金現物投資の背後にあるもの
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、今月初めに英国で発覚したバークレー銀行によるLIBOR不正操作に際し、人々が金現物投資を行う動機付けなどを、金現物投資への需要の推移と共に解説しています。

間の悪いときには悪いことが重なるものです。ユーロ分裂の危機もささやかれ始めたさなか、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正発覚で、欧米の金融機関がグラグラと揺れ始めました。すでに各地で訴訟問題にまで発展しています。
成行きを追っていて、これはゴルフにおけるスコアの過少申告みたいなものだと気づきました。取引金利もスコアも自己申告をモットーとします。ところが、ゴルフ発祥の国の紳士たるべき人々が、阿吽の呼吸で過少申告し合ったというのです。
バブルにまみれると、人間の品性というのは、こうも卑しくなるものなのでしょうか。と、そんな情緒的な話で治まるはずはありません。
実体経済にとっても社会生活にとっても、重要な役割を果たす(はずの)金融機関に対する不信感が、さらにいちだんと深まることは間違いありません。相互不信の根が広がっているところで発覚した問題だけに、由々しき事態と言って良いでしょう。
社会は基本的な信頼関係があって成り立つものです。経済活動においてなくてはならないお金の価値も、発行国に対する信用がベースになっています。そこがさらに揺らぐことになると思われるからです。
ちなみに相互不信の芽が急速に育ち始めたのが、リーマンショック以降であるとはよく言われることです。それに呼応するかのように、信用をベースとはしないそのもの自体が実物価値を持つ金に対する需要が世界的に拡大したこともよく知られていることです。
最後に、金地金投資需要の推移をご覧いただきます。2008年以降、欧州で、インド亜大陸で、東アジアで需要が急拡大していることが見て取れます。背後にどんな不信があるのか言うまでもないでしょう。ドルやユーロといったプリントマネーに対する不信、プリントマネーを発行する国や政府に対する不信です。
地に堕ちた信用、信頼の回復には、それ相応の長い年月がかかると覚悟しておいた方が良いでしょう。
ちなみに、このチャートに金貨は含まれていません。
データ重量単位:トン
データの出典元:Thomson Reuters GFMS
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