金市場ニュース

ニュースレター(2019年2月22日)10か月ぶりの高値を付けた後に予想よりハト派色薄いFOMC議事録で下げる

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1329.14ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から1%上げています。それに対し銀価格においては、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり15.86ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から1.2%上げています。なお、プラチナは本日午後3時の弊社チャート上で838.13ドルと前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から6.4%上げています。

今週は貴金属は、ドル高が一服しFRB金利据え置きもしくは引き下げの観測も進み、それぞれ数か月ぶり(金は昨年4月以来、銀は昨年7月以来、プラチナは昨年11月以来)の高さへと上昇していました。しかし、FOMC議事録が予想よりハト派ではなかったことで、それそれ価格は押し下げられることとなりました。それでは、今週の価格の動きを追ってみましょう。

月曜日ドル建て金相場はドルインデックスが下げる中で2週間ぶりの高さへのトロイオンスあたり1327ドルへと一時上昇していました。ドルインデックスは今月1.4%既に上昇していました。

これは、先週北京で行われた米中貿易協議が今週ワシントンで継続されることを好感して安全資産として買われていたドルへの資金流入が減ったこと、またいまだ先行きが不透明な米中貿易協議やメキシコとの国境の壁を巡る米国政局などから、金が恩恵を受けているとされていました。

また、同日米国はプレジデントデーで祝日でしたが、アジアの株式市場は米中貿易交渉の進展を好感して上げたものの、欧州株式市場は自動車関係株が、トランプ大統領が追加関税を90日以内に課する可能性があるとして下げる中で全般下落していました。

また、カリフォルニア州は昨日先週金曜日に出されたトランプ大統領のメキシコ国境への壁建築予算をねん出するための非常事態宣言が違法であるとして、裁判で戦う準備があると表明し、その後翌日火曜日までに16の州が同様に表明していました。

火曜日金相場はドルインデックスが多少ながら下げる中で、トロイオンスあたり1341ドルと10ヶ月ぶりの高さへと上昇していました。

同日は米中の貿易協議交渉の期限の3月1日が迫る中で懸念の広まりもあり株式市場は日経平均を除き全般下げていました。

そのような中で日経平均が小幅続伸していたのは、為替が経済・物価に影響し目標達成に必要なら緩和検討と衆院財務金融委員会で答えたことが要因でした。

そのため、円安も進み円建て金相場もgあたり4758円と昨年1月末以来の12ヶ月半ぶりの高さへと上昇していました。

水曜日金相場は前日の上げ基調を受け継ぎ早朝に昨年4月以来の高さのトロイオンスあたり1346ドルまで一時上げた後、米中貿易協議の行方と今晩のFOMC議事の発表を待つ中で狭いレンジで動いていました。

また、同日は日本の貿易赤字が予想を上回ったことで円安が進み、円建て金相場は前日の昨年1月末以来の高さから2017年12月末以来の高さのグラムあたり4801円へと一時上げていました。

そして、ポンド建て金相場もトロイオンスあたり1033ポンドと2017年9月以来の高さへと上昇していました。

これは、同日保守党の3議員が前日労働党から離脱した7人と合流して2度目の国民投票の実施を目指して行動を共にするとしたことで、メイ首相の求心力低下懸念でポンドが一時対ドル下げていたことからでした。

木曜日金相場は、前夜発表されたFOMC議事録が市場予想よりハト派的ではなかったことからも、株価が下げドルも弱含む中で、利益確定の売りが進み、トロイオンスあたり1331ドルへと前日のピークから15ドルほど下げていました。

このFOMC議事録では、金融当局のバランスシート縮小を年内に停止することで当局者の認識が幅広く一致したことが示されていましたが、年内の追加利上げの是非については明確な見解が示されなかったことから、利下げ観測まで出ていたことからも、市場としては予想するほどハト派的ではないという理解となったことからです。

