金市場ニュース

ニュースレター(2020年2月7日)新型コロナウィルス感染拡大懸念後退で金は8週間ぶりに週間の下げへ

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1572.96ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から0.7%下げています。また銀価格は、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり17.77ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から0.6% 下げています。そして、プラチナは本日午後3時の弊社チャート上では969.13ドルと前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から1%上昇しています。

今週金相場は、新型コロナウィルス感染拡大の懸念が後退する中で、リスクオン基調が高まり世界株価が全般上昇し、主要米株価指数がそれぞれ史上最高値を更新する中で週半ばに2週間ぶりの低さへ下げていました。そのような中で、本日は長引く新型コロナウィルス感染拡大による経済への悪影響懸念が再浮上し、史上最高値の更新続ける株価への高値警戒感もあり株価が下げる中で、金相場は良好な米雇用統計発表後も堅調に推移しているものの、8週間ぶりの週間の下げをLBMA価格PM価格では記録することになりそうです。それでは、日々の動きを追ってみましょう。

月曜日は中国市場が春節明けで始まりましたが、先週までのコロナウイルス感染関連の世界市場の下げを引き継ぎ、株式、コモディティ、人民元が急落していました。

その様な中、中国人民建て金価格は上昇していたものの、英国ポンド建て以外のドル建てとユーロ建て金価格は日本円やスイスフランクや主要国債価格などの安全資産と共に下げていました。

これは、週末にこれまで以上の悪いニュースが伝えられていなかったことで、リスクオン基調になっていたこと、また中国人民銀行が市場の流動性を保つために公開市場操作で1兆2000億元を供給する政策等を予想外に行ったことからでした。

ちなみにロンドン時間昼過ぎにトロイオンスあたり1570ドルまで一時金価格が下げたのは、同日発表された米国のISM製造業景況指数とPMI製造業が予想を上回ったことでドルが強含んだことが要因でした。

火曜日金相場は、中国政府の積極的な対策で市場の不安心理が和らぐ中で、ドルが強含み、世界株価が上昇する中で、先週末から2.4%下回るトロイオンスあたり1550ドルまで大きく下げ、1555ドルで終えていました。

同日中国人民銀行は前日に続き金融市場に資金を供給し、さらにはプライムレートと預金準備率の引き下げも近く実施すると報じられていたことからも、上海株が反発し、世界株価も全般上昇していたこと等が、金を押し下げることとなりました。

水曜日金相場は、金融市場が前日の基調を受け継ぎリスクオンとなっていたことから、トロイオンスあたり1547ドルまで一時下げていました。

同日米国主要株価指数のS&P500種とナスダックが史上最高値を付けていた背景は、「中国の浙江大学の研究者が新型肺炎に効果的な治療薬を発見した」と伝えられたこと、英国の科学者がワクチン開発で大きく前進したとの報道、そして中国人民銀行が金融市場への巨額の資金供給に加え、預金準備率の引き下げなど追加緩和に動くとの観測も強まっていたことからでした。

そして、同日発表の金曜日の米雇用統計の先行指標であるADP全国雇用者数が前月比29万100人増と予想を上回っていたこと、そして米ISM非製造業景況感も良好であったことからも、リスクオンを進め金を押し下げることとなりました。

ちなみに同日世界保健機構(WHO)は先の新型肺炎の新薬発見に関しては否定していました。

木曜日金相場は、株式市場が前日に続き全般上昇する中で、トロイオンスあたり1565ドルと前日終値から0.5%上昇していました。

この株価の上げは、中国が米国製品への関税引き下げを14日からすることを発表したことを市場が好感し、Twitterなどの決算結果が押し上げたためですが、Citicorpなどはこの株高の状態に警告をしていることからも、同日金と国債などの安全資産も買われていました。

なお世界保健機構(WHO)は、同日新型コロナウィルスの感染状況について未だ収束に向かっていないとコメントしていました。

本日金曜日は、市場注目の米雇用者統計が発表され、非農業部門雇用者数が予想16万人を上回る22.5万人で、前回数値は14.7万人へ14.5万人から上方修正されていました。しかし、失業率は3.6%と前回と予想の3.5%からは悪化していました。

また、平均時給は前月比0.2%と前回の0.1%を上回ったものの、予想の0.3%を下回っていました。また、前年比では3.1%と前回2.9%及びその修正値と予想の3.0%を上回っていました。

この良好なデータの発表を受けて金相場はトロイオンスあたり4ドルほど下げたものの、その直後にはその下げ幅を取り戻し、ロンドン時間午後にはデータ発表前から若干上げて1571ドル前後を推移しています。

