イラン戦争で中央銀行の金売却が過去最大に
トルコの大規模な金売却とスワップが、中国の買いを圧倒…
イランに対する米国・イスラエルの戦争によりエネルギー価格が急騰する中、各国中央銀行による金売却は、3月に金額ベースで月間過去最高を記録した。
先月、金価格は2013年6月以来の急落を記録したが、これまでに公表された公式データによると、トルコによる大規模な金売却およびスワップが、他の中央銀行による購入を4倍以上相殺していた。
その結果、3月の中央銀行部門による金の純流出は、重量ベースで21世紀最大となる102トンに達し、先月の平均金価格に基づくと約160億ドルと過去最高額に相当する。
スイスの精錬・金融グループである MKS Pamp の貴金属ストラテジスト、ニッキー・シールズ氏は英紙 Financial Times に対し、「ここ数週間での1,000ドルの価格下落の主因は中央銀行の売却だ」と述べている。
また、金ETF(上場投資信託)も3月には投資家による大規模な売りに見舞われ、鉱業業界団体である World Gold Council の集計によれば、世界全体で84トンを超える純流出となった。
これは重量ベースで2022年9月以来最大の月間流出であり、金額では過去最高の120億ドルに相当する。
調査会社メタルズ・フォーカスは、「最近の中央銀行による金売却の増加は一時的なものとなる可能性が高い」と指摘する。
「実際、これらの売却を考慮しても、暫定データでは年初来で公的部門は依然として純購入側にあることが示唆されている。」
2月末のイラン戦争勃発時点で世界第10位の金保有国だったトルコ中央銀行(CBRT)は、原油価格ショックと米ドル相場の反発の中で、保有金の約15%を売却または担保にして借り入れを行った。
CBRTは公式なコメントを出していないが、公開データによると、3月27日までの4週間で52トンの金を売却し、さらに79トンを金スワップを通じて貸し出した。これにより得た資金は、外国為替市場でリラ防衛に充てられた可能性が高い。
しかしリラは対ドルで史上最安値を更新した後、4月に入ってようやく安定の兆しを見せている。
一方、中国人民銀行のデータによれば、中国は5トンの金を追加購入し、ロシアを抜いて中央銀行の金保有量で世界第5位に浮上した。これは重量ベースで1年以上ぶりの大規模な月間購入である。
過去3年間で最大の金購入国であるポーランドも、3月の価格下落を利用して11トンを購入し、中央銀行の直接保有量でトルコを上回り世界第11位となった。
メタルズ・フォーカスは、「地政学的リスクの高まりは、むしろ中央銀行がドル建て資産からの分散手段として金を保有する意義を強めるだろう」と述べている。






