金市場の太い流れを復習しましょう
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、金市場の現在に至る傾向を、金価格が上昇を始めた2001年に戻りまとめています。

近年、日本流にいえば夏のお盆過ぎあたりから、なぜか金市場が慌ただしくなることが多くなっています。たまたまそんな巡り合わせになっているだけなのですが、どうやら2012年もそんな流れになりそうな気配です。
ここらで太い流れを復習しておくのも良さそうです。
金価格は2001年春から長期上昇トレンドに移行しました。どういう経緯で金に注目が集まるようになったのか、前にざっとお話しているので、まずはこちらをご覧ください。現在の環境がこの延長線上にあることに変りありませんから。
金価格の緩やかな上昇に「カツ」が入ったのは2006年、年金基金および富裕層向けに開発された金ETFが世界の金融センター・ニューヨーク証券取引所に上場し、またたく間に残高が600トンまで膨れ上がった時期です。
その次が、米国サブプライム問題が露呈した2007年、巨大な金融・不動産バブル崩壊のキッカケとなりました。その延長線上で2008年秋に米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、信用収縮が世界に波及、その津波に呑み込まれ溺れかけているのが今の欧州です。寄り合い所帯ゆえに問題の解決は容易ではありません。
そもそも今回の世界的な金融・不動産バブルの根っこには過剰なマネー供給と金融自由化が生んだ強欲があります。
ところが過剰マネーによって起きたバブル崩壊の後始末に、さらなる過剰マネーを供給せざるを得ないというジレンマ。社会や経済の血液として重要な役割を果たすはずマネーが、まるで湯水のように発行され続けているという現実。具体的に数字を挙げてみると、米国の場合で、ドル供給量はリーマンショック前8000億ドルだったのが、現在およそ2兆7000億ドル規模にまで膨らんでいるのです。
しつこく繰り返しますが、バブルの頂点で8000億ドル、それがいまでは3倍以上の2兆7000億ドルに達しています。現在、米国の量的緩和第3弾が期待されていますが、実施されると、さて、どれほどまで膨張するでしょう。
こうした潮流にあって動き始めたのが新興国でした。基軸通貨ドルも準基軸通貨ユーロも危ういということで、外貨準備資産の分散を積極的に進めています。中国、ロシア、インド、サウジアラビア、メキシコなどが外貨準備に占める金を買い増ししています。
つい最近の例では、お隣の韓国も17トン増強しました。だいじなことは新興国による金準備増強のトレンドは、まだ数年前に始まったばかりだということです。
今回はここまで。ではまた来週お会いしましょう。
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