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金価格ディリーレポート(2024年3月11日)金相場はコメックス先物・オプション取引の急伸でロンドンにおいて6営業日連続高値更新

金相場は、コメックス先物・オプション取引の投機筋が前週強気ポジションをほぼ倍増させたものの、投資家が今週発表される米国のインフレ指標を前に、金ETFの残高を減少させ続ける中、月曜日に過去最高値付近で推移しています。
 
ドル建てスポット金相場は、トロイオンスあたり2180ドル前後で推移し、金曜日に記録した日中取引価格の最高値を15ドル下回ったものの、ロンドンの午後3時の金ベンチマークでは、6日連続で 史上最高値を記録する傾向となっています。
 
先週の価格の動きは、昨年3月の米国地銀の 「ミニ危機」以来最大の上げ幅であり、ドル建て金相場は6%近く上昇し、2024年までの金地金は5.3%上昇しています。
 
金曜の新高値は、コメックス金先物・オプションの取引量が前日比58.6%増と急増し、 シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻が米国の地方銀行の「ミニ危機」を示唆した2023年3月中旬以来の大規模なものとなる中で記録されていました。
 
最新のデータによると、先週の動きは、ヘッジファンドやその他のレバレッジを効かせた投機筋が、コメックス金先物・オプションのネットロングポジションを92.6%拡大させたことから始まっており、この5年間で最も強気のポジションが急拡大した週となっていました。
 
しかし、想定元本408トン相当となったマネージドマネーのネットロングポジションは、米国の規制当局であるCFTCが収集し公表しているデータで追跡すると、金価格が同日価格より5.4%低かった1月2日以来の高水準に過ぎず、12ヶ月または5年間の平均をわずかに上回ったに過ぎませんでした。
 
コメックスの金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジション 出典元 ブリオンボールト
 
 
その過去1年間の平均を40.3%上回る先週のマネージドマネーのネットロングは、過去5年間の平均を14.3%上回るだけで、2019年9月の直近のピークポジションの半分以下に過ぎませんでした。
 
その当時、金価格は米中貿易関係や英国のブレグジット後の交渉への懸念の中、現在の高値を30%下回る1520ドルで取引されていました。
 
日本貴金属マーケット市場協会の池水雄一代表理事は、「コメックスの投機的買いが火曜日までの上昇の背景にあり、先週のさらなる価格上昇は、火曜日から金曜日までのさらなる買いを意味することは間違いない」と 最新のノートで述べていました。
 
コメックスの投機とは対照的に、金を裏付けとするETF信託ファンドは先週も縮小を続け、SPDRゴールドシェア(NYSEArca: GLD)とiShareゴールド(NYSEArca: IAU)が共に残高を減少させ、それぞれ10週と6週連続で週間の減少を記録し、コロナ危機以前の低い水準へと減少させていました。
 
「金ETFの大半を占める欧米の投資家が金売りから金買いに転じた場合、金ラリーはまだ終わっていないと考えた方がよいでしょう。」と池水代表理事は続けていました。
 
「金は調整が必要です」と米証券会社のStoneX IncのRhona O'Connell氏は警告しています。「(特に)この上昇のかなりの部分が、ショートカバー、モメンタム取引、バンドワゴン効果によってもたらされたことを考えると」と述べて次のように結論付けていました。
 
「勢いが衰えれば、調整が予想される」
 
米国商品先物取引委員会(CFTC)の最新データでは、投機筋は銀に対するネットの強気ポジションを9週間ぶりの高水準に引き上げ、前週のネットショートを逆転させていました。
 
銀価格は先週7.8%上昇し、今年に入ってからは3%近く上昇していますが、本日はトロイオンスあたり24.30ドルと前週達した今年の最高値を少し下回る水準で推移していました。
 
一方、欧米株式市場は2営業日連続で下落しましたが、貴金属の最大の消費市場である中国の金相場は1gあたり507円と6営業日連続で史上最高値を更新する中で、本日発表された同国の消費者物価指数が4か月ぶりに上昇に転じたことを好感し、中国株式は上昇して引けていました。
 
英国ポンドとユーロ建てで取引される金は前週の上昇基調を一服させ、1700ポンドと2000ユーロを上回る金曜の史上最高値前後で安定して推移していました。
 
一方、ビットコインは史上初の71,000ドル超えを本日記録し、6営業日連続で上昇し、今年の上昇率は約70%に達していました。 
 
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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