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金価格ディリーレポート(2026年7月27日)原油安で金・銀が反発、高止まりする長期金利をものともせず

 

週末に米国とイランによる攻撃が一時停止され、原油価格が下落したことを受け、月曜日の金・銀価格は大きく上昇しました。米国の指標となる10年物国債利回りも、2023年以来の高水準から低下しましたが、依然として数年来の高水準付近にとどまっています。

金現物価格は、月曜日の取引序盤に最大1.6%上昇し、トロイオンスあたり4115ドルを付けました。その後、ロンドン時間の昼までに上昇分の約半分を失いました。金価格は前週にも1.8%上昇しており、イラン戦争開始以降では6週目の週間上昇となりました。最近、原油価格と金利が急上昇しているにもかかわらず、金は底堅さを示しています。

銀価格も上昇し、一時3.3%高のトロイオンスあたり60.07ドルを付けましたが、ロンドン時間の昼までに上昇分の約3分の1を失いました。銀は前週にも5.5%上昇しており、イラン戦争開始以降では7週目の週間上昇となりました。

月曜日の原油価格は下落し、北海ブレント原油先物は6%超下げ、バレルあたり90ドルを割り込みました。米国は13日間連続でイランを攻撃した後、外交努力により多くの時間を与えるため、2夜連続で攻撃を見送りました。イラン軍も日曜日、テヘランが軍事的な報復を停止したと発表しました。

北海ブレント原油は先週木曜日、紅海でサウジアラビアの石油タンカーが攻撃され、供給障害がホルムズ海峡を越えて第2の主要海上輸送の要衝へ広がるとの懸念が強まったことから、一時バレルあたり101ドルを上回っていました。

主要国の10年物国債利回り(%)の推移 出典元 ブリオンボールト

政府の借入コストだけでなく、多くの金融・商業融資金利の指標でもある米国10年物国債利回りは、先週に4.7%を上回り、約3年ぶりの高水準まで上昇した後、月曜日には4ベーシスポイント低下して4.6%となりました。

米連邦準備制度理事会(FRB)がこの間、政策金利を据え置いているにもかかわらず、米国10年物国債利回りはイラン紛争開始以降、17.0%上昇しています。

「ここにはFRBに対するメッセージがあります」と、ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバル投資戦略責任者、ポール・クリストファー氏は述べました。

「不確実性が積み重なっており、債券市場はその対価を求めています」と同氏は指摘しました。

英国とドイツの10年物国債利回りも月曜日に低下し、それぞれ12ベーシスポイント、4ベーシスポイント下落しました。先週木曜日には、英国の利回りが5.1%と2カ月ぶりの高水準、ドイツの利回りが3.2%と15年ぶりの高水準を付けていました。それでも、イラン戦争開始以降の上昇率はそれぞれ15.8%、19.6%と、依然として大幅な上昇となっています。

日本の10年物国債利回りは月曜日、約2.8%でほぼ変わらず、今月初めに付けた30年ぶりの高水準からもそれほど離れていません。また、米国が2月末にイランを攻撃して以降では31.1%上昇しています。

「重要な問題は、各国政府がこうした高い資金調達コストに耐え続けられるかどうかです」と、日本貴金属マーケット協会の池水雄一代表理事は先週金曜日のレポートで述べました。

「これは大きな懸念になりつつあります」と池水氏は付け加えました。

さらに、「財政赤字の拡大により、いずれ一つ、あるいは複数の国が財政危機に直面しても不思議ではありません」と続けていました。

格付け会社フィッチ・レーティングスは先週、地政学的ショックと長期的な構造変化の双方によって、先進国の財政が逼迫しつつあると警告しました。

フィッチは、米国とイランの戦闘再燃について、「GDP成長率の低下、利払い費の増加、場合によっては一定規模のエネルギー補助金を通じて、根強い財政リスクを浮き彫りにしている」と指摘しました。また、先進国の政府債務は2026年末までに75兆8000億ドル、GDP比104%に達すると予測しました。

この警告は、ピート・ヘグセス米国防長官が、イランとの紛争による米国の費用がすでに375億ドルに達したと推計したわずか数日後に発表されました。これは、地政学的緊張が財政負担を急速に増大させ得ることを示しています。

「米国は1日当たり約70億ドルという驚異的なペースで債務を積み上げており、それによって景気後退に対応する国の能力が衰えています」と、8000億ドル超の資産を運用する投資会社アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トルステン・スロック氏は警告しました。

今週は中央銀行の金融政策決定が注目されます。米連邦準備制度理事会は水曜日、イングランド銀行は木曜日、日本銀行は金曜日にそれぞれ政策を発表します。

金利先物市場によると、今週FRBが利上げを行う確率は約3分の1まで上昇しています。これは、米・イラン紛争が始まる直前には利下げが見込まれていた状況からの大幅な変化です。

イングランド銀行は木曜日、政策金利を3.75%に据え置くと予想されています。日本銀行も金曜日、政策金利を1.0%に据え置く一方で、今後も追加利上げの可能性が高いことを示唆すると見込まれています。

一方、英ポンド建て金価格は月曜日に0.5%上昇し、トロイオンスあたり3067ポンドとなりました。ユーロ建て金価格も0.6%上昇し、3586ユーロとなりました。

日本の投資家向けの円建て金価格も0.7%上昇し、グラムあたり2万1490円となりました。金価格はいずれの通貨建てでも1月の過去最高値を下回っているものの、英ポンド建てとユーロ建てでは昨年11月、日本円建てでは昨年12月に、それぞれ当時の過去最高値だった水準にあります。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者であると共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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