世界金需給2012年の動向(3)~中央銀行の動き~
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、前回、前々回に続き、世界金需給2012年の動向の最終回として、中央銀行の動きに注目し解説しています。

大海に浮かぶ小舟のごとき、キプロス共和国。この小国は、古代オリエントの時代から、地中海貿易の中継地として栄えたようですが、それかあらぬか、昔から大国の利害に強く翻弄される運命を背負っているようです。
こうして対岸の火事と眺めている、われわれとて、米中ロという大国の狭間に位置する島国ゆえ、10年後、おなじ運命を辿らないとは限りませんが。
さて、余談はさておき本題に移ります。「世界金需要2012年の動向」の3回目として各国中央銀行の金準備について紹介します。
前回お話したように、各国中央銀行の金準備は、昨年2012年に534.6トン純増しています。前年が456.8トンでしたから、17%の増加です。
各国中央銀行といえば、じつは、1990年代よりつい数年前まで、金の最大の売り手でした。売却量は毎年500トン前後に及んでいましたから、姿勢が180度転換していることが分かります。
しかも中央銀行は短期投機家ではありませんから、買われた金は準備資産として長期保有されます。金市場の需給構造に与えるインパクトは絶大です。
2012年の金購入国として挙がっているのは、ロシア、カザフスタン、ベラルーシ、トルコ、イラク、そしてブラジル、メキシコ、などです。
ここで押さえておきたい第一のポイントは、ロシア、カザフスタン、ベラルーシなどCISの動き。なかでもロシアは、毎月コツコツと購入し続け、2007年から6年間で550トン積み増しています。ドル、ユーロに偏っていた外貨準備資産の戦略的な分散という方針に基づいた動きでしょう。
そしてもうひとつ目につくのが、南米諸国の動き。あらためて過去のデータに当たってみると、ボリビアの名前が2010年下半期から出現しています。そして昨年からメキシコ、ブラジルが買い始めました。金準備増強ではアジア、中東が先行していましたが、南米もとうとう腰を上げたかな、という印象です。
直近の金準備の増減リストを掲載しておきます。欧州勢の売却が2008年の下半期から下火になり、新興国の購入が増加してきているのが分かります。サブプライム・ショックを契機にして、需給構造が変わったとされる所以でもあります。
では、またお会いしましょう。
(データ出典) World Gold Council
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