銀価格ディリーレポート(2020年7月6日)金銀比価が下げ、銀投資需要が銀の供給過多を解消する勢いである中、銀価格20ドルを予想
銀価格が月曜日昼過ぎに上昇をする中、金価格は多少ながら上昇していました。
この間欧州株価は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大ニュースを物ともせず上昇していました。
欧州株の上昇は、アジア株の上昇基調を受け継いだものでした。これは、上海総合指数の5.7%上げという、2015年以来の上げ幅に牽引されていました。これは、政府系メディアが株高を支持する論説を掲載したことが背景とも言われています。
この間の世界の新たな新型コロナウイルスの感染者数は、米国、ブラジル、インドにおける感染者数の急増で24時間で21.2万人を超えたことを、世界保健機関(WHO)が伝えています。
金現物価格はロンドン正午に、先週終値から0.1%高のトロイオンスあたり1777ドルを付けていました。その間、工業用途が遥かに金よりも高い銀現物価格は、1.2%高のトロイオンスあたり18.29ドルを付けていました。
そのために、金銀比価は97.3と3週間ぶりの低さへ下げていました。この数値は、3月半ばにCovid-19危機によって世界の株式市場が急落した際に11年ぶりの低さへ銀価格が下げたことから、127と史上最高値を付けていました。
これに対し、過去50年間この数値の平均は56で、1000年さかのぼった際の平均は15となります。
「銀は金に対し記録的に割安となったことから、前半期後半にその価格を回復することとなった。」とSaxo BankのコモディティストラテジストのOle Hansen氏は述べています。
「私達は金に強気の見通しを持っていいるので、金に引き上げられて銀も上昇すると見ています。」
「銀投資需要は、市場を供給不足とする勢いを持っています。」と、最新の貴金属価格レポートの中で、新たに社名をStone X Group Incとした、INTL FCStoneのHead of Market AnalysisのRhona O'Connell氏は述べています。
Silver InstituteがまとめたWorld Silver Survey 2020によると、2019年には世界の銀供給量は銀需要量を973トン上回り、4年連続の供給過多となっていました。
銀を裏付けとする上場投資信託(ETPs)の残高は、年初から既に25%増加しており、世界最大のiShareシルバートラストは、先週2.2%増で330トンを増加させて、史上最大の15,614トンとしていました。
また、ブリオンボールトにおけるネットの需要は、3月から5月の総量が3ヶ月の増加量としては過去最大で、顧客が保有する銀総量は25%やはり増加していました。
「金価格が(トロイオンスあたり1900ドル)の市場最高値を超えた時、銀価格は金よりもより速いペースで上昇し、2020年末までに20ドルを超えることになるだろう。そして、金銀比価は90台前半へと下げることになるだろう。」と、Metals Focusが最新のレポートで述べています。