金市場ニュース

ニュースレター(2018年11月23日)感謝祭の祝日で薄商いの中でレンジ内で動く

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の価格は1223.58ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から0.1%上昇しています。また銀価格においては、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり14.26ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から0.1%下げています。

今週は木曜日が米国の感謝祭の祝日で全般薄商いの中、米中貿易摩擦、英国のEU離脱関係、イタリアの予算案に関するニュースで市場はレンジ内ながらも動くこととなりました。それでは、今週のその動きを曜日ごとに追ってみましょう。

前週4営業日連続で上昇していた金相場は、同日米中の貿易摩擦への懸念が高まり、米長期金利が高止まりしているものの、FRBが利上げを予想より早く終える観測も広がる中、ロンドン時間午前中にトロイオンスあたり1218ドルまで一時下げた後に、1222ドルで終えていました。

米長期金利に関しては、先週金曜日にお伝えしたFRB副議長の「米金利がFRBが中立とみなす水準に近づく」というコメントで10月初旬ぶりの3.06%まで下げた後、月曜日は3bp上昇しているものの、今月の7年ぶりの高さの3.24%からは低い水準となっていました。

米中貿易摩擦に関しては、週末行われていたAPECで米中が高いの通商政策を巡り激しく対立し25年間の歴史で初めて首脳宣言採択を断念したことから、懸念が広がっていました。

火曜日金相場は世界株式が下げ、原油が5%急落する中で、トロイオンスあたり1228ドルまで上昇したもののその後1220ドルで終えていました。

同日の株安は、米中の貿易摩擦、翌日発表されるイタリア予算案の欧州委員会の報告書、英国離脱の離脱協定案を巡る英国内の混乱等が要因となりました。

なお、英国のブレグジット関連ニュースでは、同日イングランド銀行のマーク・カーニー総裁が離脱協定案を支持することが伝えられていましたが、メイ政権と閣外協力をする民主統一党(DUP)は北アイルランド関連の内容で強く協定案に反対し、昨夜の国内の経済関連法案修正案で政府に協力をしなかったこと、そしてスペインは英領ジブラルタルの扱いについて合意された協定案は支持できないと前日表明したことが伝えられる等、先行きが見えない状態となっていました。

 

 

水曜日金相場は前日今年の上げ幅を全て失う水準へ下げたダウ平均を含む世界株が下げ幅を取り戻す中、トロイオンスあたり1229ドルと2週間ぶりの高さへと上昇することとなりました。

この間ドルインデックスが下げと米長期金利が上昇していましたが、これはFRBによる利上げが来春には終わるというMedlia Networks Inc.のレポートが要因と伝えられていました。

また、同日発表された米耐久財受注や新規失業保険申請件数が経済の悪化を示したことも要因となりました。

木曜日米国が感謝祭の祝日である中、英国のEU離脱関係ニュースで市場が動いていました。

同日は離脱後の通商など将来関係の大枠を定める「政治宣言」で英国とEUが大筋合意したとの報道がきっかけでユーロとポンドが強含み、英国債の利回りが上昇し、ポンド建て金相場はトロイオンスあたり10ポンドほど一時下げることとなりました。

また、ドル建て金相場も対ドルポンドやユーロが強含む中でドルが0.2%下げトロイオンスあたり1230ドル一歩手前まで一時上昇し、1225ドルで終えていました。

本日金曜日金相場は、前日の感謝祭後休暇を取る米市場関係者も多く、日本市場も祝日で商い薄である中、米株価が下げる中でドルインデックスが強含み一時1220ドルまで下げた後に、ロンドン時間午後5時に1222ドル前後を推移しています。

ドルが強含んでいるのは、コモディティ価格が下げていること等からも、米中貿易摩擦や欧州における政治リスクで、世界経済の先行きへの懸念が高まっていることも要因となっている模様です。

なお、週末日曜日には英国のEU離脱のための離脱協定案を承認するためのEUサミットが行われ、来週はG20での米中首脳会談が予定されています。

その他の市場のニュ―ス


  • 原油価格が本日金曜日にバレルあたり51ドルと今年一番の低さまで下げたこと。

  • 金ETF最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高が今週水曜日までで3.3トン増加し、762トンと今年8月末の水準まで上昇していたこと。

  • ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が、ロンドン市場で実際に取引されたデータを基に平均取引量のレポートを今週火曜日にローンチしたこと。この詳細は「ロンドン貴金属市場協会が取引量を公表する新たなレポートをローンチの記事でご覧いただけます。

  • 水曜日に欧州委員会が2019年予算案を巡りイタリアへの制裁に向けた第1段階に入ったことが伝えられていたこと。

  • 先週末発表されたコメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者ポジションは、先週火曜日に金価格がトロイオンスあたり1200ドルを割って下げる中、パラジウムを除き全てがショートポジションを積み増していたこと。

