金市場ニュース

ニュースレター(2019年12月20日)世界株価が史上最高値を付ける中で金は堅調に推移

いよいよ年の瀬が迫ってまいりました。本年も弊社ニュースレターを購読いただきありがとうございました。

今週のニュースレターで本年最後とさせていただきます。なお、年末年始は私が日本に入ることからも、ニュースレターの配信が不定期になることをご了承ください。

そこで、来週と再来週のニュースレターは年明け6日に発信させていただき、10日に簡易版の発信、その後ロンドンに戻る13日の週の17日から通常のニュースレターをお届けする予定です。

よろしくお願いいたします。

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1479.67ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)と0.9%上昇し、銀価格は、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり17.04ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から0.6%上げています。また、プラチナも本日午後3時の弊社チャート上では929.09ドルと前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から0.4%下落しています。

今週金相場は、クリスマス休暇で薄商いの中で、世界株価が市場最高値を更新する中で、トロイオンスあたり1470ドルから1482ドルのレンジ内で堅調に推移し、6週間ぶり高さの終値となる方向で推移しています。

月曜日金相場は、前週の米中貿易協議部分合意の詳細情報を待つ中で、トロイオンスあたり1476ドルを挟んで5ドルほどの狭いレンジながら、先週終値を上回る水準で推移していましたが、欧米株価が史上最高値へと上昇する中で若干押し下げられていました。

火曜日金相場は狭いレンジの取引の中で、一時トロイオンスあたり1480ドルまで上昇したものの、その後再び1476ドルと前日終わり値の水準まで下げていました。

この下げは同日発表の米国鉱工業生産、住宅着工件数が予想を上回ったことでドルが強含んだことが要因となりました。

なお、同日はジョンソン英国首相がEU離脱後の移行期間を延長させないための法改正を目指すと伝わったことから、ポンドが対ドルで大幅に下げて、ポンド建て金相場が前週の総選挙結果前以来の高さのトロイオンスあたり1257ドルへと上昇していました。

水曜日金相場は米国株価指数が前日に続き上昇する中で、引き続きトロイオンスあたり1470ドルから1480ドルのレンジで推移していました。

なお、同日米議会下院はウクライナ疑惑でトランプ大統領を弾劾追訴する決議案を審議して、弾劾追訴が決まっていました。しかし、来年からの上院での審議は、共和党が過半数を占めていることからも可決は無しということからも、市場は注視しているもののその影響は限定的となっていました。

木曜日金相場は、米主要株価3指数が再び最高値を更新する中で、トロイオンスあたり1479ドルと6週間ぶりの高さへ上昇していました。

米株価指数が上昇していたのは、ムニューシン米財務長官が本日で「米中の第1段階の合意は1月にも署名される」と述べたこと、そして中国が12月26日から1年間、米国産の化学・石油製品6品目の関税を免除すると発表したことなどから、米中貿易摩擦懸念が交代したことが要因となりました。

このような中でも、金が堅調に推移していたのは、株高止まりへの懸念、同日発表のフィラデルフィア連銀製造業景気指数と新規失業保険申請件数の悪化などもある模様です。

なお、ポンドは同日も下げており、前日までの7月以来の2日間の下げ幅を更に広げ、ポンド建て金相場は2週間ぶりの高さのトロイオンスあたり1136ポンドと上昇していました。

このポンドの下げは、ジョンソン首相の強行離脱懸念から、また同日イングランド銀行の金融政策決定発表で金利は7対2で据え置かれたものの、2人のメンバーは利下げを主張したことなどが要因となりました。

本日金曜日ももまた、市場がクリスマス休暇を前に薄商いの中で、株価が上げ、ドルが高止まりする中でも、1478ドルを挟んで5ドルの狭いレンジでの取引となっています。

なお、本日発表された米第3四半期GDPは予想通り2.1%、FRBが注目する個人消費支出PCEコア価格指数は1.6%と予想と同水準であるものの、FRBがターゲットとしている2%を引き続き下回っています。

その他の市場のニュ―ス


  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、今週木曜日までに週間で2.9トン減少し883トンと、3か月半ぶりの低さとなっていること。

  • 金ETFの第2の規模のiShare Gold Trustの残高は、昨日11月25日以来初めて減少し、今週木曜日までで0.66トンの減少と11月半ば以来初めて週間の下げとなる傾向であること。

