2013年第1四半期はトレンドの転換期?
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、先日ワールド・ゴールド・カウンシルが発表した、2013年第1四半期の世界の金需要の傾向レポートをまとめ、解説しています。




株も金も、なんだか値動きが激しいこの頃です。買い注文も売り注文も人の手を離れつつあるようで、短期の値動きはますます予測し難いものに。長期資産として金を購入したいという向きは、目先の値動きに振り回されない方が良いでしょう。
さて、今回は約束通り需要動向の紹介です。
先頃発表された第1四半期の需要データを見ると、昨年までと少し異なった傾向が浮かび上がります。それが何かといえば、金ETFからの資金流出です。
重量でどれくらいの減少になったかと言えば、代表銘柄のSPDRゴールドシェアーズを例に取ると、昨年12月末1,342トンが本年3月末1,221トンへ、わずか3ヶ月で121トンもの減少となります。ただし、ここではSPDRだけでなく、金ETF全体の半期ごとの増減をご覧いただきます。米国株式が最高値更新を続けている環境下で、金ETFに入っていたファンドの資金が、株式など他の資産へ移動していると思われます。
2012年第1四半期 + 53.2t
2012年第2四半期 + 0.0t
2012年第3四半期 +137.8t
2012年第4四半期 + 88.1t
2013年第1四半期 -176.9t
では、実体経済=景気の先行指標とも目されるテクノロジー用の需要はどうかと見れば、欧州経済が悪化を続けている環境にある中で、昨年第4四半期を底にやや盛り返しています。この分野は欧州経済の回復待ちといったところ。
2012年第1四半期 +105.8t
2012年第2四半期 +103.3t
2012年第3四半期 +102.1t
2012年第4四半期 + 96.2t
2013年第1四半期 +102.0t
需要の最大項目に返り咲いた宝飾品はといえば、欧州の需要が激減しているにも関わらず、驚くべきことに前年同期比で3%拡大しています。中国とインドの個人需要が牽引した結果です。
2012年第1四半期 +502.7t
2012年第2四半期 +423.2t
2012年第3四半期 +487.1t
2012年第4四半期 +482.4t
2013年第1四半期 +520.0t
個人需要の旺盛さが際立ったのが金地金・金貨。この分野も中国とインドが牽引しています。
2012年第1四半期 +342.5t
2012年第2四半期 +284.1t
2012年第3四半期 +284.2t
2012年第4四半期 +335.8t
2013年第1四半期 +377.7t
そして忘れてならないのが中央銀行の動き。2010年頃から、新興国中央銀行では、金準備の増強を着々と進めており、このトレンドは現在もなお続いています。
2012年第1四半期 +115.2t
2012年第2四半期 +161.4t
2012年第3四半期 +110.2t
2012年第4四半期 +146.4t
2013年第1四半期 +109.2t
総じて、ファンドが売りに傾くなかで、個人と新興国の買い意欲が旺盛です。
とにもかくにも2013年前半の金価格下落も、ファンドの金ETF売りが主因というわけで、金ETFの減少が止まる時期がいつになるか、金市場の関心はしばしそこに集まりそうです。
参考までに、最後にひと言、追加しておきます。日本の個人需要は長く売り越していましたが、第1四半期のはマイナスが4.3トンに止まりました。第2四半期移行、買越しに転じているかどうか、金読本はそこに強い関心を持っています。
本日はここまで。
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