利益なのか資産なのか
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、株価指数が史上最高値を記録する中、金投資へのスタンスについて提言しています。なお、この記事は5月10日に先のサイトで掲載されたものです。


とうとうドル円が100円の大台に乗りました。ゆるやかな円安の流れが続きそうですから、為替が円建て金価格の下支え役となってくれます。
今日のお題は、「利益なのか資産なのか」です。利益と資産、どちらに重心をかけるかによって、自ずと選択する取引方法も異なるはずですから、スタンスをきちんと決めておくことは大切です。
マーケットに従事するプロフェッショナルたちは、それぞれ利益を追い求める役目を負っています。なにはとまれ期間利益の最大化が彼らの仕事で、その期間利益の多寡によって評価が定まり、収入も決まるわけですから、当然のことでしょう。
個人としてどのような長期展望を抱いていようとも、こと現場で見渡している「期間」というのは、せいぜい3ヶ月、半年ではないでしょうか。値動きが激しくなれば瞬時の判断も求められます。
レバレッジをかけて利益の最大化を図るため、必然的にリスクも大きくなる訳ですから、どうしたって短期取引にならざるを得ません。そんな彼らの主戦場はといえば、先物市場です。
彼らの重心は利益にあって資産にはありません。彼らが売買しているのは金ではなく金価格です。
では、アマチュアの一般個人の場合はどうでしょう。マーケットの情報の質や量で、取引経験の厚みで、さらにいえば取引を支えるITインフラ面で、どう贔屓目に見ても間違いなくプロには及びません。
どんな領域にも当てはまるだろうと思いますが、アマはプロには逆立ちしても勝てないものです。フロックで何度か勝てても通算では勝てません。稀に例外的な存在もいないわけではありませんが、それはあくまで例外と考えておくのが正解です。
しかし、アマにもプロに勝るものが一つあります。プロが逆立ちしても手にすることができないもの、それがなにかといえば、決済期限のない時間です。金取引を生業としないアマ、つまり一般個人は、半年や一年で利益を出す必要に迫られません。
金現物を「資産」として保有するという行為は、決済期限を持たないアマにこそ相応しい芸当です。その唯一プロに勝る「時間」という武器を捨てて、短期取引に走るのは、じつに勿体ないことです。
将来もしも困ったことがあれば売れば良し。老後にコツコツ売って楽しむのも良し。そして仮に安値に沈んでいたら孫に残せば良し。ゆったり構えて付き合っていきましょう。
本日はここまで。
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