  • 銀のETFとして最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週木曜日までに週間で0.20%減少していること。

  • 金銀比価は今週木曜日までに86後半から87へと上昇(銀割安)しつつあること。

  • また、今週の上海黄金交易所(SGE)のロンドン価格との差のプレミアムは、週間平均で6.07と先週と同水準であったこと。

  • 今週月曜日に発表されたコメックスデータによると、先週火曜日にFOMC、英国総選挙、米中部分合意等の主要イベントを前に価格が狭い幅で動いていた際に、プラチナを除きすべての貴金属で強気ポジションが減少していたこと。

  • コメックスの金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは火曜日に13%減の614トンほぼ6か月ぶりの低さとなっていたこと。

  • コメックスの銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週火曜日に33%減の4659トンと、5か月ぶりの低さとなっていたこと。

  • コメックスのプラチナ先物・オプションの資金運用業者のネットポジションは、13.1%増の48.4トンとほぼ1年11か月ぶりの高さとなっていたこと。

  • コメックスのパラジウム先物・オプションの資金運用者のネットロングポジションは、1.29%減の42.8トンとなっていたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

来週はクリスマスで多くの国々が祝日、そして市場が休場となることからも、イベント及び指標の発表は限られることとなります。

その様な中でも、月曜日の新築住宅販売件数、日銀政策会合議事録、火曜日の米国耐久財受注、リッチモンド連銀製造業指数、木曜日の米国新規失業保険申請件数、日本の失業率及び消費者物価指数、鉱工業生産等で薄商いの市場が動く可能性があります。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週英国では先週の総選挙結果を受けて、大敗した野党労働党の新たな党首について、そしてこの選挙結果の分析などが多くニュースで取り上げられていました。

その様な中で、毎年ここでご紹介している2019年の言葉を今年も取り上げてみましょう。

まず英国のOxford Dictionaries社は「Climate Emergency(気候非常事態)」を今年の言葉として発表しています。

この言葉の定義は、気候変動、またこの変動による改善不可能な環境への損傷を与えることを止めるために緊急な措置を必要とする状況とのことですが、使用頻度が過去12か月間に10,796%増加したとのことです。

そして、Climate(気候)はEmergency(非常事態)と最も組み合わせて使われ、それに次ぐHealth(健康)Emergencyの3倍となっていたとのことです。

また、これまで環境問題で使われていた、Climate change(気候変動)もしくはGlobal warming(地球温暖化)に代わりその緊急性からも使われていることが目立っているとのこと。

今年は英国、フランス、カナダ、オーストラリア等が気候非常事態宣言を行っていますが、タイムズ誌が今年の人としてスウェーデンの環境保護活動家のグレタ・トゥーンべリさんを選ぶなど、環境問題がこれまで以上に注目されたのは確かなことでしょう。

ちなみに、英国のもう一つの著名辞書のCollins Dictionaryの選んだ今年の言葉も「Climate Strike(気候マーチ)」と気候変動に具体的な政策や行動を求めるトゥーンべリさんが始めた抗議デモと気候変動にちなんだものでした。

それに対し、米国出版社のMerriam-Webster社の選んだ今年の言葉は「They(彼ら)」とのこと。

この言葉は前年から検索率が313%高くなったとのこと。その理由として、この言葉には性的指向がノンバイナリ―である人に対して使われるという意味が今年9月に新たに定義されたからとのことです。

ちなみに、「ノンバイナリー」とは、身体的にも精神的にも男性や女性のどちらにも分類・限定されないジェンダーとのこと。

このように、どのジェンダーにも属さない人々を表す言葉が辞書に加わり、多くの人々の興味を引いたことは、LGBTQ+の人達がより生きやすい社会となっていく一つのステップであるのかもしれません。

それでは、素晴らしい、クリスマスと新年をお過ごしください。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

注意事項: ここで発信される全ての記事は、読者の投資判断に役立てるための情報です。しかし、実際の投資にあたっては、読者自身にてリスクを判断ください。ここで取り扱われる情報及びデータは、すでに他の諸事情により、過去のものとなっている場合があり、この情報を利用する際には、必ず他でも確証する必要があることを理解ください。Gold Newsの利用については、利用規約をご覧ください。

SNSで最新情報を入手

Facebook   TwitterYoutube

 

金市場の需要/供給ニュース