金価格ディリーレポート(2025年4月29日)トランプ大統領の就任100日間で金は22%上昇、ニクソン大統領以来最高を記録 2025年4月29日 火曜日 17:32 本日火曜日金価格は、昨日の85ドルの上昇のほぼ半分を失い、ドナルド・トランプ米大統領の2期目の最初の100日間のドル相場の上昇を22%に減少させていました。 1月20日にトランプ大統領が就任して以来、米国の大企業で構成されるS&P500指数は7.5%下落し、フィナンシャル・タイムズ紙は「トランプ大統領の最初の100日間は、米国株式市場にとってジェラルド・フォード以来最悪となった」と伝えています。 これとは対照的に、金価格は1973年にリチャード・ニクソンが2期目を開始したときに39.1%上昇し、15ヵ月後にウォーターゲート事件で不名誉な形で大統領の職を終え、その後ニクソンの後任のジェラルド・フォード副大統領の最初の100日間で21.9%上昇した際以来、最も好調な100日間を記録しています。 火曜日にトロイオンスあたり3310ドルで取引され、過去100日間の金地金は米ドルベースで22.2%上昇し、すでに26回の史上最高値を更新しています。 一方、ユーロ建て金地金は11.4%、英国ポンド建て金地金は11.9%上昇しており、トランプ大統領が金融市場に与えた「貿易戦争」の衝撃により、米国通貨の為替価値が3年ぶりの安値まで急落したため、ドル建て金価格の100日間の上昇幅の半分を記録することがやっとのことでした。 ロイター通信によると、トランプ大統領の第2代大統領就任から100日が経過し、同大統領が解放の日と呼ぶ関税政策によって企業の懸念が高まり、「ゼネラル・モーターズ、クラフト・ハインツ、エレクトロラックスが火曜日、2025年の業績見通しを撤回したり、見通しを下方修正した企業の多様なリストに加わった。」と伝えています。 宅配大手のUPSは、最大のパートナーであるアマゾンの顧客からの荷物の減少を見越して、2万人の雇用を削減すると発表していました。 自動車大手のGMも四半期ごとの投資家向け電話会議を木曜日に延期していました。 フランスの投資銀行ナティクシスで貴金属アナリストを務めるベルナール・ダーダ氏は、「トランプ大統領が関税に関してよりソフトな表現を使ったため、金価格は後退した」と語っていました。 「トランプ大統領の関税の脅威はピークに達したという見方をすれば、最終的なイラン核合意やロシアとウクライナの休戦協定と相まって、これは金の成長ペースが鈍化するターニングポイントになるかもしれない。」と続けていました。 先週火曜日に3500ドルの史上最高値を記録した金は、「非常に買われすぎの領域にあった」と、証券会社StoneXのチーフアナリスト、ローナ・オコネル氏は同意しています。 「リスクプレミアムは巻き戻されつつあり、緊張が再び高まらない限り、私たちは天井を見たという見方を堅持する。」と続けていました。 世界的なブリオンバンクのHSBCの貴金属アナリスト、ジェームス・スティール氏は、「関税リスクが軽減されれば、間違いなく上昇の足が1本なくなるだろう。」と述べ、トランプ大統領の貿易政策をめぐる不確実性が最も株価を下げ、金を押し上げたと強調していました。 「もし関税問題が明確になれば、金相場は下押しされるでしょう。」 「現物資産であり、安全資産である金は、その中で勝者になる傾向がある。」とも追記していました。 ロンドン市場の銀相場は火曜日、トロイオンスあたり33.20ドル前後で取引され、ドル建てではトランプ大統領の就任後100日目から8.5%上昇していましたが、ユーロ建てでは1.7%下落し、英ポンド建てでは1月20日から1.1%下落していました。