ニュースレター(2013年12月13日)1232ドル ショートカバーの上げを、FOMC待ちで切り崩す
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1232ドルと、前週同価格と同レベルとなりました。
週明け月曜日、金価格は緩やかに上昇することとなりました。これは、前週にも見られたファンドのショートカバーの買い戻しであった模様です。
また、コメックスのショートポジションは先週315トンと、2013年の平均である250トンを大きく上回っていることからも、価格の動向に応じてはショートカバーで価格を押し上げる可能性があることを、スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏がブルースレポートでコメントしています。
同日は、米地区連銀の講演が行なわれ、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は「緩和縮小を始める時期に来ている」と述べ、リッチモンド地区のラッカー総裁もまた、タカ派的コメントをしたことが伝えられています。
翌火曜日も、前日の上げを受け継ぎ、過去3週間で最高値のトロイオンスあたり1267ドルを超えることなりました。これは、ショートポジションを手仕舞いするファンドの買戻しが起きたためです。また、直近の高値1250ドルを超えるとこの傾向はさらに強まり、10ドルほど急騰することとなりました。
水曜日は、前日の上げを多少戻したものの、狭いレンジの取引となりました
木曜日金価格は、トロイオンスあたり25ドルほど下げ、週明け価格まで下げることとなりました。これは、前日米予算大枠合意が成立したことから、市場の混乱が避けられることとなったため、また、来週のFOMCにおける量的緩和縮小観測が広がっていること、そして、同日発表の小売売り上げ高の結果が予想を上回り、5ヶ月ぶりの高い数値となったことなどが要因です。
金曜日はロンドン時間午後に、トロイオンス10ドルほど上げています。
他の市場のニュース
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北朝鮮が金を中国に売却したことが伝えられたこと。詳細は「北朝鮮が中国へ金を売却と伝えられる」をご覧ください。 -
水曜日に米国議会で、共和党と民主党が予算について2年間の合意に達したこと。
ブリオンボールトニュース
ブリオンボールトの米国市場開発責任者のミゲル・ペレス-サンタイアが、12日に「NY Markets Live」番組で、著名投資家ジム・ロジャーズへインタビューを行ないました。す。このインタビューのまとめは、「ジム・ロジャーズの投資の基本ルールについて」でご覧いただけます。
また、ブリオンボールトの金投資家インデックスが、ブルームバーグの「1200ドルが近づくにつれ、金の 弱気市場傾向が強まる」の記事で取り上げられています。ここでは、ETFや先物市場の弱気市場傾向はあるものの、この価格水準はアジアや個人投資家にとっ ては魅力的であるという中で、このインデックスを取り上げています。
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールト米国市場開発責任者ミゲル・ペレス-サンタイアの「ジム・ロジャーズの投資の基本ルールについて」 -
ブリオンボールトのリサーチ部門の「北朝鮮が中国へ金を売却と伝えられる」 -
スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏の「今年の相場の振り返り(シルバー)」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
なお、昨年12月に行なわれた東京ゴールドフェスティバルが来年2月11日に行なわれます。この参加は無料ですが、定員になり次第締め切りとなりますので、ご希望であれば急ぎお申し込みください。
ここでは、「ゴールドについて学び、ゴールドを体感する”特別な"一日」として、金市場の第一人者、スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏、日 経のマネーセクションにコラムをもたれている経済アナリストの豊島逸夫氏、政治学者の舛添要一氏など著名人の方々がパネリストとして参加されます。この詳 細は下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週水曜日ロンドンは、深い霧に包まれることとなりました。ロンドンは、19世紀以降の産業革命と石炭燃料の利用で、大気汚染が進み、深い霧が発生することで知られています。しかし、実際には、1952年に起こったスモッグで、1万人以上が亡くなったことから、1956年から1968年に「大気浄化法」と「ロンドン市法」が制定され、大気汚染は改善され、現在はこのような深い霧を見ることは多くはありません。
同日は、ヒースロー空港では280のフライトがキャンセルされるなど、かなりの混乱が起こりましたが、写真家にとっては思いがけない興味深い写真が撮れる日となったようです。
ロンドンの東部にある投資銀行が多く拠点としている開発地域のカナリー・ワーフの高層ビルが雲の中から突き出している写真は、翌日、多くの主要紙の1面を飾ることとなりました。この写真を掲載した経済日刊紙のCitiyAMのリンクを下記に添付します。
https://www.cityam.com/heavy-fog-shrouds-canary-wharf/
また、大分霧が収まった午後に弊社事務所から撮った写真もここに添付いたします。この日午前中は、弊社オフィスからは全く外が見えないほどの深い霧となっていました。交通網の混乱の影響を全く受けなかった者としては、幻想的な一日を楽しむことができました。