金市場ニュース

金価格ディリーレポート(2023年10月9日)ハマス・イスラエル戦争で地政学的懸念が高まり、金価格は1週間ぶりの高値をつける

月曜日金相場は、土曜日のハマスによるイスラエルでの残虐行為により紛争拡大への懸念が高まり、1%以上急騰して7ヶ月ぶりの安値からの金曜の上げ幅を広げていました。また、その間原油価格もまた5%と急騰したものの、ロンドン昼過ぎにその上げ幅を削っていました。
 
イスラム過激派グループハマスは、先週土曜日に何千発ものロケット弾をユダヤ国家に向けて発射した後に奇襲攻撃でガザからイスラエル南部に突入し700人以上を殺害していました。
 
それを受けて、イスラエルは正式に宣戦布告し、ガザへの大規模な砲撃で応戦し、またイランの支援を受けたヒズボラ過激派がイスラエルに向けて迫撃砲を発射したため、日曜日にはレバノンの標的も攻撃していました。
 
スイスの精錬・金融グループMKSパンプの貴金属くストラテジストのNicky Shields氏の最新のレポートでは、「地政学的リスクが再び高まっているため、原油と金は伝統的な安全資産の需要増で上昇するはずだ。」と述べた上で、しかし金の地政学リスクによる上昇は通常長続きはしないとも週末に分析していました。
 
ドル建て金相場は、今朝のアジア市場の開始とともに、金曜の25ドルの上昇を繰り返して、トロイオンスあたり1855ドルと1週間ぶりの高値をつけた後に、ロンドン時間昼過ぎに4ドル上げ幅を削っていました。
 
通常安全資産として見られる米国債の取引は、本日がコロンブス・デーの祝日のため休場となっています。
 
一週間のドル建て金価格の推移 出典元 ブリオンボールト
 
ある資産運用会社のチーフ・エコノミストは、「これが巨大な市場の瞬間となるかどうかは、(暴力が)いつまで続くか、そして他国が紛争に巻き込まれるかどうかにかかっている」と述べていました。
 
ユダヤ国家はハマスとの「長く困難な」紛争に直面していると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は土曜日に述べていました。 
 
ジョー・バイデン米大統領は、ホワイトハウスのロイズ・オースティン国防長官が米海軍の艦船や軍用機をイスラエル沿岸部に接近させるよう指示する中、「 今後数日間、さらに多くの支援を行う」と電話で約束していました。
 
しかし、イランのエブラヒム・ライシ大統領は、「シオニスト政権とその支持者は、この地域の国々の 安全を危険にさらした責任がある」と主張し、「パレスチナ国家の正当な防衛を支持する」と付け加えていました。
 
月曜の取引開始時に金価格が上昇したように、原油価格は5%も急騰し、ブレント原油は1バレルあたり89ドルに達した後、87ドルをわずかに下回る水準まで値を戻していました。
 
世界の株式市場は下落し、欧州のストックス600指数は0.2%下落し、米国の株式先物も下げる方向である中、ドルや日本円が上昇し、イスラエル中銀が公開市場で自国通貨シェケル防衛のために最大300億ドルの外貨を売却すると発表した後、イスラエル通貨は当初の3%から下げ幅を削ったものの、2.5%下落と8年ぶりの安値となっっていました。
 
ユーロ建てと英ポンド建ての金価格はそれぞれ1.6%と1.5%急騰し、トロイオンスあたり1758ユーロと1520ポンドを上回り、1週間ぶりの高値をつけていました。
 
金地金の第一の消費市場である中国の金価格も、上海黄金交易所(SGE)がゴールデンウィークの休暇を終えて再開したことから上昇し、世界の金地金市場の取引と保管ネットワークの中心であるロンドンからの新規金輸入のインセンティブは、トロイオンスあたり88ドルまで上昇していました。
 
このプレミアムは、中国の中央銀行が消費者と投資家の需要の高まりに直面し、新たな輸入許可を発行することを拒否した9月のSGEの記録的な取引で初めて到達した高値でした。
 
また、週末のデータによると、人民銀行は9月に9ヶ月連続で金準備を増加させ、さらに26トン増で、公的に報告された中国の人民銀行の金準備高は2,192トンとなっていました。
 
工業用需要が年間需要の60%近くを占めている 銀価格は、市場明けにと同時にトロイオンスあたり22ドルまで急騰した後に、ロンドン昼過ぎには21.62ドルとほぼ前週末終値まで値を戻していました。
 
投資顧問会社のチーフ・インベストメント・オフィサーは、すでに米国議会はロシアのウクライナ侵攻に対する経済と軍的サポートで物別れしており、先週共和党の強硬派が民主党の反対派と協力して、ケビン・マッカーシー氏を下院議長を解任する中で、 さらなる予算閉鎖が迫っていることからも、「(中東で)米国の決意と防衛能力を必要とする、より爆発的な状況が発生することを非常に心配している」と述べていました。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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