本日金相場は、米中貿易協議の結果を見守る中で昨日の下げ幅を多少ながらも取り戻し、トロイオンスあたり1330ドル前後を推移しています。

その他の市場のニュ―ス


  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、今週も木曜日までに水曜日を除き減少を続け789トンと、年初からの増加分をすべて失っていること。

  • 木曜日発表された欧州中央銀行の議事録では、理事会メンバーがユーロ圏経済を悲観的に捉えていることが示され、また新たな貸出条件付き長期資金供給オペに関する分析を迅速に進めるようスタッフに求めていたことが明らかとなっていたこと。

  • コメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者ポジションは、今週火曜日で1月29日分まで発表され、年初から減少を続けていた金の強気ポジションは金相場がトロイオンスあたり1300ドルへと乗せた際に増加していたこと。銀の強気ポジションも2週ぶりに増加していたこと。

  • 今週英国野党第一党の労働党から8人の議員が、コービン党首の方針と党内の反ユダヤ主義的傾向を正すことのない態度を抗議して離党し、与党保守党からもメイ首相の方針及び保守党の方向性に抗議して離党し、共に新たな独立グループを結成したこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

来週は英国は議会で修正後のEU離脱協定案の採決が行われる予定となっており、米中貿易協議については、来週3月1日がその期限ですが、本日中国の交渉団とトランプ大統領が会談をする予定であることから、この結果及び今後の予定に市場は注目することとなります。

また、主要経済指標では、パウエル米FRB議長の議会証言が火曜日と水曜日に行われ、また米国政府の一部閉鎖から遅れていた米国の第4四半期GDPが木曜日に発表され、これらに市場は注目することとなります。

それに加えて、火曜日の米住宅着工件数、ケース・シラー住宅価格、米消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、水曜日のユーロ圏の消費者信頼感指数、木曜日の中国の製造業PMI、シカゴ購買部協会景気指数、金曜日の中国のCaixin製造業購買担当者景気指数、ユーロ圏と英国と米国の製造業PMI、米国の個人所得、個人消費支出、米ISM製造業景況指数、ミシガン大消費者信頼感指数等となります。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

 ロンドン便り

今週は英国はそれぞれ労働党と保守党の党首及び党のブレグジットの方針などに抗議して離脱した議員が独立グループを形成したことがトップニュースで取り上げられていますが、ここで今年に入りお伝えしたニュースの続編を簡単にお伝えしましょう。

それは、第2次世界大戦時に戦死した米国人兵士の記念碑を守り続けていた英国年金受給者のトニー・フォールド氏望みが叶い、75周年の本日記念飛行が無事行われたというニュースです。

本日は好天に恵まれ、今朝午前8時45分にこの記念碑の上空を無事6機の飛行機が飛び去って行きました。

この記念飛行はBBCのブレックファストニュースが生中継で伝え、75年前に亡くなった米国人兵士の遺族も共にこの場に立ち会っていました。

ただ、トニー・フォールド氏の長年の夢をBBCで伝えたBBCブレックファストニュースのプレゼンターのダン・ウォーカー氏は他の仕事がタンザニアに入っていたために立ち会えなかったとのこと。

今回フォールド氏の夢であった記念飛行が叶ったのは、たまたまウォーカー氏が犬を散歩していた時にフォールド氏が記念碑の世話をしている場に遭遇し話をしたことがきっかけでした。そして、ウォーカー氏がフォールド氏のストーリーに心を打たれて願いを叶えたいと、BBCでストーリーを紹介したことで、多くの人々の協力を得ることができて今日の記念飛行が実現したとのことです。

記念飛行を眺めながら満面の笑みと共に溢れてくる涙を拭いているフォールド氏とタンザニアでそのBBCの中継を見ていたウォーカー氏が、言葉が出ないとツィートしている写真は、ただただ心を動かすものでした。

たくさんの辛くなるようなニュースが多い中で、今日は朝から人が他を思いやることで叶う夢があるということを伝えるニュースに触れましたのでお伝えさせていただきました。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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