金市場ニュース

金の役割を見直す良い機会

初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、先週の金価格暴落の背景を解説し、金投資へのスタンスについて提言しています。この記事は、同サイトに先週(4月19日)に掲載されたものです。

先週末から、ブラックマンデー時のような集団心理が金市場に働いているようです。二日間で200ドルもの暴落を助長したのは、コンピュータプログラムによる売買でしょう。

売りの主体はレバレッジのかかった先物ゆえ価格に与える短期的なインパクトは圧倒的です。けれど、いずれ冷静さを取り戻すでしょう。

ただし、今回のまるで大洪水のような暴落で痛手を被った向きも多いことでしょうから、立ち直りに少し時間はかかるかも知れません。十年後、二十年後の年金支給額減額に備えて金の購入を考えている現物長期保有派には、久しぶりの買い場到来と言って良いでしょう。

実際、そう考えた日本人は多かったようで、急落二日目の店頭は購入一色だったとか。レバレッジ病にかかった欧米の先物派と、ノンレバレッジの日本・アジアの現物派は、今回もまるきり正反対の動きを示しました。

欧州の個人も現物購入に動いたそうですから、売っているのは欧米のファンド勢ですね。彼らは今年初めからgold etfも売っています。ファンドは売り、草の根は買い、です。

これで売りの波が終息したとは思いませんし、まだしばらく下値模索が続くでしょうが、金の役割を見直す良い機会かなとは思います。

これまで金読本でも度々お話してきましたが、金はもともと資産における脇役です。将来の万一に備えて保有するヘッジ資産です。金保有は資産の1割と言われる所以です。

ところが、リーマン・ショック後の急騰を見て、いつのまにか投資という舞台のど真ん中に引っ張りだされたのが金でした。その結果いつのまにか金本来の役割が忘れられ、金投資で手っ取り早く儲けようなどと考える向きが増えていた昨今ではありました。最右翼が欧米ファンド勢だったかも知れません。

金はあくまでも万一の保険として持つ資産。その金にレバレッジをかけて取引するのは、金の役割を無視した持ち方だろうと思います。

一般庶民は、金にはレバレッジをかけずに、現物を取引するのが基本です。現物であれば、価格が急騰しようが、急落しようが、慌てることはありませんから。

あらためて、何のために金を買うのか、それぞれが見直す良い機会だと思う次第です。

以前にもお話しましたが、ここに再録します。いまの日本人にとって金を保有する意味は、およそ三つに集約されるだろうと思います。

1. 将来のインフレに対するヘッジ

2. 将来の年金減額に対するヘッジ

3. 将来の超・円安に対するヘッジ

ここにもうひとつ付け加えるとしたら、子供や孫への資産の継承手段、でしょうか。

そして、あえて時間軸で言うならば、十年後、二十年後、三十年後をターゲットとして位置づけておくことです。

本日はここまで。

(追記)

日本時間の20日早朝に発表されたNY金先物の取組みによると、ロングが2トン増加、ショートが27トン減少。大きな変化は見られませんでした。今回の売りの主体は、NY金先物と書きましたが、申し訳ない、間違いでした。ファンドによりGold Etfの売りが今回の急落の主因だったようです。

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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。

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