追加緩和をめぐる感想
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、9月に米国FRBが打ち出した量的緩和第3弾についての感想として、その背景を解説しています。なお、この記事は9月14日に同サイトで掲載されたものです。

今回は予定を替えて、ちょいと寄り道します。
大方の予想通り、米国FRBは追加緩和に動きました。住宅ローン担保証券を毎月400億ドルずつ買取ることで市場にドルを供給するという手法です。終了期限はとくに設けられておらず、雇用が著しい改善を示すまで、ということです。異常なほどの規模に膨らみそうな点がサプライズです。
家計に占める株式・投資信託・債券の割合がおよそ5割にのぼる米国においては、追加緩和が金融市場に及ぼす影響は大きく、消費を強く刺激する効果が期待されるところです。株価が上がり、家計の懐が温まり、カネ回りが良くなり、景気が上向き、雇用が改善される、、、という政策アプローチなのだろうと思われます。
これは明らかにプラスの側面と言えるでしょう。けれど、もちろんマイナスの側面もあります。
先日の「サブプライムショックの後遺症」でもごくごく簡単にお話したように、米国では地方銀行の破綻が終息してはいません。地方自治体の財政悪化も進行中です。マネーの血管ともいえる地方銀行がやられ、中小零細企業への貸渋りも続いていることでしょう。
追加緩和が実施され金融市場が沸き立っても、たとえ一時的に消費が上向いたとしても、実体経済の回復には相当の時間を要すると思われます。追加緩和が雇用改善に繋がると考えるのは、少し楽観的に過ぎるのではないかと思われます。
もっと気になることは、ドルの価値毀損です。過剰に供給されればドルに限らず価値は下がります。ドルはプリントできる、金現物はプリントできない。その点にますますスポットが当たりそうな気がします。
以上、今朝のニュースを知った時の感想です。
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