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初めて金投資を行う女性投資家がコロナ危機以来116%増

「長期的に信頼できる投資」を理由に女性投資家数が男性投資家の4倍の伸びをみせています。
 
「コロナ危機以来、全てが変わりました。」
 
これは、2020年からブリオンボールトを利用しているある女性投資家が、金地金への投資を始める決断をしたときの説明でした。
 
このような見解を持っているのは彼女は一人ではありません。4年前のコロナの大流行以来、金地金を購入する女性投資家の増加には目を見張るものがあります。
 
この傾向は世界的であり、加速しています。
 

新規貴金属投資家に占める女性の割合

 

出典元: ブリオンボールト

 

コロナ危機では、投資のために金を購入する人が記録的な水準に増加していました。その後、全体的に増加のペースは緩やかになったものの、新規購入者のうち女性が占める割合は増加し続けています。

 
実際、コロナ危機が始まった2020年以降、ブリオンボールトのオンライン市場を利用して金地金を購入する女性の数は、それ以前の4年間と比較して116%増加しています。これは、世界全体で28%である男性投資家の新規利用者数の伸びを4倍以上上回っています。
 
上の表のデータが示すように、女性が金地金に投資する傾向は、ブリオンボールトの主要市場で起こっています。
 
過去4年間、パンデミックと過去40年間で最悪のインフレ、ロシアのウクライナ侵攻、米国における地域銀行懸念と破綻の再発、そして今、ハマスとイスラエルの戦争が紅海に波及している中、ブリオンボールトは、2016年から2019年にかけての新規顧客の17%以下であった女性投資家が、全世界の新規顧客の25%以上を占めるようになりました。そして、2023年に限ると、この数字は29%に上昇しています。
 
この4年間の変化は、世界金融危機の時よりも、女性対男性の金投資家の割合がはるかに大きくなったことを意味し、コロナ危機以前の期間とも大きく対照的となっています。
 
つまり、これまでの2020年代とは何かが変わってきているのです。15年前にノーザン・ロックやリーマンが破綻した時、10年前にユーロ圏の債務危機が単一通貨を暴落させる恐れがあった時、2016年にブレグジット、そしてトランプが英米の政治を揺るがし、移民危機がEUを揺るがし続けた時にはしなかったような方法で、女性投資家は今、金を買うことを選択しているのです。
 
この傾向は他の投資や資産クラスにも見られるのでしょうか?2021年に行われた証券会社およびファンド運用会社フィデリティの調査によると、米国では女性の3分の2が職場の退職金積立プランに上乗せして投資しており、3年前の2分の1以下から増加しています。また、その調査に答えた女性の半数は、2020年のパンデミックが起きて以降「投資に興味を持つようになった」と答えています。
 
しかし、ブリオンボールトでは、市場調査による顧客からの回答ではなく、実際に投資を行った顧客のデータによって、その傾向が示されています。これは、経済が低迷し、他の資産が不調になった際に、全ての投資家や貯蓄者の間で魅力を増す傾向にある「安全資産」の投資への配分が急増したことを意味します。
 
もちろん、金融関連投資の決断を下すには個人的な理由があるでしょう。しかし、ブリオンボールトの女性顧客は、金地金を選んだ理由を尋ねられると、次のような言葉を繰り返しています。
 
  • 政府、中央銀行、金融業界、社会・経済システムに対する「不信感」
  • 生活費における「インフレ」、通貨の「価値の減少」、「通貨切り下げ」への懸念
  • 欧米経済が直面している「持続不可能な債務」
  •  他の投資を「分散」させ、全体的にリスクを分散させたい、特に株式に対して
  • 「不確実性」と「危機」
このような課題に対して、パンデミックの開始以来ブリオンボールトを利用して金投資を行っている女性投資家は、貴金属が 「安全性・・・安定性・・・保護・・・価値の保存」を提供すると述べています。
 
男性投資家は、金地金について異なる見方をしたり、他の言葉を使ったりするのでしょうか?私たちの経験では、そうではありません。ブリオンボールトの男性顧客も、同じ問題や懸念を抱いています。しかしながら、過去4年間、金地金を購入する男性の数は、女性の数ほど急増していません。
 
過去20年間のドル建て金価格のチャート 出典元 ブリオンボールト
 
歴史上のどの時代も、激動とまではいかなくても、不確実性を感じていたことは間違いないでしょう。
 
しかし、2020年代は、世界中の政府が平時のどの時代よりも突発的で積極的な介入を私たちの個人生活や経済生活に課すことから始まりました。そして今、この10年間は、経済、個人的な財政、投資市場、社会的結束、政治的秩序に対して、かつてないほどの大きな変化と衝撃を与え続けています。
 
ブリオンボールトを利用する女性投資家は、このような不確実性が、投資先を多様化し、リスクを分散させ、退職後の貯蓄を金地金のような投資先で行う原動力となっていると述べています。
 

 

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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