金市場ニュース

ニュースレター(2020年3月6日)FRBの緊急利下げと良好な米雇用統計後も株価は下げ、金相場は週間で上昇

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1684.76ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から4.7%上げています。また銀価格は、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり17.38ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から1.1%上昇しています。そして、プラチナは本日午後3時の弊社チャート上では902.17ドルと前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から3.6%上げています。

今週は新型コロナウイルス感染拡大への懸念が広がる中で、米FRBが緊急利下げを行ったものの市場の動揺は消えず、米国債10年物の利回りが一時0.7%を割る市場最低値を付ける中で、金相場は再びドル建てで7年ぶりの高さへと上昇し、良好な雇用統計でも下げる株価で下げたものの、前週比上げで終えることとなりそうです。それでは、日々の動きを追ってみましょう。

前週金曜日は株価の急落のマージンコール等で、大きく売り込まれて同様に急落した金相場でしたが、金曜日のパウエルFRB総裁の利下げを示唆するコメント、月曜日アジア時間始まりの日銀黒田総裁の同様の緩和政策示唆の発表等で、午前中は株価とともに上昇していました。

その後OECDの新型コロナウィルス感染拡大の収束の遅れが経済成長を半減するという発表や、米国での感染拡大の警戒などで再び株価の下げもあり頭を抑えられていた模様で、金相場は先週終値を多少上げる1591ドルで終えていました。

火曜日金相場はFRBの緊急利下げ後トロイオンスあたり1651ドルまで一時上昇するなど、強い動きをすることになりました。

この発表を受けて株価も一時上昇したものの、0.50%と大きめの利下げに踏み切ったことで、実際に景気が悪化した際の政策手段が限られるという見方、また新型コロナウイルスの感染収束に時間を要する、そのために経済への悪影響も更に広がる懸念もあり、その後米株価指数は揃って下げて、資金逃避先の米国債の価格は下げ、利回りは10年物で1.035%へと市場最低値を付けていました。

水曜日金相場は、世界株価が全般落ち着きを取り戻す中で、前日のFRBによる利下げ発表後大きく上げた水準からは下げたものの、前週終値からは3.3%上げのトロイオンスあたり1638ドルで終えていました。

株価上昇の背景は、前日のFRBの利下げに続いて各国政府が景気刺激策を導入するという期待と、大統領選の民主党候補争いで注目されていた予備選が集中する前日のスーパーチューズデーで、急進左派のサンダース上院議員を抑えてバイデン前副大統領が躍進したことが好感されたこと、米雇用統計の先行指標のADP全国雇用者数とISM非製造業景況指数が共に予想を上回る好調なものであったこと等からでした。

木曜日金相場はトロイオンスあたり1674ドルと先週月曜日の7年ぶりの高さ以来の高水準へと上昇していました。

この背景は同日再び世界株価が新型コロナウイルス感染の拡大とそれによる経済への悪影響で主要企業が業績悪化予測を発表していることからも、業績下振れ懸念が高まっていたことからでした。

金曜日は市場注目の雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は予想の17.5万人を上回る27.3万人で、前回数値22.5万人は27.3万人へと上方修正されています。また失業率も前回と予想の3.6%から3.5%へと下げていたことで、金相場はトロイオンスあたり15ドルほど下げたものの、過去のデータということで下げ幅を取り戻していました。

その後VIXが高まる等市場の緊張が高まり、一時トロイオンスあたり1648ドルまで下げて、ロンドン午後4時半の段階で1670ドルを割った水準で推移しています。

 

その他の市場のニュ―ス


  • 本日金曜日に安全資産と見られている米国債10年物の利回りが0.7%を一時割るなど市場最低値を付けていたこと。そして日本円も対ドル105円台まで強含み、米中貿易戦争渦中の昨年8月の水準へ円高が進んだこと。

  • 恐怖指数と呼ばれるVIXが金曜日49を超えてリーマンショック以来の高さへ上昇していること。

  • FRBが今週緊急利下げを行った後、金曜日の段階で今月3月18日のFO MCでの金利予想はFEDWatchでは、利下げが100%予想されており、50ベーシスポイントカットは85%を超えて、25ベーシスポイントは10%強となっていること。

  • OPEC+の合意が行われなかったことで、原油価格が本日ブレントとWTIが共に3%を超えて下落していること。

  • コメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週25日に貴金属相場が前日の上げの調整で下げる中で、金を除き全ての貴金属で減少していたこと。

  • コメックス金の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは前週比0.27%増の886トンと3週間連続で増加し、2019年9月24日以来の高さとなっていたこと。

  • コメックス銀の先物・オプションのネットロングポジションは、前週比8.2減の10,999トンへと減少していたこと。

  • コメックスのプラチナ先物・オプションのネットロングポジションは、前週比25%減の53トンと4週連続で減少して12月10日以来の低さへと下げていたこと。

  • コメックスのパラジウム先物・オプションのネットロングポジションは、前週比22%減の14トンと8週連続で下げて昨年9月4日の低さとなっていたこと。

  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、木曜日までで週間で13.2トン増加し、8週連続で週間で上昇して2016年11月9日以来の高さとなっていたこと。

