べていました。
 
ポンド建てとユーロ建ての金相場も、先週4ヶ月ぶりの高値まで6%以上上昇した後、月曜日にはそれぞれ0.8%下落し、ロンドン昼過ぎにトロイオンスあたり1579ポンドと1826ユーロとなっていました。
 
日本円での金相場も先週の5.7%の上昇幅を0.7%縮小させて、gあたり9297円の史上最高値から若干下げていました。
 
これとは対照的に、上海黄金交易所の金価格は1.4%上昇し、1グラムあたり462円となり、ロンドンに対する歴史的なプレミアムを53ドルに縮小していました。これは、金の世界最大の消費国である中国の輸入の動機となるプレミアムが、前週に57ドルとゴールデンウィーク前の83ドルから下げた後のことでした。
 
ドルインデックス(米国通貨の主要通貨に対する価値を示す指標)は小幅に下落したものの、安全資産としての通貨への需要を背景に前週の1週間ぶりの高値付近を維持していました。世界指標である米国10年債利回りは、安全な債券への需要を背景に金曜日に8ベーシスポイント以上低下した後に、月曜日にその下げ幅をほぼ取り戻して4.7%まで上昇していました。
 
原油価格は、中東紛争が拡大する可能性を投資家が織り込み、金曜日に6%近く上昇した後、1バレル90ドルを超える水準で推移していました。
 
6割が工業用途である 銀相場は、先週3.9%上昇した後、月曜日昼過ぎに0.2%下げて22.70ドルとなっていました。
 
欧州株価は、ストックす欧州600種株価指数は0.2%上昇して、前営業日の1%下落を縮小し、米株価指数先物も若干の上昇を見せていました。
 
「中東の地政学的緊張は、 依然として市場の重要な焦点だ。」と一人のアナリストは述べていました。
 
「今は落ち着いているように見えるかもしれないが、戦争が他の地域にまで拡大すれば、原油への圧力が高まり、市場が対処すべき不確実性が増すことを意味する。」と続けていました。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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