ニュースレター(5月16日)1291.50ドル 銀のロンドンフィキシングの終了が発表される
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1291.50ドルと前週同価格から25セント上げ、ほぼ同水準となりました。
週明け月曜日は、アジア時間早朝の下げの反発から金価格は上昇する中、1285ドル辺りに位置する100日移動平均線と1298ドル近辺の200日移動平均線を超え、1300ドルを超えることとなりました。
同日は、週末行われた新ロシア派によるウクライナ東部2週の独立を問う住民投票は独立賛成が多数を占め、ウクライナ情勢の不透明感が高まったこと、中国のファイナンス規模が市場予想を上回ったこと、インドの総選挙で、その首相候補が金輸入規制緩和の可能性に言及している、世論調査でリードしている最大野党が勝利する可能性が高まったことなども、価格をサポートした模様です。
翌火曜日は、米株価が史上最高記録を更新する中、米国の4月小売売上高などの指標が予想を下回り、また「ドイツ連邦銀行が、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和を支持」とのニュースが伝えられる中、トロイオンスあたり1295ドルと上昇したものの、金価格は狭いレンジの取引となりまいた。
水曜日は、ロンドン早朝に、銀の世界指標であるロンドン・フィキシングが8月14日で終了することが発表され、銀のフィキシング価格が過去5週間の最高値である、トロイオンスあたり19.87ドルと前日同価格から2.2%上げ、一時20ドルへ2セント及ばない19.98ドルまで上げる事となりました。この間、金価格もトロイオンス辺り1309ドルまで上昇することとなりました。この銀のフィキシング終了に関する詳細は「銀の値決め(ロンドン・フィキシング)が8月14日に終了」をご覧ください。
木曜日は、米主要経済指標に反応して金価格が動くこととなりました。
まず、週次新規失業保険申請件数が29万7千件と2007年5月以来の低い水準となったこと、ニューヨーク連銀製造業景気指数もまた、19.01と前回の1.29と予想の6.00を大幅に上回ったことから、金価格はトロイオンスあたり15ドルほど下げることとなりました。その後発表された4月鉱工業生産が0.6%減少と前回の0.9増加から一転したこと、5月フィラデルフィア連銀景況指数が前回を下回ったことなどから、価格を戻したものの再び押し下げられることとなり、前日比は下げることとなりました。
金曜日は、緩やかに価格を下げる中、ロンドン時間午後に発表された米主要経済指標の4月住宅着工件数が108万件と、2008年7月以来の高水準となったことから金価格は下げることとなりました。
他の市場のニュース
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月曜日に金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアの残高が2トン減少し、780トンと2009年1月の水準へと下げたこと。 -
今週月曜日が投票最終日であったインドの総選挙の結果、インドの金輸入規制緩和の可能性を過去のインタビューで答えているナレンドラ・モディ氏が率いる最大野党のインド自民党(BJP)を中心とする野党連合が、過半数を獲得したと報 道されたこと。 -
CMEがボラティリティーが2013年の価格の急落前に戻ったことから、マージンを引き下げたこと。
ブリオンボールトニュース
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールトリサーチ部門の「銀の値決め(ロンドン・フィキシング)が8月14日に終了」、「2013年の銀価格の下げで、銀投資が記録的水準に増加しリサイクルは減少」 -
スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏の「GFMS Platinum & Palladium Survey 2014」
今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週英国では、英国を代表する製薬会社アストラゼネカへの米製薬大手ファイザーの買収提案に対し、英国下院の企業経営委員会が、13日両社のトップを呼んで公聴会を開いたこと、またこの買収における懸念等がメディアで取り上げられています。
英国における製薬業界は、金融業界同様に世界的にも成功を収めており、英国の経済へ大きく貢献しています。そのため、同社の雇用者とR&D部門が、この買収によりカットされることへの懸念が高まっています。
資本主義下の開かれた市場が理念である保守党にしても、国内における懸念などから、来年の総選挙を前に何らかの行動を起こさざるを得なかったようです。
ロールスロイスがドイツのVW社に買収されるなど、かつて力を持っていた英自動車会社の全てが、英国企業ではなくなっています。そのために、英国人にとって、製造業の中でも限られた大手英国企業を他国企業に買収されるのは、感情的に許せないものがあるようです。
英国の利益を守ることを望む多くのイギリス国民に対し、資本主義(Capitalizm)という言葉が生まれた地で、開かれた市場を提言してきた英国保守党や経済界が、どのような結論を出すのか興味深いものがあります。