金価格ディリーレポート(2020年2月3日)中国市場が春節の休暇から戻る中リスクオン基調で金は3週間ぶりの高さから下げる
金価格は月曜日ロンドン時間に3週間ぶりの高さから下げています。
これは、中国人民銀行が新型コロナウイルスの影響から金融システムを守ることを明言する中で中国株価は大きく下げたものの、欧米株価が上昇するなどリスクオン基調となっていることが要因となりました。
現物金価格はロンドン昼過ぎに、ドルが上昇し安全資産と呼ばれている日本円とスイスフランクが共に数週間ぶりの高さから下げる中で、0.8%下げてトロイオンスあたり1577ドルを付けていました。
また、主要欧米国債も金価格同様にその価格を下げ、すでに今年初頭から20%下げていた米国債10年物の利回りは1.53%まで上昇していました。
本日上海総合指数が春節の休暇明けに一日の下げ幅としては4年ぶりの大きさの8%下げる中で、ロンドンのRBC Capital MarketのFXストラテジストのAdam Cole氏は次のようにコメントしています。
「中国市場は先週の市場の動きを本日追ってリスクオフ基調となっている。実際のところ、週末にこれまで以上の悪いニュースが出なかったことで市場は安どしている。曽於ために、リスクオン基調となっているのだ。」
上海で取引されている原油から銅などのコモディティは、中国人民銀行が本日予想に反してリバースレポ金利引き下げと金融市場に1兆2000億人民元を投入したにもかかわらず、一日に許容されている最大下げ幅を付ける等急落していました。
また、その間人民元は対ドル7を割る水準までの1.2%ほど下げ、上海の3年前に開始されたベンチマークである金の指標は、本日グラムあたり357元まで上昇していました。これは、昨年5月以来の高い水準ですが、未だ2011年から2012年の最高値を下回っていました。
そのために、世界最大の金産出国で輸入国で消費国である中国の上海で取引されている金価格と世界の金市場の中心のロンドンでの価格の差を示すプレミアムは、トロイオンスあたり3ドルと過去の平均の三分の1に下ていました。
なお、中国の金輸入量は昨年12月に3倍となっていたものの、前年同月比では28%減となっていたことが先週金曜日に明らかとなっていました。
中国のCaixin製造業PMIデータは、経済の拡大を示していたものの、その数値は5か月ぶりの低さとなっていたことが、本日発表のデータで明らかとなりました。それに対し、ユーロ圏の製造業PMIは、先月再び経済規模は縮小していたものの、2019年半ば以来の低い水準ではあったことがMarkit社からのデータで明らかとなりました。
ユーロ建て金価格は本日ロンドン昼過ぎに0.5%下げのトロイオンスあたり1425ユーロと、欧州株が先週の7か月ぶりの大きな下げから回復する中で下げていました。
それに対し英国製造業PMIは、先週金曜日の英国のEU離脱以前に、金融危機以来の長い経済の収縮から先月脱していたことが本日のMarkit PMIのデータで明らかとなりました。
PM @BorisJohnson says the government's "made a choice" - the UK wants a "comprehensive free trade agreement similar to Canada's".
If this isn't successful, trade will have to be based on the "existing withdrawal agreement with the EU". https://news.sky.com/politics pic.twitter.com/PQ9bo9VFNS
— Sky News (@SkyNews) February 3, 2020
英国ポンド建て金相場は、本日ボリス・ジョンソン首相が、EUが英国にEU規制に従うことを強いるのであれば、英国は貿易協議の場から去ると述べたことから、為替市場でポンドが下げる中で、0.3%上昇してトロイオンスあたり1208ポンドとなっていました。