  • コメックス

    金先物・オプションの資金運用業者のポジションは、先週火曜日も18週連続でネットショートで、そのポジションも89%増の220トンと、5週間ぶりの高さとなっていたこと。


  • コメックス銀の先物・オプションの資金運用業者のポジションも先週火曜日に18週連続でネットショートで、そのポジションも91%増で6,041トンと、5週間ぶりの高さとなっていたこと。


  • コメックスのプラチナ先物・オプションの資金運用業者のポジションは、30週連続のネットショートから2週連続でネットロングであるものの、そのポジションは3.35%減の15トンとなっていたこと。


  • コメックス貴金属で唯一ロングポジションを積み増したパラジウムの先物・オプションの資金運用業者ネットロングポジションは、先週火曜日に2.05%増の39.928トンとなっていたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

来週の注目イベント及び指標は、今週日曜日に開催される英国のEUからの離脱のための離脱協定素案の承認が予定されているEU臨時首脳会議、また米中首脳会談が予定されているアルゼンチンでのG20首脳会議ですが、それに加えて、木曜日のFOMC議事要旨も重要となります。

その他では、月曜日のドラECB総裁発言、火曜日のケース・シラー米住宅価格指数、米消費者信頼感指数、水曜日の米リッチモンド連銀製造業指数とパウエルFRB議長の講演、木曜日米個人消費支出、金曜日の中国のPMIとユーロ圏の消費者物価指数、米シカゴ購買部協会景気指数等となります。

ブリオンボールトニュース

英国の日刊紙のディリーエクスプレスの「世界金融危機の6つの前兆」という記事で、金価格がその一つとして取り上げられて、弊社リサーチダイレクターのエィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。

ここでエィドリアンは、ポンド建て価格が10月初旬から7%下げた英株式とほぼ逆の動きをしていることを紹介し「これは今後の株式市場の低迷の前兆かもしれない」とし、「金は他の資産特に株式市場が下げる際に上昇する。それは他の資産からの資金が集まり、世界金融危機時のように投資需要が高まるからだ。」とコメントしています。

また、日経ビジネスの特別企画で、弊社の日本における正規媒介代理店のブリオンジャパンのCEOの平井政光氏が竹中平蔵氏と金について「第4次産業革命で変わる世界、変わらない金の価値」として対談をしています。

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週も英国はEUからの離脱関連のニュースが日々トップニュースとして伝えられています。

そのような中で、本日は英国のフォーミュラー4のドライバーであったビリー・モンガ―(Billy Monger)氏のドキュメンタリーが今週BBCで放映されて大きな反響を呼んで言いましたのでお伝えしましょう。

ビリーは今年19歳の英国生まれの青年で、6歳からカート等のレースを始め、その抜きん出た才能からも、17歳と若くして2016年から英国のフォーミュラー4に参戦していました。しかし、彼は昨年4月16日にレース中の両足を失う大きな衝突事故に巻き込まれていたのでした。

このことはニュースでも伝えられ、彼の今後のための寄付のサイトに24時間以内に50万ポンド(約7200万円)が募金されたこと、ルイス・ハミルトン等のフォーミュラー1の著名ドライバーが彼を応援していること等も紹介されていました。

このドキュメンタリーは、事故後彼が退院をした頃から彼とその家族が、今年3月に再び彼がレースに復帰するまでの日々を追ったものでした。

事故後の復帰戦のフォーミュラー3のレースで彼は3位と表彰台に上るのですが、これは事故から1年未満と驚異的な速さでした。

その間には、レースに参戦するために国際自動車連盟に掛け合って身体障害者が参戦することを禁止している規定を取り除いてもらい、フォーミュラー3のドライバー枠を獲得、そしてその車も彼用に改造してもらう等と、幾つかのハードルを乗り越えていくのですが、事故後もレースに戻ることしか考えなかったという彼の揺るぎのない決意とそれを受け止めて支える家族愛には感嘆するばかりでした。

そして両足を失ったことを悲しんだり、レースに戻らないという選択肢を考えることなく、自分がレースに戻るためには何が必要かを考え、ただひたすら進んでいる姿は清々しいものでもありました。

もちろん、ドキュメンタリーで紹介されていない様々な躓きや暗い日々もあったんでしょうが、インタビューで見せる彼の年齢を超えた成熟さには心から驚かされました。

今シーズンは23レースで3度表彰台に上り、総合順位は6位とのこと。

これからも私を含む多くの人々が、彼の挑戦する姿から力をもらい続けるのでしょう。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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