金市場ニュース

紙幣は増発できるけれど

初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、昨今株価指数が史上最高値を更新する背景を解説し、金購入の意味を再度問いかけています。

昨年秋からの金価格下落を誘っているのは、米国経済指標の改善によるものと思われます。実体経済回復による改善ならば良いのですが、金融当局による巨大な量的緩和の結果、株価が上昇し不動産市況が支えられています。

ついでに言えば株価が上昇することで、上場企業の財務諸表も改善するはずですし、その財務諸表の改善を通じて、また、株価が上昇するというパターンでしょう。

原動力は量的緩和と見て間違いありません。

ここで量的緩和についておさらいをすると、金融当局が何らかの資産を市場から買い入れ、対価としてドルを供給するということです。

では米国の金融当局FRBが買い込んだ資産にどんなものがあるかと言えば、期間の長い米国債不動産担保証券などです。

そして供給されたドルがどれほどかといえば、リーマンショック前の供給量が(*1)8,757億ドル、それから4年半が経過した現在(2013年4月)は、すでに3兆ドルを突破してなお増加しています

大盤振る舞い、ここに極まれり。

それがあればこそ長期金利が低く抑えられ、落ち込んだ不動産市況に恢復の兆しが現れ、株式市場にも潤沢なマネーが入っています。

ところで、ここに至って、いくらなんでもドルの増発が過ぎてやしませんか?という声があちこちから出始めています。ドルの価値の希薄化を心配するだけでなく、金融当局そのものに対する信用不安が懸念され始めているのかも知れません。

それでも金融当局は緩和を続けていますが、仮に将来、緩和解除ということになれば、これまで買い込んだ資産を、今度は市場に売り払うことでドルを吸収することになります。しかし、買い込んだ資産はあまりに巨大ゆえ、市場がスムーズに吸収できるかどうか、そこに大きな疑問符が付かざるを得ません。

国債や証券がうまく捌けなければ価格が下落、長期金利が急騰する懸念が生じますし、不動産市況にも悪影響が及ぶ可能性があります。株式市場とて安泰とは言えないでしょう。

新興国中央銀行が積極的に金購入に積極的な理由の一つはここにあるのでしょう。

そして、日本の金融当局である日本銀行も、米国の後を追うべく量的緩和をスタートしました。うまくことが運んでくれれば良いのですが、うまく行かない可能性ももちろんあり得ます。

ドルの将来も、円の将来も、安泰とは言えない、それなりの準備をしておいても良かろうと、思い始めている個人が増えている気がします。

金は紙幣のようには増発することができません。ゆえに、先日のように価格が下がったところでは、世界中に買い手が現れることになるわけです。

少なくとも、世界的に量的緩和が続く限り、価格が大きく下げたら、金現物は買い。今回の草の根の動きが示してくれた教訓です。

本日はここまで。

*1 マネタリー・ベース

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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。

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