また、本日ユーロ建て金相場は、発表されたドイツの鉱工業生産データが、世界金融危機以来の下げ幅となったことで、ユーロが下げていることからも、今週の下げ幅をほぼ取り戻して上昇しています。

その他の市場のニュ―ス


  • 金業界のマーケティング団体のワールドゴールドカウンシルが、金ETFの残高が1月末時点で前月比61トン増の2946トンと3か月ぶりに過去最高を記録したと伝えたこと。この背景は米・イラン関係緊迫化と、新型コロナウィルス肺炎感染拡大としていること

  • 今週火曜日に原油価格はロンドン時間午前中に一時的に、中国政府が新型ウィルスの拡散を抑え込もうと、春節休暇の延長や人の移動を制限していることから経済活動が停滞し、中国の需要が20%下げていることからも、WTI原油価格がバレルあたり50ドルを13か月ぶりに割り、月初のピークから25%下げていたこと。

  • コメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先月28日に前日のコロナウィルスの肺炎感染株価の急落の反発で世界株価が上昇する中で、プラチナを除く全ての貴金属で減少していたこと。

  • コメックス金の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは前週比0.6%減の801トンと3週連続で下げていたこと。そして、この建玉は前週比下げているものの7週連続で100万枚を超えていること。

  • コメックス銀の先物・オプションのネットロングポジションは、前週比15.7%減の7,614トンと4週連続で減少していたこと。

  • コメックスのプラチナ先物・オプションのネットロングポジションは、前週比0.65%増の82.5トンと再び史上最高値の高さとなっていたこと。

  • コメックスのパラジウム先物・オプションのネットロングポジションは、前週比24.11%減の24トンと4週連続で下げていたこと。

  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、今週木曜日までに週間で11.7トン増で914.9トンと11月1日以来の高さとなっていたこと。

  • 金ETFの第2の規模のiShare Gold Trustの残高は、今週木曜日までに週間で3.24トン(0.87%)減で、368.7トンと史上最高値からは下げていたこと。

  • 銀のETFとして最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週木曜日までで週間で0.31%増加していること。

  • 金銀比価は今週継続して88台を推移していること。

  • 今週上海黄金交易所(SGE)のプレミアムは、月曜日に0.85そして本日0.31と記録的な低さへ下げ、今週平均が2.48と少なくとも昨年8月以来最も低い数値となっていること。

  • コメックスの取引量は今週木曜日までの週平均量で前週比25%減少していたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

来週もまた、新型コロナウィルス肺炎感染関連ニュースに市場は注目しますが、主要経済指標としては、火曜日と水曜日のパウエルFRB議長の議会証言で今後の金融政策や新型コロナウィルスの経済への悪影響などが言及されるかなども重要となります。

その他指標では、月曜日の中国の消費者と生産者物価指数、火曜日の英国の第4四半期GDPと鉱工業生産、水曜日のユーロ圏の鉱工業生産、木曜日のドイツと米国の消費者物価指数、金曜日のドイツとユーロ圏の第4四半期GDP、米国小売売上高と鉱工業生産とミシガン大学消費者態度指数等が重要となります。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週英国でも新型コロナウィルス感染拡大のニュースがトップで伝えられていましたが、今週は英国で伝えられていたEU離脱に関わる軽い話題をお届けしましょう。

それは、EUを国民投票後3年半をかけてやっと1月31日に離脱した英国ですが、この最後の大使級会合で、EU議長国のクロアチアのアンドラーシ常駐代表が、英国のバロウ駐EU大使へ別れのメッセージとして「Thank you, goodbye, and good riddance.(どうもありがとう。さようなら、そして、せいせいしました。」と、Good luckとGood riddanceが同義語と間違えて述べていたことが今週ファイナンシャルタイムズで伝えられていました。

英国側は、アンドラーシ常駐代表が意図せず発したことを理解して、笑って済ませたということですが、この記事ではEUの中の英国の47年間が「Lost in Translation (お互いの意思が十分に通じなかった)」であったことを物語るものだとも述べています。

EUの作業言語は英語とフランス語とドイツ語とのことですが、やはり英語の微妙なニュアンスの違いを十分に理解するのは、ヨーロピアンの人々にとっても難しいということなのでしょう。そしてさらに言えば、言語が違い文化が違う者同士が、本当に理解をしあうためには、お互いが心据えて理解しようという努力を続けなければならないということなのでしょう。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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