  • 金ETFの第2の規模のiShare Gold Trustの残高は、今週木曜日までに週間で5.41トン(1.43%)増で383トンと、史上最高値を再び更新していたこと。

  • 銀のETFとして最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週木曜日までで週間で1.69%減少していたこと。

  • 金銀比価は今週95台を昨日まで維持し、本日午前中には96を超えて29年ぶりの銀割安が進んでいること。

  • 今週上海黄金交易所(SGE)のプレミアムは、今週平均が-1.80と少なくとも昨年8月以来初めてマイナス値で最も低い数値となっていること。

  • コメックスの取引量は今週木曜日までの週平均量で前週比28%減少していたこと。しかし、先週の取引量は弊社が記録を付け始めた昨年8月からは最高となっていた水準比であること。

来週の主要イベント及び主要経済指標

来週も今週同様に新型コロナウイルスの感染関連、またその悪影響が主要国の経済活動に出ているようなニュースにも市場は敏感に反応することとなります。

経済指標及びイベントでは、木曜日のECBの政策金利発表は今週FRBが緊急利下げを行ったことからも、さらなる金融緩和に踏み切るのか等が注目されることとなります。

その他の主要経済指標では、月曜日に日本の第4四半期GDP、ドイツの鉱工業生産、火曜日の中国の消費物価指数、ユーロ圏の第4四半期GDP、水曜日の英国の鉱工業生産、米国の消費者物価指数、木曜日のユーロ圏鉱工業生産、米国の生産者物価指数と新規失業保険申請件数、金曜日のドイツ消費者物価指数、米国ミシガン大学消費者態度指数等となります。

ブリオンボールトニュース

弊社が毎月まとめています、弊社における金投資傾向を数値で表す金投資家インデックスの2月数値のプレスリリースが、日本語の金情報を網羅しているゴールドニュースで取り上げられていただいています。

【金投資家インデックス】英国投資家がスマートフォンで100万ポンド相当の金を購入

先月は新型コロナウイルス感染の世界的拡大やそれによる世界景気停滞懸念などからも、金価格がユーロやポンドなどの主要通貨建てで史上最高値を付ける中で、金需要が高まっていたこと、そして危機感が高まったことなどからもスマートフォンでの大規模な取引が行われたことも紹介しています。

また、今週も金相場が大きく動いたために、主要メディアで弊社リサーチダイレクターのエィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。

英主要日刊紙のテレグラフの「英国投資家がスマートフォンで100万ポンドの金を購入

ここでは、先週新型コロナウイルス感染の世界的拡大の懸念が高まる中で、弊社の顧客がスマートフォンで100万ポンド(1億4400万円)相当の金を購入したことが伝えられています。

米国主要経済サイトのCNBCの「金価格がモメンタムを増す中で、詐欺が横行

ここでは、金相場が7年ぶりの高値へと上昇することを伝えた上で、金に絡む詐欺が増えていることを伝え、エィドリアンは10年ほど前にこのように金相場が大きく上昇した際にも金に絡む詐欺が多発していたとし、その典型的なものが一般的な金貨をコレクターアイテムとして販売したり、金の保管に絡むものであったと述べ、下記のコメントを取り上げています。

「もし金の保管をする場合は、金が確かに保管されていることを確かめる必要があります。しかもその保管されている金が他の人のものでないことも証明されているべきです。」

そして、ブリオンボールトがオンラインで日々保管されている地金のリストを公開し、年に一度は試金業者が全ての地金を確認した上でそのレポートもオンラインで公開していることを紹介しています。

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

 ロンドン便り

今週も英国は新型コロナウイルスの話題がトップニュースですが、死者が1名出たことのショックウェーブが昨日は起きていましたが、まだ感染者数は増加しているものの163名と抑えられてはいるようです。

そのような中、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)の会員企業向け年次パーティーが火曜日に行われましたので、その様子をお伝えしましょう。

LBMAの年次パーティーは毎年3月に行われ、LBMA会員企業に勤める人々が1会員企業10名ほど参加しています。

これまでも、サーカス、クイズナイト、ボーリングや卓球トーナメント等と、毎年様々なエンターティメントが用意されていますが、今年はクレイジーゴルフというパターゴルフをいろいろな仕掛けの設定の中で行うというものでした。

仕事で関わっている人々と親交を深める良い機会ですが、今年は新型コロナウイルスの懸念もあったようで、通常よりも少ない参加者となっていました。

弊社のCEOロバート・グリンは総合で3位と良い成績を残すこともでき、市場が大きく揺れる中で忙しい日々が続いていますが、そのようなことも忘れて楽しい時間を過ごすことができました。

同日の様子を表す写真を添付いたします。

クレイジーゴルフ会場

大会3位のロバート・グリン(右から2番め)とLBMAのCEOのRuth Crowell氏(右)と2位のINTL FCstone LtdのAaron Harman氏

Baird & Co.のGoeorge Chrismas氏と

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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