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銀の投資が「主流」となる中で、ドル建て以外主要通貨で銀価格は最高値を記録

エコノミスト誌は、銀の供給不足に注目しています。
 
英主要経済誌のエコノミスト誌によると、銀価格はドル建て以外の主要通貨で過去最高値を更新しており、貴金属への投資は「主流になりつつある」と述べています。
 
また、銀の工業用需要が過去最高を記録したことで、銀価格の高騰による宝飾品購入の減少が相殺されるとの分析が、専門コンサルタント会社Metals Focusがワシントンに拠点を置くシルバーインスティテュートのために発表しています。
 
銀の産業用途やその他の生産用途と同様に、銀の太陽エネルギー技術のような「グリーンエコノミー用途の継続的な構造的増加」に牽引されて、銀地金投資も2025年には重量ベースで3%増加するとシルバー・インスティテュートは予測しています。また、「欧米の投資家が新たな価格水準に慣れるにつれて、新たな投資が行われ、利益確定の売却も緩和される」と予想されています。
 
Metals Focusの見通しでは、鉱山生産量は2%増加し、スクラップリサイクルは5%増加し、 総供給量と総需要の差は2割ほど縮小したものの、「歴史的にはまだ大きい」と述べています。
 
1917年以降の銀価格の主要通貨の月間平均価格 出典元 ブリオンボールト
 
 
銀地金は、昨年トロイオンスあたり28.20ドルと2012年以来最も高い年間平均価格を記録し、英国ポンドとユーロ建てではそれぞれ22.10ポンドと26.13ユーロと史上最高値を更新しました。
 
2月の銀地金は、ポンド建てでは25.68ポンドと、2011年4月を1ペニー上回り、ユーロ建てでは30.91ユーロと、1980年新年の歴史的なピーク(ドイツマルクの換算レートによる)以来の高値をつけていました。
 
それでもなお、ドル建て銀価格はインフレを考慮した後の最高値をはるかに下回り、実質ベースでは1980年1月の月平均値の3分の1にとどまっていました。
 
2025年については、LBMAが毎年年末に行っている LBMA価格調査の銀価格の予測を記入した25人のアナリストのうち24人が強気となっていました。また、2025年の銀価格は、ドル建てで2024年の過去10年間の最高値と並ぶと予想し、年内のピークは現在の水準より25%近く高い40ドルを上回ると予測しています。
 
LBMAの調査で最も強気の予想をしているのは、スイスの地金精錬・金融グループMKSパンプのストラテジスト、ニッキー・シールズ氏で、「銀は他のすべての貴金属を上回るパフォーマンスをする」と述べています。
 
シールズ氏はこの調査結果では、2025年の銀価格はトロイオンスあたり36.50ドルとなり、2011年に記録した35.11ドルを上回ると予測し、「中央銀行の利下げ、中国と米国のマクロ経済の下支え、旺盛な太陽電池需要、そして最終的には米ドルの下落」をその要因として指摘しています。
 
ドル建てでは、銀は2025年に平均31.32ドル、ポンド建てで平均25.11ポンド、ユーロ建てで平均30.08ユーロとなっています。
 
また、銀は昨年、インドルピーで年間新記録を樹立し、2月には10グラムあたり900インドルピーと、月平均の最高値を更新しています。
 
しかし、工業的に有用な貴金属の新高値にもかかわらず、インドの銀の輸入は急増しており、1月には少なくとも2008年以降で最も多い年初の流入量となり、12ヶ月前から37%増加したとMetals Focusは述べています。
 
銀地金と金地金の輸入関税が昨年夏にサプライズで引き下げられたことが追い風となり、「これは、投資需要の継続的な力強さに後押しされた」と、このコンサルタント会社は最新の「India Focus Monthly」で述べており、価格が上昇して宝飾品や銀製品の需要が落ち込んでも、アジア大陸の投資は「堅調に推移する」と予測しています。
 
銀投資に関しては、「需給の差の拡大は、 銀投資への熱を引き続き高めそうだ」と、現在世界中で100万人以上の購読者を持つ、今週のエコノミスト誌は、米国コメックス先物価格とロンドン地金価格の最近の乖離を指摘しています。
 
ブリオンボールトのユーザーとAIによる2025年の 銀地金予測は強気で、年末のドル相場はトロイオンスあたり36ドルと予測しています。

ブリオンボールト社のリサーチ部門は、オンライン金取引所有サービスを提供する世界有数の英国企業ブリオンボールトの、リサーチ・ダイレクターのエィドリアン・アッシュ、日本市場担当ホワイトハウス佐藤敦子を含む国際市場担当者によって構成されています。

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