金市場ニュース

方向性のない市場の中で米国とドイツの金投資需要が増加

英国とドイツの投資家による金購入が進む中、金の取引量は2年ぶりの低さとなっていました。

ドイツと米国の投資家は何かを知っているのでしょうか。ブリオンボールトのリサーチダイレクターのエィドリアン・アッシュがここで2月のブリオンボールトにおける金投資傾向をまとめ、解説しています。

2月に世界の株式市場が2016年初頭以来の急落を見せた後に上昇する中、個人投資家の金投資意欲は金価格が下げる中で後退していました。これは、月間に取引を行った投資家の全体の投資家に占める割合が、2年ぶりの低さへと下げていたことからも明らかになりました。

しかし、ブリオンボールトで新たに金を購入した顧客は増加していました。特にドイツにおいては過去12か月の平均の23.5%増、米国においては39.6%増と、2017年1月以来の高い水準となっていました。

そして、先月の月間で購入が売却を上回った購入者数と売却が購入を上回った売却者数のバランスを示すブリオンボールトの金投資家インデックスは54.1と、1月の5ヶ月ぶりの低さとなった52.7から上昇していました。

このブリオンボールトの顧客が実際に行った取引データを基に算出されるデータは、その月の購入者数と売却者数が完ぺきに一致した場合は50となります。

 

金の月間平均価格が米国ドル建て、英国ポンド建て、ユーロで前月比1%下落する中、金の購入者数は前月比3.1%下げ、昨年の8月以来の低さとなっていました。

しかし、売却者数は前月比38.2%減と昨年10月以来の低さともなっていました。そのため、月間で金の取引を行った顧客数は全体の9.5%と2015年末以来の低い水準となっていました。

そのため、先月の株価のミニクラッシュは、方向性の見えない金市場を変えることはありませんでした。しかし既存の顧客は、今日の投資環境の中で、取引を積極的に行うことを避ける傾向が強くなってきています。そのような中でも、低迷を続ける金価格は、他の高止まりしている資産クラスへの投資を減らし、ポートフォリオの保険的役割で、新たに金投資を始めようと考える人々にとっては魅力的なものであったようです。

2月の世界株式市場の下落は、ドイツの個人投資家の金への興味を高め、米国投資家がよりの多くの資金を金へと移すことを促すこととなりました。米国の金貨の需要は2017年に大きく落ち込んでいたように、トランプ政権発足以来低迷していた金投資傾向は、ポートフォリオの多様化目的で終わりつつあるか、もしくはその需要が既に伸び初めているようです。

ブリオンボールトにおける世界全体の新規顧客数は、過去12か月の平均の1.8%増となっていました。

重量にしてみると、金においては1月の123キロという下げ幅をほぼ取り戻し、昨年12月の史上最高値の38.7トンを超える量に14キロ足りない量まで増加していました。

それでは、次に銀投資傾向を見てみると、既存の顧客全体の中で、先月銀の取引を行った顧客は11%と、金ほどではないもののやはり低い水準にとどまっていました。

しかし、銀価格が2月にドル建てで3%下げる中、購入者数は前月比19.4%増加し、売却者数は45.5%下落していたことから、銀投資家インデックスも1月の購入者数と売却者数が同水準であった50.8から、54.7と昨年7月以来の高い水準となっていました。この数値の1月から2月への上昇率は2017年5月以来の高いものでもあります。

 

ちなみに、英国ポンド建て銀価格は更にドラマティックな動きを見せ、先月は英国のEU離脱以来の低い水準へ下げていた。それに対し、ユーロ建て銀価格は2016年初頭以来の低いものとなっていました。この2016年初頭の価格は、6年半ぶりの低さでもありました。

これは、買い時であったのでしょうか。ブリオンボールトの顧客はそのように考えたようです。そのため重量においては、ブリオンボールトの顧客は2月に銀の残高を3トン増加させ、史上最高の保有量の703.5トンを記録していました。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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