北朝鮮が中国へ金を売却と伝えられる
北朝鮮が、北朝鮮各地に埋蔵されている金を、数ヶ月前から中国に売却していることが、韓国の聯合ニュースが伝えられている。
北朝鮮経済の悪化に伴い、緊急に資金を得るために、中国へ金を売却したことを韓国メディアは伝えている。それによると、その情報筋は明らかにしないものの、2005年以来国際的に経済制裁を受けている北朝鮮によって、ここ数ヶ月間に売却された金の量の詳細をレポートしている。
この記事では、対北朝鮮消息筋が、金の海外売却は北朝鮮の経済状況を判断する指標になると指摘し、「北朝鮮経済が建国以来最悪の危機に直面し、崩壊寸前まで追い詰められていることを裏付けるものだ」と話したことを伝えている。
そして、ここでは金の売却が初めて行なわれたことに言及した上で、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去直後の2011年末に権力を継承してから、遺訓を守って金の海外売却を思いとどまってきたが、経済状況が行き詰まり金の輸出を決断したとしている。
2012年9月には、韓国の朝鮮日報は、2012年9月に北朝鮮が2トンの金を売却し、1億ドルを得たことを伝えている。
ここでは、Room39と呼ばれる、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の資産を管理している機関が、北朝鮮人民軍と共に、北朝鮮の金準備を売却したことも、情報筋を明らかにせず伝えている。
「北朝鮮は、(2011年の)12月から産出した金を売却しているのみに関わらず、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が権力を継承して以来、北朝鮮の金準備や人々から買取った金を売却している。」とレポートしている。
ロンドン貴金属市場協会のグッド・デリバリー・バー標準を満たすことが承認された30年後の2006年に、北朝鮮の中央銀行によって製造された金地金は、「Former List (正式に認可されていた地金のリスト)」で認識されることとなった。これは、その形状は今後もグッドデリバリーの標準として認識されるものの、国際的な経済制裁を受けていることから、取引は行なわれないというものである。
Christian Science Monitorによると、1993年までの10年間に、この中央銀行は、平均して1ヶ月に1トンの金を売却しているとのこと。
米国のGeological Survey(地質調査)のデータは、北朝鮮の金産出量は、年間2トンであるとしている。このデータは、北朝鮮の金鉱業界は、共産体制下では産出可能量の30%の水準で運営されているとしている。
アジア-太平洋圏のコンサルティング企業であるNautilius Instituteは、北朝鮮の産出されていない金の埋蔵量は1000トンであると見積もっている。