ニュースレター(2018年3月9日)1320.60ドル:コーン米NEC委員長辞任で上昇したものの、保護主義的米政策と北朝鮮情勢の懸念が後退し下落
週間市場ウォッチ
今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1320.60ドルと前週同価格とほぼ同レベルですが0.1%と若干下げています。
その他の市場のニュ―ス
- 金のETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高が今週木曜日まででほぼ変化がなく水曜日に0.3トンのみ減少していたこと。
- 先週末に発表されたコメックスの金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週火曜日に15.85%減少し490トンとなっていたこと。これにより、ネットポジションは年初1月2日以来の低い水準。
- コメックスの銀先物・オプションの資金運用業者のネットポジションは、3週間連続でネットショートで、前週火曜日から更に59.1%減と-2,580トンとなっていたこと。このネットショートポジションは、2006年6月にこの形式で記録が始まって以来の最大の規模。
- コメックスのプラチナ先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションも、先週火曜日に4.25%減少し42トンとなっていたこと。
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パラジウム先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、貴金属の中では唯一2週連続で増加し、前週比5.19%増の51トンとなっていたこと。
ブリオンボールトニュース
今週発表されたブリオンボールトの金投資家インデックスのプレスリリースが日本語で金の情報を網羅するゴールドニュースサイトで「[金投資家インデックス] 購入機会と見た米国とドイツの新規投資家数が急増」と取り上げられました。
主要経済サイトのMarketWatch「今年は銀が金を超えて収益率を上げる」という分析レポートで、ブリオンボールトのリサーチダイレクターのエィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられました。
この記事では、エィドリアンの「2018年に今の段階までで金と比較しても十分に上昇をしていない銀は(金銀レシオ)でも、究極のレベルに高まっている。そのため、金は過去25年間の中でもとても割高な状態だ。」というコメントを紹介し、過去50年間の全ての営業日では金と銀は71%同じ方向に価格が動いている、そして月間では74%同じ方向に価格が動いているというエィドリアンのリサーチデータを取り上げ、「もし金に強気なのであれば、銀も上昇すると考えるべきだ。」というコメントも紹介していました。
また、ブリオンボールトへ資本参加しているロスチャイルドのファンドAugumentum Fintechが1億ポンド(約146億円)のIPOを行うことが主要経済メディアで取り上げられ、ブリオンボールトと弊社グループ会社のウイスキー・インベスト・ダイレクトが紹介されていました。
英主要経済サイトThis is Money.co.uk「Augumentum社に投資することでテクノロジー関連への投資家は収益を上げることができる」
ここでは、Augumentum社がブリオンボールトとウイスキー・インベスト・ダイレクトが同社の投資先であると取り上げ、ブリオンボールトとウイスキー・インベスト・ダイレクトについて詳しく紹介しています。
ここでは、世界の個人投資家が、ブリオンボールトでは金や銀、ウイスキー・インベスト・ダイレクトではスコッチウイスキーへ投資でき、スコッチウイスキーが熟成する間投資をすることで、その投資利回りは平均年率8%であると紹介しています。
英主要経済誌Money Week「新興市場を無視すべきではない」
ここでは、Augumentum社が投資を行ったブリオンボールトが840万ポンド(12億3000万円)の評価額の会社として取り上げられています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
今週英国では、先週末4日に英国南西のソールズベリーで意識不明に陥って発見されたロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんのことがトップニュースで伝えられています。
スクリパリ氏は、欧州で活動していたロシア人スパイの身元情報を英対外諜報機関(MI6)に渡したとして2004年にモスクワで逮捕され、国家反逆罪で有罪宣告を受けていましたが、2010年に米国とロシアが拘束されていたスパイの交換を行った際に釈放され、英国に亡命していました。
英国では、2006年にプーチン大統領と対立していたロシアの元スパイのアレクサンドル・リトビネンコ氏がロンドンに放射性物質を盛られて死亡しています。そしてこの事件は、英国政府が設置した公聴会では、「プーチン大統領がおそらく暗殺を承認した」と結論付けており、英国は2007年にロシア外交官を追放する等の制裁を科しています。
ボリス・ジョンソン外相は、今回もロシアが事件に関わっている疑いを否定できないと6日の議会で述べ、この事件にロシアが関与した「疑い」が事実として証明されれば、ロシアに追加制裁を科す意向も示しています。しかし在英ロシア大使館は関与を否定しています。
7日には、英国警察が今回の使われたのは神経剤であったことを公表し、当初2人の救助にあたった3人のうち1人の警官も重体で入院中と伝えられています。
ちなみに、スクリパリ氏の妻は2012年にがんで亡くなり、その2年前には兄がロシアで死亡し、昨年7月には43歳の息子が恋人とサンクトぺルブルクを旅行中に肝不全になって急死しています。このように、家族の急死が続いたことをスクリパリ氏は不振に思っていたと伝えらえています。
まるでスパイ小説のような事件が、再びこの英国で起こったことに驚いています。2006年のリトビネンコ氏暗殺の際は、暗殺に使われた放射能物質のポロニウムの痕跡が、リトビネンコ氏が立ち寄ったロンドン市内メイフェアのホテルとすし屋で発見されたと伝えられ、日々の生活に近い地域でこのような見せしめのような暗殺が行われたことにショックを受けたことを、この事件は思い出させることとなりました。
スクリパリ氏とユリアさんを救助した警官は重体ではあるものの命の危険はないとのこと。スクリパリ氏とユリアさんも1日も早く意識を取り戻し回復する事を、そしてまずは事件の全容が明らかとなることを祈っています。