ニュースレター(2013年2月8日)1668.25ドル 円建て金価格が1980年来の高値を連日更新
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1668.25ドルと前週同価格とほぼ同レベルの0.75ドル下げとなっています。
週明け月曜日、金価格はロンドン時間に下げたものの、ニューヨーク時間にその下げを戻すこととなりました。
ロンドン時間の下げは、ユーロ圏のスペインとイタリアの政治情勢への憂慮からリスクオフが進んだことからです。スペインにおいては、ラホイ首相が国内において汚職疑惑の払拭に苦戦しており、イタリアにおいては、ベルスコーニ前首相の支持率が上げていることによる懸念が、両国の国債価格を下げ、利回りを上げていること市場が注目していることからです。
イタリアにおいては、ベルスコーニ前首相が、今月末に行われる総選挙で勝利すれば、減税や政府コストの削減をするとし支持率を上げており、それに加え伊大手銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナが明らかにした損失の原因のデリバティブ取引について、当時伊中銀の総裁であったのドラギ欧州中央銀行総裁に報告がされていたなどから、マリオ・モンティ首相とドラギ総裁によって鎮静化していた同国の債務問題が浮上することへの懸念が高まっていることが国債価格低下の要因であり、リスクオフをすすめている理由です。
翌火曜日は、ロンドン時間午後昼過ぎにトロイオンスあたり1684ドルの高値を付け、戻すこととなりました。これは同日発表された英国とユーロ圏のサービス業(と製造業との総合)のPMIの数値が、前回及び予想を上回るなど、良いものであったために価格を押し上げましたが、その後利益確定の売りで下げることとなったためです。
ちなみに、この間金の円建て価格は、円安が進んだことから32年来の最高値となっています。これは、同日白川日銀総裁が、早期辞任のニュースが伝えられたためです。これにより更なる金融の量的緩和の観測が広がり、円安が進み、円建て金価格を押し上げたものです。
水曜日は、主要経済指標が特にない中、狭いレンジでの取引となりました。この間、円建て価格は再び32年来の最高値を更新しています。
木曜日は、金価格が乱高下することとなりました。これは、米国のエバンスシカゴ連銀総裁が、「米金融当局は失業率が7%に低下する前に資産購入プログラムを終了する可能性がある。」と述べたことが伝えられ、金価格を押し下げることとなりました。しかしその後スピーチ内容詳細では、エバンス総裁は、失業率が7%に低下するのは2014年後半としていることから、FRBの量的緩和終了時期に変更はないという市場認識となったようです。
また、同時間帯に行われた欧州中央銀行の政策金利発表後のドラギ総裁の記者会見で、金融政策に関して、’Accomodative'という言葉を何度も使い、金融の量的緩和に対する肯定的をしたことから、金は買われることとなりました。しかし、記者会見後半のインタビューでは、同総裁がユーロ高への警戒感を表明したため、ユーロが売られ金価格も緩やかに戻すこととなりました。
金曜日は、ロンドン時間16時半の段階で、前日とは異なり、ドル建てで5ドルほどの狭いレンジで推移しています。
その他市場のニュース
- 中国の2012年の香港からの金の輸入総量が、前年比2倍となったこと。この詳細は、「中国の金輸入が94%増の記録的水準へ」をご覧ください。
- インド政府が、金輸入規制を検討する可能性があると、インド中央銀行が水曜日に発表したレポートで述べていること。
ブリオンボールトニュース
本日、ブリオンボールトがまとめている金投資家インデックスの1月の数値が発表され、ブルームバー グで取り上げられています。先月の数値は54.9と前月の58.3から下げ、前月に比べ投資家の金購入意欲が下がっていたことが明らかになりました。記事 全文(英語)は、下記のリンクでご覧いただけます。
また、この日本語の記事は、「個人投資家は、経済の先行きを必ずしも楽観視せず」をご覧ください。
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュによる「個人投資家は、経済の先行きを必ずしも楽観視せず」、「なぜスイスの銀行が金の消費寄託サービスの費用を引き上げたのか」
- ブリオンボールトリサーチ部門の「中国の金輸入が94%増の記録的水準へ」
- スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏の「とまらない円建てメタルの上昇、ゴールドプラチナ5000円時代到来か?」
今週は、下記のビデオもYouTubeにアップロードされています。
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週の英国のニュースは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)不正操作に関して、米英当局へ総額約570億円の罰金支払いで和解したことが発表され、大きく報道されていたことです。英国においては、投資銀行に勤めるバンカーと呼ばれている人々は、高額な報酬を受けているということことからも、金融危機以降、金融危機を引き起こした人々として、批判の矢面に立っています。RBSは特に、金融危機で破綻に瀕し、84%が国有化されているだけに、税金を使って生き延びた銀行の不正に一般の人々の怒りが収まらないようです。
文化的なニュースは、英国中部レスター市内の駐車場の下から発見された人骨が、中世のイングランド王のリチャード3世のものと断定されたことが今週発表されたことです。この人骨は、その背骨が曲がっている他、戦闘時に受けたと思われる矢尻や殴打痕などがあるなどとその可能性は高かったのですが、確実となったのは、リチャード3世の子孫のDNAと比較分析した結果です。1485年に生きたリチャード3世の人骨が発見されたことも驚きですが、子孫のDNAで科学的に証明されたという時間を越えた奇跡に、歴史好きな英国の人々は大きなロマンスを感じています。
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