金とプラチナの合わせ持ち
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、昨今の金市場の動向を解説した上で、今後金とプラチナを合わせ持つ可能性について提言しています。

さてさて、相変わらず金が売られています。(円建てでは分かりにく話しでしょうが)レバレッジの効いた先物市場では売りが優勢、長期投資の指標と目されてきた金ETFの残高も、今年に入って緩やかながら減少しています。
その背景に何があるのかと言えば、ひとえに米国経済指標の改善でしょう。
金とドルとの関係は、長期のスパンで見れば、反対の値動きをする傾向にありますから、米国経済指標が改善しつつある現在は、金は売られやすい環境にあるということです。
利回りを求めて資金が移動し始めたわけです。
しかし、4年半前のリーマンショック以降、金を買い続けている主体はどこかといえば、欧米のマーケット感覚とは異なる動きをするアジア中東、なかでもインドであり中国です。そしてもうひとつが新興国の中央銀行です。
欧米が売りに傾いて割安になった頃合いで、彼らが買い始めることは日常茶飯事です。結果、金は西から東へと移動を続けており、少しずつ蓄積するプロセスにあります。ですから、金の時代は終った、などと、早合点はしない方が良いだろうと思います。
さて、金とプラチナの話をしようと思いつつ、ついついマクラが長くなってしまいました。
なぜいまプラチナの話をするのかといえば、仮に米国景気がこのまま順調な回復を続け、世界各地に好循環をもたらすことになれば、景気敏感メタルとも呼ばれるプラチナが動き始めるだろうと見られているからです。
金には通貨と宝飾品という二つの顔があります。好景気の時代には宝飾品の顔が前面に出て、不安の時代には通貨の顔が出る傾向があります。金価格が2001年から上昇トレンドにあるのは、それだけ世界的に不安感あるいは不信感が高まっていることの現れと見ることも出来ます。
一方のプラチナは、最近こそETF組成によって、あらたな投資資金が入って来てはいるものの、基本は工業品としての色合いが強い貴金属です。自動車排ガス触媒用途が需要の過半を占めており、価格は景気に大きく左右される傾向にあります。
生産供給地についても大きな違いがあります。金は稀少とはいえ世界各地で採掘されるのに対し、プラチナは南アとロシアの二カ国に偏っています。またプラチナ市場は金の1/20ということもあり、その価格は時に大きく振れやすい傾向があります。
それかあらぬか、資源争奪戦が激化する昨今、先日の海外報道によれば、ロシアが南アに接近し、中東の石油輸出国機構に倣って、二カ国間でのプラチナ輸出国機構創設を探り始めた模様で、今後の成行きに大きな関心が注がれてもいます。
金とプラチナは同じ貴金属ではありながら、それぞれの値動きには大きな違いが見られます。相互のリスクを補い合う効果も期待できますから、合わせ持つことも一つの考え方ではあります。
ただし、投機筋が供給不安などを囃し立てて、個人投資家を唆すこともよく知られていますから、とくに短期の取引には、十分な注意が必要です。手がけるのであれば、冷静に、長い目で、現物を。
参考までに金とプラチナのチャートを最後に掲載しておきます。
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